イーダ
劇場公開日 2014年8月2日
解説
共産主義体制のポーランドを出てヨーロッパ各国で映画を撮り続けてきた映画作家パベウ・パブリコフスキ監督が、初めて母国ポーランドで撮影した作品。第87回アカデミー賞では、ポーランド映画初となる外国語映画賞を受賞した。歴史の波に翻弄された戦後ポーランドを背景とした少女の成長物語を、モノクロ&スタンダードによるクラシックな映像美で叙情的に描いた。60年代初頭のポーランド。孤児として修道院で育った少女アンナは、初めて会ったおばから自分の本当の名前がイーダ・ベルシュタインであること、そしてユダヤ人であることを明かされる。両親はなぜ自分を捨てたのか、自身の出生の秘密を知るため、イーダはおばとともに旅に出る。日本では「ポーランド映画祭2013」で上映されて好評を博し、14年に単独ロードショー。
2013年製作/80分/ポーランド・デンマーク合作
原題:Ida
配給:マーメイド・フィルム
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2021年10月17日
iPhoneアプリから投稿
モノクロであることが逆に新鮮で、主人公のイーダの美しさを際立たせている。彼女はこの映画しか出演しておらず、女優も今はしていないとのこと。貴重な一本。
修道女になる前に一度唯一の肉親である叔母に会ってくるように勧められるイーダ。でも叔母はイーダを引き取ることを拒否し続けている人物。なかなか会いに行くのも気が進まないだろう。でも会いに行ったことで、自分の出生について色々知ることができ、叔母との距離も近くなる。でも叔母さんは判事らしく、経済的にはイーダを引き取ることもできそうなのに、、、
おばの死後、イーダは思いを寄せる男性とも親密になったけれど、修道院に戻るのか?あのラストはどういう選択をイーダはしたのだろうか?
2021年10月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
絵画🖼のようなとの感想をみかけ、私にはアンナがフェルメールの絵と重なってた事を思い出す(青いターバンの少女)
ワンダが飛び降りた窓辺も何かの絵にあった気がする
ミュージシャンと幸せになって欲しかったな
だからって、人生、辛い事ばかりだったかも知れないけど、逃げないで生きて欲しかった
ネタバレ! クリックして本文を読む
修道女になる前に唯一の親族である叔母ヴァンダに会いに行く。
最初冷たかった叔母が、何故かイーダの父母の埋葬された地を探す為に奔走を始める。その理由が分かった時、深い悲しみにやるせなくなる。
呆気なく死を選んだヴァンダはもしもの望みに賭けていたのだろうか。
イーダはそのまま俗世で叔母のように生きていくのかと思ったが、修道院に戻って行ったのね。どちらが正解という事は出来ないが
2021年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ー 今作は「夜明けの祈り」を容易に想起させる作品である。
舞台は、1962年のポーランドであるが、今作品は、忌まわしき行為の傷跡を間接的に描き出している・・。ー
<Caution! 以下、内容に触れています。>
・孤児として修道院で生活している18歳のアンナは、ある日、”修道誓願”を行う前に、唯一の肉親である叔母ヴァンダに会うように言われる。それまで、一度も修道院に来なかったヴァンダ。
・訪れたヴァンダは、娼婦としての生活を送っていた。彼女は、”貴女は聖女、私は”マグダラのマリア”だから、お互いのために会わない方が良かった・・”と、告げる。
・ヴァンダは、アンナは実はユダヤ人で、実の名はイーダである事。そして、イーダの両親、ルージャとハイムは戦時中に殺され、どこかに埋められたことを告げる。
・ヴァンダとイーダは、且つてイーダの両親を匿いながらも、最後は殺害したと思われる男シモンの家を訪れるが、彼は病に臥せっており、入院していた。
・シモンの息子フェリクスが懇願し、ルージャとハイムが埋められた森に案内し、自ら穴を掘り穴の中で深く頭を垂れたまま言った言葉。
”自分が殺したんだ・・”
そこには、ヴァンダの幼き息子も埋められていた・・。
そして、こう呟く・・。
”イーダは幼かったから、神父に預けた・・。ヴァンダの子は、肌の色が褐色だったし、割礼もされていたから・・”
・二人は元の生活に戻るが、ヴァンダは自宅の窓から音楽を掛けながら身を投げる・・。
ー 元、検察官であり、”赤いヴァンダ”と呼ばれた自分の現在の境遇及び息子の最後を知った彼女には生きるという選択肢はなかったのであろう・・。ー
・イーダは、ドレスを身に着け、煙草を吸い、酒を飲み、ヴァンダとの両親の埋められた土地を探す旅の途中で知り合った青年リスと再会し、結ばれるが・・。
<「COLD WAR あの歌、2つの心」で知ったパヴェウ・パヴコフスキ監督は、彼の作品の前に、こんなにも残酷で、静謐な映画を製作していたのである。
そして、ポーランド人は、第二次世界大戦中のナチスが犯した蛮行を決して忘れてはいない事を再確認した作品でもある。>
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