全世界をビビらせた第1作はいつ思い返しても「怖かった」しか感想が出てこない位怖かった。
そして監督サイドが続投して製作された本作も期待値大だったのに加えて、どれほど怖いのかという何とも言えぬ興奮のまま公開当時ギリギリ15歳未満の私は映倫区分という最大の敵をかいくぐって劇場に潜り込んだのを覚えている。
前作での大成功で味をしめた製作サイドは暗視スコープを多用する演出や、第三者が登場して計2台となったカメラが異なる視点で記録する等の創意工夫が多く見られる作品となっていた。
また、特殊部隊員がメインキャラになった為、前作には無かった「銃撃戦」というド派手な演出が出来るようになったのである。
前作の直後からという設定だが、包囲された建物周辺に多くの人だかりが出来ている様を初めて描き、事の重大さを改めて認識しつつ、保健省を名乗る人物と建物に入るのだが、前作でもうっすらとゾンビたるものの正体が判明していたが、やはり彼らは「悪魔憑き」の人間であるという事が当たり前の様に描かれ、後付け設定だろうがその元凶となる設定もしっかりと登場する。前作で語られていない部分は補っている様で、続編としては良いと思う。よってストーリーは前作よりも内容のある物であり、加えて怖い所はしっかりと怖がらせてくれる。だが、物語に新機軸の設定が加わる毎に、その恐怖が半減してくるというデメリットもある。保健省を名乗る人物(顔怖い)は神父であり、故に悪魔祓いのシーンも存在するのだが、こういうのが観たかったんじゃない感が強い。あの閉鎖された場所で得体の知れないウイルスだかが猛威を振るい、優しかった住民らが凶暴になるという理不尽かつ理解不能な状況下で逃げ惑うのがこの映画の醍醐味だったのにと思う。シリーズとして同じ事をやるのは問題だろうから、仕方ない部分もあるだろうが、やや風呂敷を広げ過ぎた印象だ。それでも第1作と合わせて世界に名を轟かせる事には十分成功しただろう。