幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

山田洋次監督が高倉健を主演に描く人間ドラマ。共演に倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり。失恋して自暴自棄になった鉄也は、新車を買って北海道へ傷心の旅に出る。そこで鉄也は一人旅をしていた朱美のナンパに成功し、さらに2人は海岸で勇作という男と知り合う。旅をともにすることになった3人だが、刑務所から出所したばかりだと話す勇作が、愛妻へ出した葉書のことを語り始め……。2010年、英語リメイク版「イエロー・ハンカチーフ」(08)の日本公開にあわせ、デジタルリマスター版がリバイバル公開された。

1977年製作/108分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2010年4月10日

その他の公開日:1977年10月1日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第1回 日本アカデミー賞(1978年)

受賞

作品賞  
監督賞 山田洋次
脚本賞 山田洋次 朝間義隆
主演男優賞 高倉健
助演男優賞 武田鉄矢
助演女優賞 桃井かおり

ノミネート

主演女優賞 倍賞千恵子
音楽賞 佐藤勝
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映画評論

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(C)1977,2010 松竹株式会社

映画レビュー

4.0一家そろって見た思い出

2025年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:その他、映画館、TV地上波

不朽の名作だと思う。シンプルなストーリーに、ていねいな芝居。

刑期を終えて出てきた男を高倉健が熱演。
うまそうにビールを飲み干すのに、絶食したとか、いろいろ伝説を耳にした。
武田鉄矢の出世作でもあり、この映画がなければ、のちの『金八先生』もない。

桃井かおりのモタモタした煮え切らなさは、演出とは思えず、子供心に好きになれなかった。はつらつとしたお姉さんキャラが好きだったのだが、そんなキャラ、この映画のどこにも居場所がない。

ハンカチが飾ってあるかどうかは、ドキドキしながら見たものだ。今でもはっきり覚えている。子供でも、よく理解できるストーリーでも、なぜ、出所するのを待っていられないのかは、子供には理解できなかった。親に聞いても、要領を得なかった。ビデオ化された時にもう一度見て、なるほど、そういうことかと納得した。

とにかく、いい作品は、子供心にも響くのだ。

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うそつきかもめ

5.0「ミットもない」のとこ好き

2024年12月21日
スマートフォンから投稿

一番好きな映画はと聞かれたらこれって答えます。
私、感動して泣くってことがほとんどありませんが、この映画のラストの、特に桃井さんがハンカチ見つけて「ほらぁ!」って絶叫するところからの、一枚じゃなくて万国旗みたいに大量に掲げてあるシーンは何度見ても泣ける。
あと、件名にあるとおり、「お前みたいなやつ俺らの方で何ていうか知ってるか。草野球のキャッチャーって言うんだ。(右拳で左の掌をパシッ)ミットもない、っちゅーこった。」のとこ好き
ていうか、このシーンが好きっていう人あまりいない気がするし、ここを好きという自分、好き。

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ロッキー羽田

5.0美しいロングショット

2024年12月20日
iPhoneアプリから投稿

この作品の主人公は驚くことに映画初出演の武田鉄矢が演じてる若者でありヒロイン役の桃井かおりである。だから最初のカットが欽也の部屋で始まり、最後のカットも二人のキスシーンで終わるのです。この2人の若者が主人公であると山田洋次監督自身がインタビューで語っています。そしてこの映画は、まさしく名作です‼︎

この作品の原作はアメリカのカントリーソングの歌詞からでした。原作ではハンカチでは無く黄色いリボンです。この歌詞から山田監督がインスパイアされ脚本を作成しました。この年、山田監督は寅さん2本とこちらの作品の3本を作成しています。なんとも凄い事です!

健さんが素晴らしい演技をしています。これの前に東映のヤクザ役を卒業され模索している時に山田監督からのオファーがあり二つ返事で受けたとの事です。

ラストの夫婦の再会シーンのアップは涙目をした妻のワンカットだけです。そして向かえ合う姿はロングショットで遠い所から撮っています。この遠目のショットが堪らなくいい!泣き崩れる妻を抱えるようにふたりで家へ入っていきます。これ全てが遠いロングショットなのです。ふたりのアップは一切映しません…素晴らしく美しい映像です。会話もいらないと共にアップのふたりの顔ももはや要らないのです。。

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えーじ

4.5「自分、不器用ですからこんなレビューになってしまいました」←うそ!「厚顔無恥にもほどがあるレビュー」

2024年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波、VOD

泣ける

楽しい

幸せ

ネタバレもクソもない名作中の名作。『猿の惑星』の「ここは地球だったのか!」みたいな?

ファーストシーンの欽也(武田鉄矢)の部屋。スーパーカーのポスターまみれで「あぁ、時代だなぁ。懐かしいなぁ」と思いました。
どうでもいい話なのですが。私は『サーキットの狼』の劇中で登場する車の中では、トヨタ2000GTシルエットフォーミュラーという架空車が一番好きでした。カウンタックのGr.5も。主人公のフェーリディノRSとかの“でっちあげ”車って、外連味とロマンあるじゃないですか。
スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪ランボルギィーニ!カウンタ―ック!ポルシェー!ナイ―ンワンワンターボォー!フェルッラーリ!ヴェルリネッタボクサァ!マセラッティボーラァ!イッツナンバァーワーン!スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪僕の憧れ♪僕の恋人♪スーパーカー♪
ごめんなさい。当時を懐かしんで、ついYouTubeで『対決!スーパーカークイズ』のオープニングテーマを聴いてしまいました。スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪力は機関車よりも強く!高いビィルディングもひとっ飛び!(もうええっちゅうねん!)
挿入曲にピンクレディーがいくつか流れていたり。キャンディーズの話題がでてきたり。懐かしぇ。どうでもいい話で500文字以上を浪費してしまいました。

