ヒューゴの不思議な発明

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劇場公開日:

ヒューゴの不思議な発明

解説

世界各国でベストセラーとなったブライアン・セルズニックの冒険ファンタジー小説「ユゴーの不思議な発明」を、マーティン・スコセッシ監督が3Dで映画化。駅の時計台に隠れ住む孤児の少年ヒューゴの冒険を、「映画の父」として知られるジョルジュ・メリエスの映画創世記の時代とともに描き出す。1930年代のパリ。父親の残した壊れた機械人形とともに駅の時計塔に暮らす少年ヒューゴは、ある日、機械人形の修理に必要なハート型の鍵を持つ少女イザベルと出会い、人形に秘められた壮大な秘密をめぐって冒険に繰り出す。主人公ヒューゴを演じるのは「縞模様のパジャマの少年」のエイサ・バターフィールド。イザベル役に「キック・アス」「モールス」のクロエ・モレッツ。2012年・第84回アカデミー賞では作品賞含む11部門で同年最多ノミネート。撮影賞、美術賞など計5部門で受賞を果たした。

2011年製作/126分/G/アメリカ
原題または英題:Hugo
配給:パラマウント
劇場公開日:2012年3月1日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第84回 アカデミー賞(2012年)

受賞

撮影賞 ロバート・リチャードソン
美術賞  
視覚効果賞  
音響編集賞  
音響録音賞  

ノミネート

作品賞  
監督賞 マーティン・スコセッシ
脚色賞 ジョン・ローガン
編集賞 セルマ・スクーンメイカー
作曲賞 ハワード・ショア
衣装デザイン賞 サンディ・パウエル

第69回 ゴールデングローブ賞(2012年)

受賞

最優秀監督賞 マーティン・スコセッシ

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀作曲賞 ハワード・ショア
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(C)Paramount Pictures 2011

映画レビュー

4.0「モダン・タイムス」から時は流れて

2012年3月5日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

様々な色や味、食感を持つクリームや生地が重なり、絡まり合って深みを生む繊細な仏蘭西菓子のように、とても丁寧に作られた作品だと思いました。 前評判どおり、飛び出すだけではない3D作品です。広がりある奥行きやふわっとした風の動きを、存分に感じることができました。(ちなみに、隣の女性客からは「3Dは、つくば万博以来だわ。」という会話が…。平日の字幕版でしたし、たまたまかもしれませんが、全般に年齢層が高かったです。) 様々な人や物が行き交う駅の雑踏から物語が幕を開け、シンプルな筋書きが、重層的に、豊かに語られます。中心となる少年と少女、老夫婦に加え、多様な駅の住人たちが登場しますが、誰一人「おまけ」ではなく、物語が前進するために欠かせない存在であることが明らかになっていきます。個人的には、久しぶりに愛らしい役柄だったエミリー・モーティマーの魅力を堪能できたのが特によかったです。彼女のどこか憂いある笑顔を見ていると、「花売りは、水仕事・力仕事の連続で実際大変だろうな」「そもそも、商売として成り立っているのだろうか」「病気の親や幼い弟や妹を抱え苦労しているかもしれない…」等と想像がふくらみました。さらには、警官と忠実な犬、カフェの犬好きマダムと老紳士、貸本屋、映画研究家…それぞれの語られぬ物語への想いも。スリリングに二度も登場したせいか、機関士たちにも隠されたドラマがあるように思われました。 かつてチャップリンは「モダン・タイムス」で、ねじを締め続けるうちに、単なる歯車として組み込まれ、飲み込まれていく現代人の悲哀を描きました。一方本作は、一見地味で個性のないねじ一つ一つに目を向けています。古いねじは再発見され、新しいねじは自分の場所を捜し当て、ぜんまいは動き始める。かけがえのない唯一つのねじとして、あるべき場所に収まり、役割を発揮することで、大きな変化の原動力となる喜びを描き出しているように感じました。 そこでふと思い出されたのは、隣の女性客の「つくば万博以来だわ」という言葉。…つくば万博!当時は、科学と未来への夢が詰まった祭典、というイメージでした。(私事ながら、友からおみやげにもらったコスモ星丸くんの消ゴムは、もったいなくて使わずじまい…。)そもそも、隣の女性はどんな経緯で万博に行ったのでしょう?お子さんにせがまれて?今はお子さんも成長し、お孫さんがいるのかも…等と、客席に集った人々の物語へも、想いはしばしふくらみました。思い出すにつけ、今もなお。 映画の父・メリエスを物語へ織り込んだ映画史へのオマージュ、という巧みさ、魅力は勿論ですが、市井の人へのあたたかなまなざしも、この映画の持ち味だと感じています。

