キャタピラー

劇場公開日:

解説・あらすじ

第2次世界大戦中の日本。シゲ子の夫・久蔵にも赤紙が届き、勇ましく戦場へと向かったが、戦争から戻った久蔵の顔は無残にも焼けただれ、四肢を失っていた。村中から奇異の目で見られながらも、多くの勲章を得た久蔵は「生ける軍神」として崇められ、シゲ子は戸惑いながらも久蔵の尽きることのない食欲と性欲を埋めていく。やがて日本に敗戦の影が色濃く迫り、久蔵は自ら戦場で犯した悪行に苦しみ始める。第60回ベルリン国際映画祭で、寺島しのぶが最優秀女優賞を受賞した。

2010年製作/87分/R15+/日本
配給:若松プロダクション、スコーレ
劇場公開日:2010年8月14日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第60回 ベルリン国際映画祭(2010年)

受賞

銀熊賞(最優秀女優賞) 寺島しのぶ
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(C)若松プロダクション

映画レビュー

3.5久しぶりに悪趣味(えげつない)な映画を観てみたくて。『発掘』

2025年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

驚く

なんかガンダムの最終話のタイトルみたい。
私ね。面白いAAを見つけるとコピペで保存するというしょうもない趣味を持ってるんですよ。
そんなコレクションの中から探し物をしてたわけ。そうするとこのレビューの下書きを発掘しちゃったんですね。書いていたことの一切を忘れていました。どうやらクリスマスの嫌がらせに書いてたようです。『Dr.コトー診療所』のことを書いていることから察して
もう2年半も前のことじゃん!今さらながら行きますよ。
(っ’-‘)╮トウ!

「ファーゼルクリスマス!Mr.ローレンス!」ウキウキ浮かれる聖夜にこの作品のレビュー持ってくるあたり、相当の悪意を感じちゃいますよね。
悪趣味と書いて「えげつない」と読みます。この映画が「えげつない」じゃないよ!「えげつない」と感じる私が悪いんだよ!「えげつない」は不謹慎とも書けます。クリスマスに合わせて、わざわざ借りてきてまで観たがってる私が不謹慎だよ!
うそです。私は悪くないですこの映画本当に「えげつない」です。以前に一度鑑賞済なのですけれど、イチャイチャ浮かれるこの世を呪って呪って呪いつくしてやろうとやろうと、そう思っての再鑑賞です。←なんちゅうことを言うてくれるんや…なんちゅう…
困ったね…日頃心温まるハートウォーミング系の作品しか観ていないから(大嘘)本作どう評価していいのやら困ります。うそです。むしろ心凍り付くような、あるいは後味の悪~いハートガクブル系が好みです。同時に借りてきた『冷たい熱帯魚』も、できることなら機会を見つけて駄文を書いてみますね。『野火』とかも、また観直してみたいです。悪趣味でごめんなさい。
ええやないか!好きな映画観てもええやないか!←誰に!一体何に!キレてるんだよ!前回は『Dr.コトー診療所』を観て、ポカポカと心が温まったわけです。大変面白かったので、アマプラのFODチャンネルに加入してTVドラマ版も観た次第です。綺麗に浄化された心を再び私に相応しく、呪われたように汚したくて、こちらをチョイスしました。
ごめんなさい、どうしても、このしょーもないスタイルから離れられません。
この映画、江戸川乱歩の『芋虫』のまんまなんですよね。20歳代に乱歩にハマっていた時期に読んだきりですので、詳しいところまでは覚えていないのですが。調べてみると、元々は『芋虫』の映画化を目指したものの、著作権料等の問題もあって「着想を得て制作された」程度とお茶を濁した表現になっているんですよね。『芋虫』の10年後発表された小説『ジョニーは銃をとった』との関連は何かしらあったのかな…と思ったです。(映画化に際してはジョニーも、モチーフになったとかで)あっ『ジョニーは戦場へ行った』も観てみたくなってきたかも。反戦がどうとかこうとかの高尚な気持ちではなく、後味の悪~い気持ちを味わいたくて。とことんえげつないです私。
タイトルのキャタピラーって「キャタピラ⇒戦車⇒戦争の忌まわしさ」とか、そんなアホな解釈していた時期が俺にもありました。調べてみると、毛虫、青虫、芋虫等の英語訳=“Caterpiller”だったんですね。そのまんまですやん。えっ、ちょっと待って!待って!芋虫とかは“Worm”じゃないの?ルアーフィッシングで使うアレ。“Worm”でも正解だったようです。でも、この映画のタイトルとしては『キャタピラー』の方が合ってるような気がします。私が曲解?していた戦車の件を含めていいのなら。(๑• ̀д•́ )✧+°ドヤァ!
やっぱり悪趣味!えげつない!ビジュアルは勿論なんですが、爛れた情念がぐっちゃんぐっちゃんの作品でした。日野日出志が描く漫画みたいな。日野先生も『芋虫』に着想を得て『毒虫小僧』を描かれたのかな?曖昧な記憶を辿れば、やっぱり乱歩先生の作風にドンピシャの趣を感じます。前述のように、男女の爛れきった情念が、恐ろしいまでに描かれているんですよね。とにかくセ〇クスシーンが多いの。それもビジュアルのおどろおどろしさも相まって、えげつなく描かれているの。「ええんか!こういうのんが見たいんか!こーゆーのんがっ!」みたいな。いくらゲテモノ好きな私でも「これはないわーガク((( ;゚Д゚)))ブル」って思うような。それくらいのえげつなさ。四肢が無い上に、顔面まで重度の火傷爛れのビジュアルのエグいこと、エグいこと。声帯と聴力までをも失ったのに、性欲だけは人一倍旺盛ってんですから始末が悪い。妖しげな妻との行為が「これでええんか!こんなんが見たいんか!こんなんがっ!」と幾度も描かれているんですよ。本当に目を背けたい地獄絵図なわけ。
私の記憶が確かなら『スイート・マイホーム』のレビューを書いていらっしゃった方が『屋根裏の散歩者』に言及されていた記述があり「あっ!なるほど!言われてみれば!」と思い、改めて同作のあらすじを軽く辿ってみたのですね。幻の1970年版を含めると、4度もの映画化があったようで。その他、TVドラマも含めれば、何度も映像化されていたようですね。したらね、Wikipediaのあらすじの記述にこうあったんですよ。(犯人の男は)ことさら女装が気に入って、女の姿で際どい悪戯をするなど「犯罪の真似事」を楽しみはじめた。だって。ちょい待て!待って!そーゆーことやるから女装家への偏見が増すんだよ!私は、世を忍ぶ趣味のために、自制心というブレーキを常に踏みっぱなしですからね!←また女装ネタかよwもとい、それだけ乱歩先生の影響って計り知れないものがあるんだなぁと、再認識です。

