冷たい熱帯魚のレビュー・感想・評価
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エログロだけ頭に入れればOK、思ったよりもエンタメな作品
グロいことで知られる本作なので、力が入りすぎているんじゃないかというくらい身構えながら鑑賞。とにかく狂気の沙汰じゃない人たちの話なので、そりゃ心の置所も分からないまま終わったのでこの評価に。
怪事件ファイルが好きなタイプなので、モデルの事件は根掘り葉掘りしたことがある。発想からして凶人な男のモチーフそのままであったことは興味深かった。ただ、主演は吹越満なので、どう落とすのは気になっていた。
とにかくグロいのは確かだが、ラスト30分でそれを凌駕するドラマを持ってくることに驚いた。人間の狂乱を特と見ろと言わんばかりのカオス。確かに前半のリードからして、ああなるのも分からなくは無いが、ちょっと散らかし過ぎ散らかしすぎな印象もある。むしろ、簡単に身を委ねる軽率な雰囲気はかえって淡白な関係性のよう。それでも、イカれた脚本を実際に起こして画にするだけでも凄い。途中で透かしてくるバックボーンが上手く機能したように見えなかったのが残念。
初・園子温監督作品だったが、身構えすぎたかも。思ったよりもエンタメとして成立しており、震撼するほど重いものではなかったのである。ただ、エログロの耐性は必要かも。これがマスターピースで語られる世間って意外と怖い気がする。
ああ、こういうのね。と冷めてしまうと途端につまらなく。
ずっと「グロくて胸糞悪いけどすごい」と話だけ聞いていた作品を
丁度胸糞悪くなりたいと思って今回見てみました。
内容としては実在の事件に再婚した連れ子の旦那さんの鬱屈した人生をプラスしたものです。
胸糞悪いグロテスクな映画見るぞーと気合を入れて見たものの
妙に馴れ馴れしく万引の仲裁をして妻娘にベタベタくっつくじじいに何も怪しさを感じないバカさ加減や
死体見せられて何も言えなくなってズルズル共犯者になるいい加減さや
急に村田を殺して強気になったかと思えばやることはただ妻と娘に理不尽に暴力を振るうだけというクズさ加減
折角警察が内緒で接触してくれたのに利用しようともせず適当な説教をして自殺する無責任さにすっかり冷めてしまいました。
で、最後の娘さんの高笑いからの「やっと死んだかじじい!」で、恐らく全てそれが計算だったのが分かるのですが
前述の旦那さんの行動をすっかり冷めた目で見てしまったため
ああ、クズの娘はまたクズとして大人になるんだろうなぁと淡々とエンドロールを眺めることに。
世論の移り変わり等もあるので、リアルタイムで見ておけばもうちょっと感想変わったかもなぁと思いました。
家族ゲームの系譜。
エログロが刺さらないと楽しめないのでは
らしくない
村田の「ちょっと痛い」が良い
2021年1月23日@Netflix
以前から気になっていたが視聴できていなかった作品をようやく観ました。
園子温監督の作品は、『地獄でなぜ悪い』で初めて拝見しました。この監督の作品の中ではライトだったようで、楽しめました。
その後、『愛のむき出し』を拝見しましたが、いまいち作品に入り込めなかった思い出があったので、今作品はどうかなと思っていました。
感想としては、面白かったです。「実際にあった事件」という味付けがあったからこそ、より一層「気味悪く」感じました。
後味は良くないです。
気の弱い主人公の社本が、猟奇殺人犯の村田夫妻に呑み込まれて、最終的には自滅するのですが、家族に言いたいことも言えなかった社本が最後には村田の影響を受けて、暴力で妻と娘を抑えつけるようになる点が印象的でした。
人間とは過ごす環境が変わるだけで、ここまで人格が変化してしまうのかと恐ろしく思いました。
最初、社本は、村田の正体を知っても、妻や村田の店で働く娘のことを心配して、村田の言いなりでした。彼の心の拠り所は妻でした。しかし、妻が村田と寝たことを知ると、今までの人格が壊れます。
我慢しかなかった彼の人生は、「痛い」ものだったのだろうと思いました。
園子温監督が今作品に対して、「残酷さを描きたかった」と言っていたように、実際の事件よりもグロく、作品に大きなメッセージ性はないように思えました。
しかし、人間の脆さというものは痛いほど観察できたと思います。
村田が社本にメタ刺しされたときの「ちょっと痛い」がツボでした笑
作品の一番のメッセージは、神楽さんと黒澤さんの胸が最高ということ。
気持ち悪くなっちゃった(-""-;)
想像力豊かだからさぁ。肉とか血とか、頭痛やめまいや吐き気につながるんだよね、もう(じゃあ、なぜに観る(笑))
私、勘違いしてました。この映画、『愛のむきだし』よりも古いものだと思ってた。2011年って、そんな最近だったのね(つっても、もう10年前か)。
まだ少しクラクラする。お昼に鉄サプリ飲んどいてよかった(笑) 園氏ですからね、エロいしグロいです。映画のこと詳しい訳ではないけれど、全体の構成とか見せ方とか盛り上げ方とかはやっぱり上手いのかなと思ってしまう。
