旅立ちの島唄 十五の春のレビュー・感想・評価
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思った通りにならなくても、その想いは届いている
必要以上に泣いたり笑ったり叫んだりしない。すーっと心にしみ渡る。ありそうでなかなかない、素敵な映画に出会えました。
高校進学のため、一年後に島を出ることになる島の女の子•優奈。彼女と彼女をめぐる人々の一年が、大東島の四季を織り交ぜながら丁寧に描かれます。彼女の家族はバラバラに生活しており、いわゆる「複雑な家族」。一年後の彼らの姿は、ハッピーエンドからは遠いかもしれません。けれども、実際のところ、親と子どもが平穏無事に同居している家族がどのくらいいるでしょうか。離婚率が高いという沖縄を舞台に据え、今にふさわしい普遍的なホームドラマになっているところがうまいなあと感じました。
うまいといえば、さすが井筒作品で共同脚本を重ねてきた監督さん。光る台詞がたくさんありました。優奈と秘密を共有してくれるにいにいや、旅立ちの島唄は泣いて唄っては意味がないと諭すおじいなど、魅力的な大人がたくさん登場するところもよかったです。
何より印象深かったのは、それぞれが互いのことを想い、長い沈黙と熟慮の末に選択したはずの事柄が、当人の思うような方向には奏功せず、むしろ逆の結果を招くところです。崩れるかと思った関係が繋ぎとめられ、修復かと思ったものが離れていく。それでも、想いはしっかり相手に届き、伝わっているはず。遠回りでも、意味がある結末なのだとしみじみ感じました。
「お前の居場所はここにはない」ー一瞬つめたく響く言葉ですが、何よりのはなむけなのだと思います。別れの寂しさを振り切りながら絞り出されたその言葉には、ぶっきらぼうな優しさがにじんでいました。
孤島暮らしの悲喜こもごも
沖縄から東へ340km、人口1200人余りの南大東島に暮らす中学生、仲里優奈(三吉彩花)が本島の高校に旅立つまでの家族の物語。
旅立ちの島唄とは実在する大東島の少女民謡グループ“ボロジノ娘”が歌う「アバヨーイ」、映画の終わりでは優奈が涙をこらえて歌います。
ボロジノって変な名前、調べたら、大東諸島は1820年にロシアの帆船「ボロジノ」号が付近を通過して、諸島を「ボロジノ諸島」と名付けたことに由来するらしい。元は無人島、琉球王国にも属さず八丈島からの開拓移民が島民のルーツらしい。
物語はタイトルどおり旅立ちの唄、沖縄本島と大東島に離れ離れになった家族の悲喜こもごもを綴るのだが、自己中の妻子の全てを理解して温かく見守る父親、仲里利治(小林薫)の人柄に魅了されました、名演でしたね。
週一で沖縄から大東海運の貨客船「だいとう」が島に貨客を運んでいるらしいが、なんと島には桟橋が無くクレーンで吊り下げ荷役乗下船や 艀渡しを行っているのには驚きました。
悪い噂が立つと閉鎖社会は地獄 郷に入っては郷に従えだけどね。
子供の気持ちを全然分かっていない。こういった話は絶対にない。役者のそもそも持っているイメージで作ったあり得ない予定調和。
あと、1時間11分の道程だが、終わりは見えて来た。
そもそも、この映画は誰の視点で語られていて、誰が主人公なのだろうか?