この頃は、まだ女装ネタ書いてるし…

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共感した! 8件)
野球十兵衛、

4.0異色の戦争映画

2025年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

反戦をスキャンダラスに提起する技(ワザ)
この映画を映画館で観たならば、とても衝撃を受けたの思います。
若松孝二監督という人。
反戦映画なら「日本のいちばん長い日」
などとは全く違っている。
「ジョニーは戦場へ行った」と、江戸川乱歩の「芋虫」に影響され
下敷きにしているとのことですが、
手足を爆弾で吹き飛ばされて失い、耳は聞こえず、話せず
「生き神様」として戻ってきた夫の久蔵。
その世話は妻・シゲ子に委ねられる。
食欲と性欲だけを残しただけの芋虫のような夫。
軍服を着せてリヤカーに乗せて畦道を行き、
村人は
「生き神様」を拝む。
時にシニカルな笑いに誘われて、
見せ物にされる久蔵の怒り、
世話してる自分の優位を見せつけるシゲ子の復讐的な怒り。
2010年作のこの映画のスタンスは出尽くした感のある戦争映画に
まだ別の切り口があることを示し、
風穴を開けた。

映画の冒頭と映画のラスト。
当時のニュース映像を使用していると思われるが、
ラストには東京裁判で処刑されるA級戦犯の絞首刑のシーン。
これはよく映倫を通ったものだと感心する。
軍国調のナレーション。
軍国婦人団のバケツリレー訓練。
現在の視点ではバカバカしいので、
大真面目に訓練した婦人たちが戯画的にしか見れない。
戦争はいつでも庶民が犠牲を払わされる。
終戦後80年目の夏が来ようとしている。
異色の反戦映画。
12日間で撮影したとは思えない完成度である。

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琥珀糖

キャタピラー

2025年3月27日
スマートフォンから投稿

あらすじを読み見ましたが、本当にあらすじの通り気持ち悪いですが、性的なシーンや気持ち悪い男って当時のどういうのかを見たかった。というのも気持ち悪い人って人によって様々かと思いますが、顔や体系が殆どで、この芋虫男も該当する話だろうなと思いますが、それ以上に周りのそのシゲ子に対する重圧が気持ち悪かった。その四肢をなくした男で、体の自由が利かず、周りの面倒をそのシゲ子に頼むが、本人が嫌がる行為は性的なものは最大ですが、それ以外に身の回りの世話の邪魔や、近所の方々から苦情がくるように仕向けるあたりが、まさに「男」を感じます。男の人自体、悪いという訳では無いけど、男の人が何にそんなに怯えるのか?何でそんなに男や女に対して虐めるのか?もっというと根源の方ってきっと男であると思いますが、男の人が主体で女の人を虐めてるのでそう思わずにいられないので、根源は男という話です。女の人同士の戦いに性的なものは無いどころか、それをすると取り返しの付かないことになると思うし、女でも性的な暴力するといいますが、本人かなり追い詰められていると思いますね。それくらい小さな頃から日常的に暴力を男の人に振るわれてると想います。男の子もそういうのあってもまだ、じゃれ合いと周りは笑って友達同士なんだね!って話を男の子には肯定する形が多いですが、女の子に対しては懲らしめるや貧乏がついてくる気がします。それが特に女の子や女性は今だに強いと思い、昔から変わってないなって思いました。あと、男性のイジメって後を引いて社会人になっても続きますが、その代償に女性が肩代わりして、その男性達も自分へのいじめが曖昧になって終わったと思い込んでいるのではないでしょうか?それくらい、社会的な問題を男性は隠蔽していいのかな?本当にずっと悩んでる小さな事って本当はかなり重要な話なのにね。大きい悩みって昇進や結婚の以前になぜ?そんなに大きい悩みに囚われているんだろう?それって小さな悩みである、過去のプライドや虐め、学力だったりして?病院でカウンセリングを受けるよりも、しっかり、会社の社長や警察官と会話したほうがいいと思う話ですね。シゲ子もなんだかんだで、私の話なのかな?って思う話なのではないでしょうか。だってなんだかんだで、努力や忍耐をして幸せになる結末っぽいですね。私への虐めではないから頑張れるのかな?笑。根本的な話、自分への虐めをもう家事やら、その芋虫男に聞いて謝って終わってるからな。

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なつ

4.5芋虫かと思ったら芋虫じゃなかったけどやっぱり芋虫だった。

2024年11月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

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吹雪まんじゅう