影武者

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劇場公開日:

解説・あらすじ

黒澤明監督が「デルス・ウザーラ」以来5年ぶり(日本映画としては「どですかでん」以来10年ぶり)に製作した、戦国スペクタクル巨編。製作総指揮としてフランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが参加、アメリカでも公開され独創的な様式美と壮麗な合戦絵巻が評判を呼んだ。時は戦国時代、あやうく処刑をまぬがれた盗人が武田信玄の影武者となり、信玄の幻に威圧されながらも敵をあざむいていく。だが男にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも過酷だった……。カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。

1980年製作/179分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1980年4月26日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第53回 アカデミー賞(1981年)

ノミネート

外国語映画賞  
美術賞  

第38回 ゴールデングローブ賞(1981年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第33回 カンヌ国際映画祭(1980年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール 黒澤明

出品

コンペティション部門
出品作品 黒澤明
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(C)1980 TOHO CO.,LTD.

映画レビュー

5.0黒澤渾身の時代劇

2025年2月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原作脚本、黒澤明。
海外版プロデュースにフランシス・コッポラとジョージ・ルーカス。

【ストーリー】
男はコソ泥。
ある夜忍び込んだ先で捕縛され、死刑を待つ身であった。
その折、三河野田城攻めで信玄が銃弾に斃れる。
死のまぎわ、信玄は「我が死を三年かくせ」と言葉を遺した。
息子の信廉は、信玄と瓜二つの男を影武者に立て、遺言を守る。
男は上手くたちまわり、武田の家はどうにか再興の道すじをゆく。
武田家に傾倒してゆく男だが、落馬した際に川中島で上杉謙信よりつけられた傷がないことで、影武者と露見する。

武田信玄には影武者伝説がいくつもありまして、それらを巧みに使って、栄枯盛衰のドラマに仕立てたのがこの『影武者』です。
圧巻なのが、織田の鉄砲隊と武田騎馬軍の衝突。
三段構えの鉄砲隊が、次々と騎馬を粉砕してゆく場面は、画面の迫力も相まって、忘れられぬ切ないシーンになってます。
今の学説によると三段構えの鉄砲隊は、後の世の創作だということになってます。

実際の話に話題を広げますと、影武者というのは本当にいたそうで、大体の武将が使っていたとか。
フィクションのようなドラマチックな使われかたではなく、武将ごとに複数いたとか。
武将と同じ装束で、戦場のあちこちに影武者を配し、
「われこそは軍団の将なり! ここが本隊であるぞ!」
とあからさまにアピールして敵を撹乱したり味方を鼓舞したりしてたそうです。やべえかしこい。

コッポラとルーカスは、昔からクロサワ好きで知られた面々なので、ファン参加枠?(笑)
悲劇の傑作も数おおい黒澤明ですが、スケール感と切なさの同居では、自分はこの『影武者』を推します。

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かせさん

5.0影法師が見た滅び

2024年11月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

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しゅうへい

3.5傑作になれなかった映画 傑作になれない着想

2024年3月27日
PCから投稿
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タンバラライ

3.5海外版推奨

2023年10月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

単純

知的

お行儀の良い歴史物は苦手だが、これは観れた。
黒澤明監督作品で観るのは二つ目だ。
80年代に入ってなお、新鮮でダイナミックな映像を撮り続けられるのは流石黒澤明といったところだろう。
衣装など、若干の違和感はあれど、内容の邪魔になるほどではない。役者の演技もそれぞれに良かった。特に、信長が良かった。今まで観た信長の中で一番信長らしかった。
姫路城を安土城に模しているのは笑えた。その他、姫路城が若干出てきて、姫路出身なので、少し嬉しかった。
史実と違うところは実際は3ヶ月でバレたらしい。
ネックになるのは、長すぎることと、音楽の主張が強すぎることだ。長すぎるのは、例えば上杉謙信のシーンは本当に必要か?全くストーリーに関わらず尺を取っただけだ。いくら日本人にとって信玄と謙信はセットだとしても、そのためだけに映画に入れるのは無駄だと言わざるを得ない。又、リアリティを出す為に段取りをカットせず、長回しで撮っているが、黒澤監督のやり方で、多くのカメラを用意しワンカットで一気に撮るというのを今作でもやっているからこうなったのだろうが、そんなに興味の持てないところまで見せる。ジャンプカットしても良かったのではないか?でも、それをやると歴史大作感が出ないのかもしれない。だから、僕は歴史大作が苦手だ。そういう人には勧めにくい。と、書いていたが、調べてみると、実は日本で公開されたものは未編集版で、海外では上杉謙信などのシーンはカットされているらしいが。黒澤明が編集する前に早く利益を出したい東宝が無理やり公開したのが日本版らしい。それなら黒澤明は悪くない。と、言うわけでできれば海外版をどうぞ。

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悠