HUNGER ハンガー(2008)

劇場公開日:

HUNGER ハンガー(2008)

解説

「それでも夜は明ける」で第86回アカデミー作品賞を受賞したスティーブ・マックイーン監督が、2008年に発表し、カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)を受賞した長編デビュー作。1981年、北アイルランドのメイズ刑務所に、イギリスのサッチャー政権に弾圧され、政治犯として権利を奪われたIRA(アイルランド共和軍)のボビー・サンズらが収監されていた。自らの信念を貫くためサンズと仲間たちは抵抗を繰り返すが、看守たちの暴力によって制圧され、何も状況は変わらない。サンズは最後の抗議手段としてハンガー・ストライキの実行を決意する。

2008年製作/96分/R15+/イギリス
原題または英題:Hunger
配給:ギャガ
劇場公開日:2014年3月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第61回 カンヌ国際映画祭(2008年)

受賞

カメラドール
カメラドール スティーブ・マックイーン

出品

ある視点部門
出品作品 スティーブ・マックイーン
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映画レビュー

4.0命を賭けてまで「抵抗する」ことの意義とは何であるか

2023年4月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

戦後のイギリスの黒歴史とも言えるアイルランド紛争。細かいところは割愛するが、この一連の紛争を理解するには歴史における両者の関係を知らなければならない。イングランド政府とアイルランドの関係は歴史的に征服者と被征服者の関係であった。イングランド政府はカトリック教徒であり征服したアイルランドの人々を差別的に扱ってきた。しかし、19世紀にセンセーションを巻き起こしたナショナリズムはアイルランドまで到達し、1919年のアイルランド独立宣言を皮切りにアイルランド人の闘争は武力衝突へと発展した。映画で問題となっている北アイルランドでは反カトリックの団体によるポグロムが起きた。ここは現在でもイギリスの一部であるが、このような宗教紛争と帰属意識が北アイルランド紛争へと繋がっている。

本作の主役である囚人は反英闘争をテロ闘争をもって展開したアイルランド共和国軍(以下IRA (Irish Republican Army))に加担したとして捕まった。IRAは民族主義を掲げる民兵集団であり、北アイルランドのアイルランド共和国への編入を求めていた。穏健派と急進派がいたものの、プロテスタント系住民とイギリス市民にとっては恐怖の対象であった。

政治的な意図を持って活動していた為、政治犯として収容されることを望んでいたが、語弊があるもののイギリス政府から見ればISISのようなイスラム過激派テロ組織を政治犯として扱うと同義であった故に強い抵抗感があったのだろう。保守派のサッチャー政権はこのハンガー・ストライキに強硬な姿勢で対応し、数年後の1984年の保守党の例年会議で爆破テロに遭遇している。

では、テロよる過激な主張とハンガー・ストライキという手段は行き過ぎな行為であったのだろうか。それが善悪どちらかであったのかは「立場の違い」によって異なる。しかし、彼らにとっての意義は反カトリックとイギリス政府からの解放へと進む確信があったと思える。少なくとも狂信的であるが純粋であった。看守の暴力は暴力性という特性が看守から見た囚人にはある為、「眼には目を」の暴力の応酬となってしまったのだろうか。暴力は関係を断絶させるので望ましくないが、それ以外をIRAやイギリス政府が選択できたのかと考えると、所詮自分の見方は「理想の倫理観」に過ぎないとげんなりする。

今までIRAは過激なテロリストという立場で描いた映画しか見たことがなかったので、今回の映画は新鮮なものだった。

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シローキイ

1.5時間の無駄

2020年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

まず、これ見せられて感化されるほど無知ではない。
いや、無知というのは違うか、無垢ではない、かな。そりゃ、事実を知らないのだからとやかく言える立場ではないのだが、映画を観た者の感想として言えるのは、クズ映画ってことかな。時間の無駄。

思想や問題意識が先走ったような映画ほど、押しつけがましいものはなくて、それが映像から溢れ出している。観ていてクソめんどくさい笑
まあ、それだから映像は評価されたんでしょうね。専門家が褒めそうな画だわ。

最低点ではないのは、一方でそのクオリティと意欲を理解するから。。
個人的にはまらなかった、てことでしょうね。

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okaoka0820

3.0誰もに愚かな若者時代がある。でも、それを未来から断罪することはできない。

2020年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

IRAの存在、活動を
うっすらとしか知らず、
ハンガース・トライキはドクターストップで終了するもの
と、思い込んでいた自分に気付かされた。

同世代に近いボビー・サンズが
1981年に死を選び、
私は2020年に彼を知る。

映画としての出来はともかくとして、
世界を教えてくれた映画に感謝。

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マツドン

3.0即身仏だな・・・

2020年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ストーリーはほとんど無いに等しいのですが、前半の糞尿抗議だとか刑務官による拷問だとか、かなりリアルで圧倒される。あー、壁にウンコでアートしてるんだなぁ・・・とか、とにかく見ながらの食事はできない描写の連続。おしっこだけは廊下に流すという意味不明の描写も勘弁してほしい・・・ウゲッ

 IRAの歴史はさらっと勉強しておいた方がいいのでしょうけど、宗教上の違いなんかは日本人にはわかりづらい。北アイルランドの中にあってもカトリックとプロテスタントの信者が分かれているためだ。カトリックの神父と長回しの会話から、主人公ボビー・サンズ(マイケル・ファスベンダー)はハンガーストライキを決意するのだ。

 痩せ細っていく姿は見るに堪えない。すぐに思い出したのはクリスチャン・ベイル主演の『マシニスト』(2004)。そこまで身を削って痩せなくても・・・と、俳優の死をも覚悟するダイエットには恐れ入る。そうしたハンガーストライキは抗議の意義を通り越して、“死のハンスト”と表明するのだ。床ずれとか皮膚病とか、医学的な知識も語られるので勉強にもなる。コロナ禍の中、餓死する人も多いと思いますが、苦しいものなのだと覚えておきたい。

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kossy

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