ごめんなさい、本題です。オープニングクレジットの“原作=ピート・ハミル”で初めて知ったのですけれど、元はアメリカ新聞誌掲載のコラムだったのですね。いかにもな人情話なので、かなり意外です。米国人に人情がないって言ってるわけじゃないんですが。

武田さん、ロン毛にテンガロンハットよく似合っていました。「百姓みたい」(笑)な白のジャンパー、結局は気に入って買っちゃったんだ。
勇作(高倉健)の初登場、食堂でビール一気に飲み干すシーン。出所後あるあるですよね。私はアルコールがさっぱりダメですし、幸いにもまだ収容されたことがないので、その格別の美味さはよくわからないのですが。
ふっかふかのおふとぅんに感激するシーンも「きっとそうなんだろうなぁ」と胸が締め付けられる思いでした。

この作品、記念すべき第1回日本アカデミー賞では最優秀主演男優賞で故・高倉健さん、最優秀助演男優賞で武田鉄矢のお名前が挙がっていますよね。
私が思うに、この映画の主役って、むしろ欽也(武田鉄矢)だったと考えたんですよ。
贅沢にも、高倉健さんが演ずる勇作を狂言回しにして、武田鉄矢が演ずる、うだつの上がらないダメ男の成長譚を描いたのだと感じたので。
鉄矢さん、映画初出演に関わらず、ド素人とは思えない好演技でした。すっとこどっこいでお調子者でドスケベなんだけれど妙に憎めないヤツ。そういうヤツっているじゃないですか。ここに。“憎めないヤツ”だかどうかは別として(笑)そんな欽也を見事に演じ切っていらっしゃいました。
もちろん健さんの唯一無二の存在感のサポートあってのことなのですが。
桃井かおりの、情に厚いけれどちょっとトロい朱美のキャラ設定も活きていたのも勿論なのですが。←言い方!
そんな3人の珍道中が、この上なく面白くて感動的な物語として描かれていました。
勇作、欽欽、朱美の奇妙な凸凹トリオが、いつしか本音でぶつかり合える間柄になっていく過程が微笑ましくて、涙ぐましかったです。

勇作の欽也への説教に痺れました。
「おまえそれでも九州の人間か」
「いいか…女子(おなご)ちゅうのは弱いもんなんじゃ。男が守ってやらにゃいけん」
これって、いくら年月が過ぎようとも、男女間の普遍的な価値観だと思うのですが。昨今のポリコレて何様のつもりなんですかね?

かつて住んでいた我が家を目前にして、怖気づく勇作に欽也の活が入ります。
「ここまで来たんだろう、なんだよ今さら女々しいこと言うなよ。この間俺に偉そうに説教したくせにさ」
ここでの欽也の成長っぷりに思わず頬が緩みました。
朱美の慰めの言葉も、とことん優しくて涙が出ます。

テレビ放映などで何度も観ているはずの映画なのに、ラストもわかりきっているのに。今回観直してみても、黄色いハンカチが上がっているかどうか、三人の目線でハラハラしながら観ている自分がいました。
なので、黄色いハンカチの列を見つけた時の欽也と朱美の喜びようが、他人ごととは思えなくて。
勇作を送り出してやる時の幸せな気持ちが、じーんと胸に染みて。
邪魔しないようにさっさと車を出した後、陰に隠れて勇作と奥さんの再会を見守っていた二人の優しさが素敵でした。
たった数日間の出来事なのに、何だか長い長い旅だったように思えた勇作の旅がハッピーエンドで締められてとてもよかったです。
欽也と朱美のハッピーエンドも含めて。愛車のファミリアは結構ポンコツになっちゃいましたけれど。
欽也、朱美に惚れられてもいい、素敵な男になりましたよね。

借り物の言葉を使えば、“ロードムービー”の傑作中の傑作だと思いました。
ロードムービーって言葉、この作品について調べるまで知らない言葉でした。←マジでΣ(oдΟ;)!!

一個だけ難点があったんですね。それ、今さら言っちゃダメなんですが。さすがに音楽が古すぎるなぁと思って。
これだけは仕方ないからマイナス点にはしないです。
2011年の日本テレビドラマ版ではどうだったんだろう?テレビ観なくなって久しいから、観逃しています。
阿部寛の勇作役、かなり興味があります。1982年TBSドラマ版の菅原文太さん版もあったのですね。
この映画、海外でのリメイクあってややこしいことになっているんですよね。
アメリカが原作発祥の地→日本にて映画化→アメリカでリメイク。って逆輸入映画なの?
タイトルは『イエロー・ハンカチーフ』っても蓋も無いの(笑)
「まさか!」と思ってアメリカ版をアマプラで探すと!ありましたありました!これも“観なきゃ映画”の候補に入りました。
タイでも、リメイクがあったそうで。『もしあなたがまだ私を愛しているなら』こちらもかなり観てみたいかも。独特の宗教観が色濃く出ていそうで興味あります。「仏様を大切にしろ!大切にしないヤツは死ぬべきなんだ!(名言)」とかの台詞がありそうで怖そうですw

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野球十兵衛、

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