個人的に、善人役を演じてる時の吹越満の、追いつめられた苦悩の表情が好きだ。あと、でんでんさん、怖すぎ。いそうだもんね、こういうイカれた人。『ヒミズ』の金子ローンの金子といい、私の中のでんでんさんのイメージが、、(笑) でんでんの、これまたイカれた妻役の黒沢あすかも良いっすねぇ。『ウシジマくん』劇場版パート1で、大島優子演じる娘に(金策として)「親子丼」持ちかけるクズ母演じてた人だよね。
「善玉の主人公が悪玉やサイコパスに搾取され、どんどん追いつめられていく」という展開の時、ほとんどの観客が待っているのは、「主人公が爆発する瞬間」なんだよね。 だから、橋の上で揉み合いになっている時から、いつくるか、今か今かとヤキモキしたし、たかだかボールペンのような物にあんな殺傷能力あるのか疑問だけど、理屈の通用しない圧倒的な悪を感じさせる村田に一矢(二矢、三矢と)報いた時は爽快感があったよね。
ただ、こうした展開で難しいのは、オチのつけ方。少女と仲良くなる殺し屋しかり、イタリアンマフィアのボスしかり、殺人者が主人公の映画では、ラストで本人ないし「本人の大事な人」が死ななければならないサダメ。
そういう意味で、ラスト数分前に結末が見えてしまう、というのはある。ま、でも、、致し方ないよね。
この手のものを観ていて思うのは、「警察に言おうよう」ということ。村田なんて余罪いっぱいありそうだし、すぐには「出て」これなそうなんだからさぁ、報復を恐れずさぁ。
ま、でも気が動転したら人間、冷静な判断が出来なくなるものなんだよね、きっと。
ラストシーンの娘とのやり取りがややチープにも感じられたのですが、まぁ、、ブラックユーモアとでも捉えればいいのかなぁ。
不思議と残る高揚感
グロい映画の代名詞
実際の事件をモデルにした狂気の物語
実際に埼玉県で発生した「埼玉愛犬家殺人事件」をモデルとした映画だという程度の事前知識で鑑賞。多くの映画ファンから高い評価を受ける作品ということで期待は高かったものの、エロありグロありのR18作品ということで、グロの苦手な私はちょっぴり緊張しながらの鑑賞です。
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小さな熱帯魚店を営む冴えない男性である主人公の社本。妻とは死別して新しく別の女性と結婚するも、前妻の娘である美津子は新しい母親を快く思わず、また後妻の妙子は美津子に対して後ろめたさを感じており、家庭環境は冷え切っていた。
ある日美津子がスーパーで万引きを行い、社本夫婦は謝罪に訪れる。激しく憤るスーパーの店長をたまたまスーパーに来店していた村田という男が店長を宥め、事なきを得る。
偶然にも村田も熱帯魚店を経営する男だったため社本と意気投合。お互いの店を見せ合ったり美津子が村田の熱帯魚店でバイトを始めたりして親交を深めているうちに、社本は村田からビジネスの誘いを受けるのだが、ここから事態は急速に動き始めるのであった。
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大規模な熱帯魚店「アマゾンゴールド」を経営する村田は人当たりが良くて社交的な中年男性という感じ。しかし、若くてセクシーな奥さんを連れて高級外車を乗り回したり、自分の店の従業員に「フーターズ」のような露出の高い服を着せて接客させたりするあたりに、彼の裏の顔がチラリと垣間見えます。
社本が同席する場所で平然と行われる殺人と死体処理。突然の出来事にパニック状態で言葉も発せない社本とは対象的に、談笑しながら死体の解体を行う村田夫婦。社本と村田が対比的に描かれることによって、村田の猟奇性が際立って感じられる見事な描写です。
私個人はグロテスクな描写が苦手なのですが、死体解体のシーンはあまりにもグロテスクすぎて一周回って作り物感が強かったせいで、逆に大丈夫でした。でも、グロ苦手な方は注意です。
終盤に向けて、社本の心理描写が丁寧に描かれてます。彼がどんどん精神的にも疲弊している様子だったり冴えない父親だったのに亭主関白のような言動をするようになるなど、切羽詰った状態にある彼のギリギリの精神状態が感じられる、恐怖すら覚える描写でした。
ラストシーンはイマイチよく分からなかったですね・・・すんません。
出演する俳優陣も素晴らしかったですね。
主人公の社本役の吹越満さんも素晴らしかったが、やはり一際異彩を放っていたのが猟奇殺人犯である村田を演じたでんでんさん。いつも笑っているお調子者のオッサンから殺気を放つ猟奇殺人犯までを演じる幅の広さと切り替えの早さ。画面越しにも伝わる恐怖感がありました。日本アカデミー賞の助演男優賞を受賞されたのも納得です。
狂気の名演技
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