TVシリーズを観ていたので、懐かしい気持ちで鑑賞。
鈴木先生はTVシリーズから中学生よセックスを容認するなど社会に対する問題提起をする作品だったけど、映画版の本作でも、その問題を投げかけるスタイルは健在だった。
本作で描かれる大きな2つの問題は、とても考えさせられる良いテーマだったと思う。
1)選挙の在り方。無記名票の意味。
2)学校教育の在り方。杓子定規な教育が育てるもの。
色々な考えや立場があり、それこそ時代によって答えは変わってくるものかもしれないけど、ま、一言で言えば「グレーゾーンを使って、上手くやろうよ」って事なんだと思う。だからグレーゾーンは残しておくべきだし、グレーゾーンを使うことを教える事もまた教育なんだと思う。
なんて、深い作品なんだろう。脚本の古沢良太はやっぱり面白いな。今回はラストにドンデン返しは無かったけど(笑(あ、でんでんは居たな))
キャスト陣も個性的で最高だった。
何より、やっぱり富田靖子のサイコ的なクソ真面目教育者の役は素晴らしい!自分に反抗してくる人の意見は全く聞かない!!本気でムカつくし、社会悪はこういう存在なんじゃ無いかと思うけど、ラストでは「この人もまた、今の役を演じているだけなのでは?」と思える行動を取る。要は、必要悪を演じている、、、と。奥が深いなぁ〜。
小川さん役の土屋太鳳、出水くん役の北村匠海、よくわからない生徒役に松岡茉優など、今では第一線で活躍している人達が生徒役で出ているので、それを見てても楽しい。風間俊介の学ラン姿は面白かったなぁ〜(笑)
そして個人的には、ムジカピッコリーナの浜野謙太の登場に驚いた!もう、完全にダメ人間じゃん!!でも、頑張っている人間の演技!素晴らしかった。
最後に、私は長谷川博己の演技はヘタだと思う。どこか舞台演技っぽさがあって、テレビや映画には向いていないと。でも、本作ではその演技がまた、テーマの1つである「先生を演じている」キャラクター像とマッチしており、不思議な納得感をだしている。
ぶっちゃけ、面白かったなぁ〜。今だからこそ、良いのかも?