ここ、《レビューの庭》に、なにやらフォローアーの皆さんの人だかりがしていますねぇ、
おやおや御歴々、立派な紳士、殿方の皆さんではありませんか。
で、この人垣に何事か!と驚いてのDVDレンタル=映画鑑賞タイムでした。
マリリン・モンローは特別です♡
自分の魅せ方・演じ方が分かっている、彼女独特のパーソナリティと演技人としての実力ですね。
兎に角、表情がすごい。
【10代で見たマリリン】
思い返せば
僕とマリリン・モンローとの出会いは中学生のころでした。
「中学生の男子あるある」ですが、
勉強部屋の壁には雑誌の付録だったアグネス・ラムさんの、よく日焼けした彼女の大型ポスター。
そして持ち歩いていたバインダーの表紙の裏には、どこかで発見して切り抜いてあった小さなマリリン・モンローの写真が。··· ヌード。
外国人女性の名前など、馴染のなかった中坊には、「アグネス」も「マリリン」も、語呂が良くて覚えやすい名前でしたし、“MM"の語感は特に可愛らしいと感じちゃったものです。
しかーし事件が!
「アグネス・ラムのポスター」は我が母の逆鱗に触れ、引っ剥がされてしまいましたが、「自分の息子が他の女性の半裸の写真を愛でること」が、これほど母たる者には許し難い行為なのだと理解し、
意外にも理性的ではなかったうちの母の言動に、ある意味感心し、首をすくめたものでした。
で、くだんのマリリンの切抜きは、
焚書を免れるべく、僕はそっと小さな写真を隠したのでした。
【おじさんになってから見るマリリン】
映画は
トニー・カーティスとジャック・レモンが わちゃわちゃと前座を務め、
そして満を持してのお目当て女優の登場という構成。
ワイルダー監督の「美味しいものはあとから出してくる」、この“じらし"の技でしょうか。
配役は
ニ枚目が三枚目を演じるトニー・カーティス。
愛される三枚目ジャック・レモン は言わずもがな。
そしてそこに加わる能天気だが幸薄い娘マリリン・モンロー。
このトリプル主役が繰り広げるザ・エンターテイメント・ショーでした。
(全員ハーバード卒だというギャング+ジャック・レモンもハーバード出)、 そのシカゴギャングたちが、シュガーを情婦にしなかった脚本には胸を撫で下ろします。
ボスのスパッツ氏の「足元のカット」はヒッチコックばりのサスペンスアイデア。
マシンガンによるあの恐ろしい抗争は、ストーリーに加速度と辛味を効かせていて観客を飽きさせない。でもコメディとして大団円で締めてくくられており、これは脚本の妙です。
ワイルダー監督はさすがでした。
けれど
撮影時には、
「七年目の浮気」同様、精神的に不安定で、そして本作の撮影時には離婚に瀕しつつ身ごもってもいたという彼女・・
それなのに無理してハイヒールでけっこうな距離を走ったり、茶目っ気でみんなを笑わせたり、色目を使ったり・・
僕がこの歳になって、改めてそんな彼女を見ていると、マリリンはもうあの中学生の頃に単純にトキメイてしまった憧れのお姉さん像ではなく、痛い彼女の姿も重なってしまいます。
頑張り過ぎる娘のことを心配する「父親目線」の自分になっていることにも気づいた、今回の鑑賞でした。
・ ・
エンディングでの、
富豪のヨットの船主が口にする「あの一言」は、いままさに我々の課題となっているジェンダー・レス社会への啓明的発言かもしれませんね。
男たちにいいようにされて騙され、ヨットとダイヤモンドに目が眩んでしまう旅芸人の女と、バンドマンという生活の不安定な男たちのペーソスあふれる恋。
「同舟相救う」で新世界への脱出を予感させるラストは、時代の先取り。
これ、
強制収容所で家族の多くを失った亡命ユダヤ人のビリー・ワイルダーにとっては、「船での脱出」は、彼の隠されたテーマのはずです。
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【お得情報】
YouTubeの
@divamarilynmonroe
どうぞ!
309本にも及ぶ、マリリン・モンローだけを映した1分動画のコレクションです。
ちょっと圧巻ですよ。
ぜひ覗いてみて下さい。僕はチャンネル登録までしてしまいました。
これ、「紳士は金髪がお好き」にもアップしておきます。