「思った通りにならなくても、その想いは届いている」旅立ちの島唄 十五の春 cmaさんの映画レビュー(感想・評価)

旅立ちの島唄 十五の春

劇場公開日 2013年5月18日
全7件中、5件目を表示
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思った通りにならなくても、その想いは届いている

必要以上に泣いたり笑ったり叫んだりしない。すーっと心にしみ渡る。ありそうでなかなかない、素敵な映画に出会えました。
高校進学のため、一年後に島を出ることになる島の女の子•優奈。彼女と彼女をめぐる人々の一年が、大東島の四季を織り交ぜながら丁寧に描かれます。彼女の家族はバラバラに生活しており、いわゆる「複雑な家族」。一年後の彼らの姿は、ハッピーエンドからは遠いかもしれません。けれども、実際のところ、親と子どもが平穏無事に同居している家族がどのくらいいるでしょうか。離婚率が高いという沖縄を舞台に据え、今にふさわしい普遍的なホームドラマになっているところがうまいなあと感じました。
うまいといえば、さすが井筒作品で共同脚本を重ねてきた監督さん。光る台詞がたくさんありました。優奈と秘密を共有してくれるにいにいや、旅立ちの島唄は泣いて唄っては意味がないと諭すおじいなど、魅力的な大人がたくさん登場するところもよかったです。
何より印象深かったのは、それぞれが互いのことを想い、長い沈黙と熟慮の末に選択したはずの事柄が、当人の思うような方向には奏功せず、むしろ逆の結果を招くところです。崩れるかと思った関係が繋ぎとめられ、修復かと思ったものが離れていく。それでも、想いはしっかり相手に届き、伝わっているはず。遠回りでも、意味がある結末なのだとしみじみ感じました。
「お前の居場所はここにはない」ー一瞬つめたく響く言葉ですが、何よりのはなむけなのだと思います。別れの寂しさを振り切りながら絞り出されたその言葉には、ぶっきらぼうな優しさがにじんでいました。

cma
さん / 2013年7月19日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 楽しい 幸せ
  • 鑑賞方法:映画館
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