南北大東島の方には申し訳ないが、僻地を描いた映画にはありがちな表現だが『島の人は良い人ばかり』『村の文化は誇れる』『自然は美しい』この三つを表現している。それならそれで、良いのだが、それならば『家族の為に島に残って漁師になる』って結論は無いと思うが。稚拙だ。
十五で嫁に行かねばならない野蛮な文化を揶揄してもらいたい。そんなものに良い文化は無い。
皆で力を合わせて、この祭を成功させて、実りある復興にしましょう。
って理由だな。
家族なんていない方が気が楽だと思うが。なまじっかいると面倒くさい。
で、この結論。まさに演者のプライベート生活を利用したあり得ない出鱈目なお話。役者も地産地消でやってもらいたい。
オカンは僕と同郷だからね。南大東島の事なんかわかるわけない。その他の役者も同様。
最後で口パクは無かろう。
スカスカの映画にしてしまっている。もし、歌っていたとしたら、演出が口パクの様で。どちらにしても画竜点睛を欠くどころでない。
大学の教育学部でも、新設したら。
ローカルなかんじ
YouTubeの登録が130くらいあるんだがそのなかに是枝三姉妹がいる。沖縄音楽のトリオで更新頻度は低いけれど上手だしピュアな感じがいい。おそらく沖縄には夏川りみや上間綾乃やネーネーズやKiroroややなわらばーのような、あるいはそこまでの知名度ではないローカルなシンガーやデュオやトリオが無数にいるんだと思う。
安里屋ユンタとてぃんさぐぬ花が好きです。山男なわたしにとって沖縄の女というだけでエキゾチックなバリューが生じるのと同時に独特な音階や空気に魅了される。
またはりぬつんだらかぬしゃまよ。一度は沖縄へ行きたいなあ。
沖縄本島から離れた南大東島は高校がない。進学のためには親元を離れなければならない。──そんな事情から通過儀礼となっている別れ=旅立ちを扱ったドラマ映画。
小林薫や大竹しのぶも配役しているけれど地元民をつかってローカル気配を出している。三吉彩花はうっとりするほどVividでたまゆらの少女時代がみごとに切り取られている。琉装で首里結いにしているとまるで人形だった。
子供たちはみんな三線や歌をならっている。日常が音楽と密接なつながりを持っていて、こんな感じだと音楽へ進む人も多いだろう。沖縄の音楽はほかのどこにもない沖縄だけの民間伝承ゆえに沖縄の人が音楽をやるのは自然だと思った。
大げさな主張や弁解がなく、タイトル「旅立ちの島唄〜十五の春〜」の通りの映画。ウィキによると厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財として推薦されている。
また(ビターズ・エンドの配給品に一貫性があるわけじゃないが)なんとなくビターズ・エンドっぽい笑。
妙に覚えていることは島に係船岸がないこと。人が船に乗るとき護岸でパレットに乗ってクレーンで吊って船に移す。
海のことも港のことも知らないしろうとかつ山男の感想だが、その様子がひじょうに不効率に感じられ、桟橋つくろうぜ。とか思った。
船側と岸側の別れのシークエンスを構成したいとき、パレット乗ってからクレーンで移していると絵にならない。──ような気がしたんだ笑。
南大東島と三吉彩花
2019年4月27日 #旅立ちの島唄〜十五の春〜 鑑賞
この映画は、#南大東島 の自然や人々の魅力と #三吉彩花 の魅力を伝えるための映画です。三吉彩花が中学を卒業するのを待って撮影されたそうです。
#三吉彩花#小林薫#大竹しのぶ
三吉彩花の映画初主演作。沖縄本島から東へ360キロ離れた南大東島に...
三吉彩花の映画初主演作。沖縄本島から東へ360キロ離れた南大東島には高校がなく、中学を卒業して進学する若者は、必ず島を出てひとり立ちしていく。ラストは感動しました。
南大東島からの進学
総合:65点 ( ストーリー:65点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
南大東島といえば、台風接近のときにこの島からどの方向の何キロ沖合いを進んでいます、という天気予報で聞くくらい。だがその島の中学生にとって、進学とは人生の岐路にもなる大きな出来事なんだという島独自の事情がわかる。想いを込めた島唄の調べと歌詞が印象に残った。
その反面、色んなことが詰め込まれているわりにそれらの出来事については淡々と話が進むし、大きな流れや主題という点では心に残りにくかった。もっと物語構成や演出に工夫があっても良かった。
自分には縁のない島だと思っていたが、こうやって観てしまうと今後は台風接近のたびに思い出して気にかかるようになりそうだ。
なんとなくオススメしてみたい作品
残念ながら本作品のことは全く知らずに、予告編やあらすじなど一切見ずにHDDに入っていたのを観賞したらこれが良い作品なので驚いた。
人それぞれ好みや趣向があるので一概には言えないが、本作『旅立ちの島唄~十五の春~』を観賞後、多くの人にオススメしたい気持ちになった。
それは誰にでも起こるかもしれない人生の問題と子供の成長、そして別れという普遍的なテーマを絶海の孤島と呼ばれる南大東島を舞台に、主人公優奈の旅立つまでの1年を家族や周囲の人達との関係と共にとても丁寧に描いている。
それはきっと多くの人が共感出来るであろう作品に仕上がっていると思う。
スリルやサスペンス、アクションにしか興味がない人には本作は薦められないが、家族をお持ちの方ならきっと親の気持ちや優奈の心情に感情移入出来るはずだ。
とても自然に感動出来るのではないだろうか。
観客を泣かせるために作られたビッグバジェットな作品とはひと味違うはずだ。
主役の三吉彩花さんを観るのは『グッモーエビアン!』に続き2作目で、グッモーの時も上手く演じていて好感を持ったけど、本作でも堂々たる主役ぶりでした。脇を固めたベテラン俳優の大竹しのぶさんや小林薫さんにも全くヒケをとらない演技だったと思います。
あの大きな瞳などはとても映画的ではないでしょうか。
とても良い女優さんだと思います。
今後が楽しみです。
私は本作品を大変気に入ってしまったので、きっと今後何回も観ることになる作品になると思います。
三吉彩花さん最高!
