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死者を悼みながら日本中を旅して回る青年・坂築静人と彼の家族、そして彼と出会い運命が変わった人々の姿を通して生と死の意味や尊厳を描くヒューマンドラマ。
監督は『20世紀少年』シリーズや『SPEC』シリーズの堤幸彦。
主人公である”悼む人”、坂築静人を演じるのは『蛇にピアス』『ソラニン』の高良健吾。
夫を殺害した過去を持つ女性、奈儀倖世を演じるのは『もののけ姫』『コクリコ坂から』の石田ゆり子。
倖世に殺された夫、甲水朔也を演じるのは『20世紀少年』シリーズや『そして父になる』の井浦新。
静人に興味を示すライター、蒔野抗太郎を演じるのは『アウトレイジ』や『SPEC』シリーズの椎名桔平。
原作は天童荒太による同名小説。この作品は第140回直木賞を受賞しているらしいが未読。
死者に祈りを捧げながら日本中を旅する青年の姿を描くとってもスピリチュアルな映画。幸福のなんちゃらとか創価かんちゃらとか、その辺の宗教団体が作った映画かと思っちゃうような内容だったが、東映配給の映画であるので安心して欲しい。
本作の見どころはなんと言っても石田ゆり子の濡れ場っ!エロいっ!!😍マゾヒズムに満ちたラブシーンから青姦まで、清純派なイメージを覆すような体当たり演技を堪能することが出来ます。
静人と倖世のラブシーンは、冷静に考えると「今そんな事しとる場合かっ!?母親死にかけとるんやでっ!?」と言いたくなってしまうが、石田ゆり子と青姦出来るのであれば親の死に目に会えないことくらいなんてことはない!!…のか?
にしても、若い女優を差し置いて45歳で濡れ場を披露、しかもそれがちゃんとサービスシーンとして機能しているんだから、やっぱり石田ゆり子って凄いわ。あんたがNo.1や!!
倖世の夫、朔也を演じた井浦新もやけにハッスルしていてとても良かった。鳥肌実みたいなピッチリ七三で変態感マシマシ。
今際の際の最後の一言が「君から…産まれたい」ですからね。このバブみには名誉マザコンであるシャア・アズナブルさんもニッコリ😊
死してなお妻をストーキングし、妻と若い男の情事を覗き見て成仏するという100点満点の変態。世界変態キャラランキングで上位入賞間違いなしの逸材を発見してしまった!!やったぜ。
てかこの人、てっきり倖世が生み出した幻影だと思っていたので静人の前に姿を現した時にはびっくりしちゃった。オバケだったのかよ!!この映画のリアリティラインはゆるゆる。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)のランニングパートだけを138分観させられているような感じで、正直途中で完全に飽きてしまったのだが、前述したように石田ゆり子や井浦新の快演には楽しませてもらったし、『アウトレイジ』(2010)ばりに椎名桔平がボコられるところなんかはバイオレンスで良かったと思う。…人間って生き埋めにされた状態でどのくらい生きていられるんすかね?椎名桔平、少なく見積もっても30分くらいは埋まってたと思うんだけど、彼はヨガか何かやってたの?
土砂降りの中静人と倖世が山越えするところなんて、そのあまりの雨量に爆笑出来たし、退屈ではあるが見どころは結構ある映画だったと思います。
と、ここまでちょっとおちょくるようなレビューを書いてきたけど、静人と倖世パート/静人の家族パート/蒔野抗太郎パートの3つのストーリーラインを最終的には綺麗に収束させており、作劇的にとてもスマートだと思った。あとはもう少しタイトなら飽きることなく観ることが出来たかもしれない。この物語なら100分くらいがちょうど良いんじゃない。
気になったのは劇伴のチープさ。終始悲しい音楽がポロポロンと鳴ったりしていて辛気臭いったらない。悲しい場面だっていうのは見りゃわかるんだから、そこに悲壮な音楽を乗っけるというのはただの説明過多。もう少し音楽には工夫を見せて欲しかった。
俳優の演技に関しても一言言いたい。というか、戸田恵子に一言言いたい。あなたこんなに演技下手だった!?
1人だけ三谷幸喜作品みたいなオーバー過ぎる演技を披露しており、なんだか見ていて居た堪れなくなってしまった。下手な役者じゃないんだから、そこは監督なりなんなりが「戸田さん、もう少し抑えて…」みたいに演技指導してあげなくちゃ。1人だけ浮いていて可哀想だった。
本作は”悼む人”教誕生秘録。石田ゆり子を皮切りにどんどん悼む人が増えてゆき、最終的には政治団体を結成。暴走した信徒が都内の地下鉄を目標にしたバイオテロを計画する…。そんなシリーズ展開もありなんじゃないでしょうか!
とにかく石田ゆり子の濡れ場!これが見どころ!石田ゆり子ファンは必見の一作!!