ウィンターズ・ボーン

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劇場公開日:

ウィンターズ・ボーン

解説

2010年サンダンス映画祭でグランプリを受賞し、第83回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞ほか4部門にノミネートされたヒューマンドラマ。米ミズーリ州南部・オザーク山脈の村に住む17歳の少女リーは、心を病んだ母親に代わり幼い弟と妹の世話をして暮らしていた。しかしある日、とうの昔に家を出て逮捕された父親が自宅と土地を保釈金の担保にして失踪。このまま裁判に出廷しなければ家を没収されてしまう。やむを得ずリーは自ら父親捜しに乗り出すのだが……。

2010年製作/100分/PG12/アメリカ
原題または英題:Winter's Bone
配給:ブロードメディア・スタジオ
劇場公開日:2011年10月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第68回 ゴールデングローブ賞(2011年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) ジェニファー・ローレンス
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(C)2010 Winter's Bone Productions LLC. All Rights Reserved.

映画レビュー

4.5覚悟してご覧ください。

2022年7月16日
PCから投稿

人生を甘えて生きている自分に気づかされて、軽く頭を木刀?で殴られた気分。
涙さえ拒否する過酷な環境。

泣き言を言いたいのに、それをわかってくれる親友がいるから?、弟と妹を見捨てられないから? それでも、だから生きていく。
 そんなリ―にいつの間にか、釘づけになってしまう。

状況は全く違うけど『誰もしらない』を思い出してしまった。
 でも、リーの方が、人生を切り開く道をとったかも。
 年齢が違うし、リ―には途中までとは言え、慈しみ育んで守ってくれた両親がいたからなのか。

犯罪に手を染めなきゃいいのに。家がなくなったって生活保護があるじゃないかと、
 いろいろな方のレビューを読むまでは思っていた。
 なんという厳しい現実…。
 日本の常識を当てはめたら理解できない現実・物語。

やせた土地、軍隊にはいる以外に稼ぐ方法が無い土地。
 バイトもできない、ましてや就職も?
 木を売るってつまり財産を切り崩すってこと?
 持続的再生可能な方法が思いつかない土地。

そんな中で家族を守るために奔走するリーが格好良くも切ない。
 本当の勇気をもった人だと思う。生半可なヒーロー物がしらけてしまうほどに。

村の掟に組み込まれていなかった、みそっかす扱いだったリー。
 でも、今回のリーの行動で、これからは一人前として扱われるのだろう。
 日本では、一人前になっている大人と子供の差はあいまいで、かえって子供でいる方が珍重されてかつ責任を問われないと言う、大人にならないほうが得的な部分がある。
 けれど
 ヨーロッパの流れをくむ世界では、一人前と一人前でない人の差は歴然としている。場合によっては食事するテーブルを分けられてしまうほど。

今後、リーが犯罪に手を染める道を選ぶのか、
それ以外の道を選ぶのか、
映画は語らないけど、
家族を守りきったという自尊心がリーを輝やかせてみせる。

観る人を選ぶ映画ですが、リーの生きざまを見ていただきたいです。

 ★  ★  ★

最近いろいろなところで耳にする”ヤングケアラー”。”絶対的貧困の中で活きる子ども達”
リーの生き様は、まさしく””ヤングケアラー”。”絶対的貧困の中で活きる子ども達”
そんな彼女に、どんなサポートを差し出せるのか。
『誰も知らない』でもそうだったが、兄弟をバラバラに分けて「施設に収容すれば良い」と言うものではない。
「家族を守る」というリーの自尊心を大切にしつつ、大人にできることは何なのか。
”施し”をしそうになる時、見直す映画です。

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とみいじょん

4.0【”ヒルビリーの掟”貧困白人アメリカ人の集落で起こった出来事。現代アメリカのホワイティたちにとっては、触れて欲しくない題材を扱った秀作映画。今や若手大女優のジェニファー・ローレンスの出世作でもある。】

2022年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■ミズーリ州に住む17歳の少女・リー(ジェニファー・ローレンス)は、心を病んだ母親に代わり、一家の大黒柱として生活を支えていた。
 ある日、とうの昔に家を出て逮捕されていた父親が、自宅と土地を保釈金の担保にして失踪したことが判明。
 家を守るため、リーは父親捜しに乗り出すが…。

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・今年「ビルビリー・エレジー」で、明らかになった、アメリカ貧困白人層の、土着閉鎖的慣習を背景に描かれる作品である。

・父が行方不明になった17歳の少女・リーを演じるジェニファー・ローレンスが、自らの暮らす土地の慣習に気付き、湖に沈められた父の腕を、チェーンソウで切り落とし、警察に届けるシーンのジェニファー・ローレンスの悟りきった表情は、忘れ難い。(当時、僅か20歳である。)

<アメリカ映画では、今作や「ウインド・リバー」や、「ビルビリー・エレジー」など、現代アメリカのホワイティたちにとっては、触れて欲しくない題材を扱った秀作映画が、時に出る。
 ほぼ、秀作である。
 今や大スターである、ジェニファー・ローレンスが今作で、スポット・ライトを浴び、スターダムを駆け上って行った事が納得出来る作品であり、彼女の演技が見れる貴重な作品である。>

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NOBU

4.0背景を調べてから観ること

2022年5月5日
PCから投稿

アメリカ中西部の山奥で独特の風習を守る排他的、暴力的、因習的な部族に起きた事件を扱っています。彼らは法律より掟を重視します。
アメリカ人は子供のころからよく知っている部族ですが、知らない外人からすると「早く警察に言えばいいのに」となっちゃいますから事前に調べた方がいいでしょう。

映画的には暗くて陰鬱ですが、この独特の風習を前提に観ればジワジワとサスペンスは感じるでしょう。まあ、アメリカ人からすると、話にゃ聞いてたけどこんなカンジか、って感想を持つんでしょうけど日本人には無理。そういういみでは極めてアメリカ的な映画です。

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越後屋

1.0逞しい姉ちゃん!

2022年1月4日
PCから投稿
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見聞