旅立ちの島唄 ~十五の春~
今日、観た映画は、なんと、800円で観れました。
少し前に公開された映画で地方巡りをしているようです。
最初に上映された映画館が少なくて、隣の大分県まで行こうかと思ったのですが、諦めていたら、
今回、映画がやって来ました。
南大東島の中学生が、島に高校が無いため、那覇市の高校に進学するまでの話です。
五人家族だったんですが、子供達が進学する度、那覇市に行ったっきり、那覇市に住みついて戻って来ません。
お母さんまで、お姉ちゃんと一緒に那覇市に住みついて、お父さんの元へは戻って来ません。
高校の面接の時に、お父さん役の小林薫さんと、主人公の三吉彩花さんが高校を眺めます。
この高校のOBでもある、お父さんが言う、
「お父さんも、この高校に通っている時、南大東島出身は、一人だけだったから、みんなから、南大東くんと呼ばれていた」という話には、主人公である娘も大ウケしていると同時に、凄く動揺していました。
自分には、そんな家族と離れ離れになる悲しみは、ちょっと難しかったんですが、
主人公と普段、手紙で付き合っている隣島に住むボーイフレンドは可愛いそうでした。
彼には、体の具合の悪いお父さんと沢山の弟や妹がいました。
最初は、彼女と同じ高校に進学すると言っていたんですが、お父さんの具合がさらに悪くなり、中学を卒業したら漁師になると言い出しました。
そして、驚いてやって来た彼女に、
「もう会えなくなると思う」と言います。
すると、彼女は、
「なんで、そんな事言うの?」と言います。
それならとばかりに、彼は、彼女を抱きしめようとします。
すると、彼女は、
「今は、まだ嫌!」と拒否します。
次に、彼は彼女を押し倒します。
だけど、彼は泣いて、何もしません。
彼に感動しました。
たぶん、彼の、これからの将来は暗いけど、自分の運命を受け入れようとしています。
この映画では、彼は、彼女の単なる踏台のように感じました。
彼女は、那覇市の高校に行って、立派に成長する事を願います。
最後に、三吉彩花さんの可愛さに、5☆です。
静かにだがしっかりと、そこに生きる人々をとらえた秀作
家族は離れていても家族なのか? それとも物理的な距離はたとえ家族でも心の距離を生んでしまうのか?
そんなことを考えさせられました。
沖縄映画ですが観光名所的な風景をとらえるのではなく、そこに生きる人をしっかりと、ぶれることなく見つめていると思います。
もちろん、絶海の孤島である南大東島という舞台だからこその物語であり、その風景は背景に生きているけれど、決してそれが前にですぎておらず、そこに生きる人たちの息吹をとらえている。
主演の三吉彩花は撮影時15歳だったそうですが、初主演作にしてほぼ全編出ずっぱり、しかもこうした特殊な環境の家族設定で、いろいろ難しい面もあったと思うけれど、優奈という少女をまっすぐに演じきっていると思う。
もちろん父親の小林薫もしっかり味を出しているし。
すべてにおいて奇をてらったところはなく、オーソドックスと言ってしまえばそれまでですが、静かにだがしっかりと訴えかけてくるものがあり、泣きを狙った過剰な演出も演技もないけど、自然と涙があふれてきそうでした。
静かに、穏やかに。本当にいい映画です
見終わったあと、しばらく、涙が止まりません。
南大東島で暮らす少女の1年を丁寧に丁寧に綴った映画です。
大きな事件や、事柄があるわけではないですが
15歳で、島を離れる少女の気持ち。
それを、送り出す両親の心の中。
子供は親を選べない。。。だから親が見守ってやらなければ。。。
と話す、小林薫さんの温かいまなざしに、涙がとまりませんでした。。。
決して、長い台詞がある訳でもなく
あの目だけで、旅立つ娘を見守り、見送り
島を離れていった家族を、見つめ続ける小林薫さんの演技にただただ脱帽です。
久しぶりに、本当にいい映画を観ました。
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