キャタピラー

劇場公開日:2010年8月14日

解説・あらすじ

第2次世界大戦中の日本。シゲ子の夫・久蔵にも赤紙が届き、勇ましく戦場へと向かったが、戦争から戻った久蔵の顔は無残にも焼けただれ、四肢を失っていた。村中から奇異の目で見られながらも、多くの勲章を得た久蔵は「生ける軍神」として崇められ、シゲ子は戸惑いながらも久蔵の尽きることのない食欲と性欲を埋めていく。やがて日本に敗戦の影が色濃く迫り、久蔵は自ら戦場で犯した悪行に苦しみ始める。第60回ベルリン国際映画祭で、寺島しのぶが最優秀女優賞を受賞した。

2010年製作/87分/R15+/日本
配給:若松プロダクション、スコーレ
劇場公開日:2010年8月14日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第60回 ベルリン国際映画祭(2010年)

受賞

銀熊賞(最優秀女優賞) 寺島しのぶ
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(C)若松プロダクション

映画レビュー

3.5 戦争の銃後の狂気

2026年8月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

驚く

映画『ジョニーは戦場へ行った』と江戸川乱歩の短編小説『芋虫』をモチーフとしたオリジナルストーリーとのこと。公開時に映画館で観た。

日中・アジア太平洋戦争中の日本が舞台の銃後映画で、中国に出征した夫が、顔は焼けただれ四肢と視力・聴力・声を失って帰還。生ける屍のようになりながら、軍神と讃えられる自身を誇り、また異常なほど食欲と性欲を示す夫に、親族から全ての世話を押しつけられた妻は困惑するも、やがてかつて暴力的に自分を支配した夫に復讐するかのように主従関係を逆転させていく。一方で夫はそんな自分の姿と、中国戦線で彼が中国人を虐殺し、女たちをレイプした記憶とを重ね合わせて、罪の意識に苛まれる。やがて戦局は悪化していき……といったストーリー。

確かにすごい映画だったが、いささか期待しすぎたかなとも感じた。中国での日本軍人の残虐行為がもっと大々的に描かれるのかと思ったんだが、あくまで夫の記憶の中のこととしてフラッシュバック的かつ観念的に描かれるにとどまっている。まあ、そこが主題ではないんだろうし、予算の問題もあったのかもしれないが……。

なお日中戦争で四肢と目を失い、軍神などと言われながら生ける屍となっている男というのは、確か昔読んだマンガ『はだしのゲン』にもちょっとだけ出てきた記憶がある。また映画で篠原勝之演じる狂人だけが真実を語る(が、狂人ゆえにたわ言として見逃される)というのもこの手の作品ではよく見られる描写だ。

ま、ともかく力作だった。やはりこういう映画は作られなければならないだろう。

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バラージ

3.5 戦争の異常性と狂気性を叫ぶ人間ドラマ

2026年7月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

【概要】芋虫(キャタピラー)と化した夫と介護する妻の精神の壊れゆく様を異彩に描く
【感想】寺島しのぶが体を張った女優魂を見せつけ戦争の罪と人間の業の深さを問う
【哲学】戦争は死ぬも地獄、生きるも地獄

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@SAY

0.5 中途半端

2026年5月24日
スマートフォンから投稿

江戸川乱歩原作の禍々しい性と死の葛藤。女の情念。怪奇。そのすべてを中途半端な反戦メッセージを入れることにより台無しにしている。内容がエロ、グロ、だけに終わってしまい反戦メッセージも全く届かない。なぜ評価が高いのかさっぱりわからない。所詮B級映画監督だという感想

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うぱちゃん

3.5 女優魂をみた

2026年3月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ただただ、寺島しのぶさんの女優魂と迫真の演技に圧倒され続けた90分。第60回ベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いたその演技は、ものすんごい。この役は誰でもできるものではなく、寺島しのぶさんだからこそ完成された映画と感じた。

四肢を失い戻ってきた夫。軍神と崇められる夫。
寝ることと食べることしかできない夫。
それ以外自分では何もできない夫。
性欲だけが増幅する夫。
妻シゲ子にとっては、夫はキャタピラー(芋虫)と変わりない・・・。

軍神の妻として「お国のためにも久蔵の世話をしてください」と他人は言う。
しかし、シゲ子の戦争はこれから始まる。

最も印象的なシーンは、夫が気が狂いのた打ち回るシーンで、シゲ子は笑いながら「芋虫ごろごろ、軍神さまごろごろ」と歌をつぶやく。夫が壊れたと同時に彼女の中でも、何かが崩れ落ちた・・・。

重い、重すぎます。映画としての時間は短いのですが、ひたすら重い・・・。繰り広げられる内容に胸いっぱいになります。反戦争映画なのですが、余りにも内容が濃いため、反戦メッセージすらぼやけてしまう程。

死刑判決を下されたBC級戦犯は984人
東京大空襲による死者 10万人
広島原爆の死者 12万人
長崎原爆の死者 7万人
アジアにおける死者 2000万人
第2次世界大戦による全世界の死者 6000万人

戦争は何のために行われるのだろう・・・。
エンドロールで流れる、元ちとせの『死んだ女の子』の歌詞がまた悲しく辛いので、最後まで落ち込ませる映画でした・・・。

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いちごだいふくもち