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cma

4.0【”夢の発明。それは映画。”今作は、両親を亡くし駅の時計塔で寂しく暮らす少年が”機械人形”と出会い、失意の元映画監督に再び精気を蘇らせる映画愛溢れるヒューマン・ファンタジーである。】

2024年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

悲しい

知的

幸せ

■1930年代の第二次世界大戦が始まる前の華やかなりしパリが舞台。  父親(ジュード・ロウ)が遺した壊れた”機械人形”と共に駅の時計塔に暮らす孤独な少年・ヒューゴ・カプレ(エイサ・バターフィールド)。  機械人形の修理に苦戦していたが、優しい少女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)と仲良くなり、一緒に機械人形の秘密を探っていく。  そして、ヒューゴが直した機械人形が自動で描いたのは、月の目玉にロケットが命中する絵であった。 ◆感想 ・観ていれば分かるが、今作は映画愛に溢れている作品である。  分かり易い所で言えば、シネマトグラフィイを発明したリュミエール兄弟の「列車の到着」「工場の出口」チャップリンの「モダンタイムス」そして、今作の主役と言っても良いジュルジュ・メリエスの「月世界旅行」である。  初見時には、映画の知識が無かったので気付かなかったが、(流石に、チャップリンの「モダンタイムス」は、分かったが。)今観ると、数々のサイレント映画など映画創成期へのオマージュをふんだんに盛り込んでいる。 ・画が、抜群に美しくて、特にパリ駅構内の構図や、人々の衣装などは素晴らしい。又、”機械人形”を初めとし、時計台の中の歯車の作りや、ゼンマイ仕掛けのカラクリの数々も素晴らしい。 ・ヒューゴが、パパ・ジョルジュ(ベン・キングズレー)の店から、色々な部品を拝借して修理していた”機械人形”が、ジュルジュの養女、イザベルが首から下げていたペンダントのハート形の鍵を差し込むとカラクリでジュルジュ・メリエスの「月世界旅行」の中の有名なシーンである”月の目玉にロケットが命中する絵”をスラスラと書きあげるシーンも良かったな。そして、最後に”機械人形”が記したサイン”ジョルジュ・メリエス”。  カラクリって、観ていて楽しいモノであるよね。 ・イザベルの協力もあり、第一次世界大戦により、人々が映画から離れてしまい、自身の夢が詰まっていた映画会社を失い、心を閉ざしていたパパ・ジョルジュ(=ジョルジュ・メリエス)の心をヒューゴが徐々に解いていく様も、素敵である。 ・個人的には、厳めしい鉄道公安官(サシャ・バロン・コーエン)が、花屋の美しい女性リゼット(エミリー・モーティマー)に惹かれて、人間的になって行く姿が好きだな。 <ラスト、大学教授で少年時代にジョルジュ・メリエスの映画製作所を訪れた事が忘れられないルネが、彼の作品の多くを見つけ出し、メリエスが晴れやかな顔で表彰式に臨んだ時のヒューゴに対する感謝のスピーチも、良きシーンでありました。  今作は、両親を亡くし駅の時計塔で寂しく暮らす少年が”機械人形”と出会い、失意の元映画監督に再び精気を蘇らせるヒューマン・ファンタジーなのであります。>

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NOBU

4.0そう来たかスコセッシ監督!!

2024年1月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

子供向け映画と思ったら全然違った。 よくあるファンタジー映画かと思ったが、かなり異色のスコセッシ映画。 ジョルジュ・メリエスへのリスペクトが溢れる素晴らしい映画。

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Duchamp

3.5マーティン・スコセッシ監督のファンタジーもの

2023年12月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「ハリー・ポッターシリーズ」は個人的には「賢者の石」どまりだったため、本作にも多少の躊躇はあったが、マーティン・スコセッシ監督のファンタジーものならばと、ずいぶん遅ればせながらではあるが鑑賞。 作品冒頭の、時計のゼンマイからのパリの街並みシーンは、これだけで本当に観て良かったと心から思ったほど素晴らしい。その後も終始映像と音響でファンタジー感に十分浸れた。 しかし、ストーリーはどうだろう。ちょっとポイントが拡散していたような気がする。主役すら行ったり来たりでおぼつかない。映画のルーツは勉強になったが、テーマはそこ?邦題は適切?文語は仏語で口語は英語?なんやかんやと、ツッコミどころ満載。 とは言いつつも、冬にはピッタリの作品だったし、不朽の名作「ニュー・シネマ・パラダイス」を彷彿させる映画に対する想いとノスタルジック感はとても良かったと思う。 ところで、マーティン・スコセッシ感はどこ…?

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いけい