イングロリアス・バスターズのレビュー・感想・評価
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猟奇性は不要
実際のイングロリアス・バスターズは主にユダヤ人の亡命者のイギリスのコマンド部隊でしたし残虐行為も脚色です、もっともヒットラー暗殺自体がフィクションですが、劇場にヒットラーが来るプロットは「メル・ブルックスの大脱走(1984)」でも見られます。
ナチスが残虐なのは衆知の事実なのだがランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)を紳士ぶった悪魔とし米軍のレイン中尉(ブラッド・ピット)を猟奇の殺人鬼とする設定、目には目、歯には歯と言いたいのだろうか、所詮戦争は狂気の沙汰と開き直ったのだろうか。よく残虐性を獣に例えるが獣は食べるために殺す、なぶり殺して頭の皮を剥いで見せしめにするのはプレデータか人間位、口実はアパッチのようにとインディアンのせいにする、侵略したのは誰だと言いたくなる。
精鋭部隊とショシャナの復讐劇で充分素晴らしいだろうに猟奇性を足す感性がタランティーノらしさなのだろう。
人間の本質が未開の首狩り族と大差なく暴力や残虐性として、苦みを和らげる似非ロマンスを混ぜてシェークするとこんな映画になるのだろう、タランティーノのアクション映画は面白いが本作は陰湿過ぎてついていけない。
少し物足りなかった。
・ヒトラーを映画館で暗殺するっていう発想がタランティーノっぽくて良かった。
・バスターズが強いのか弱いのかわかりづらかった。
・スパイの女優の意図がわからなかった。二重スパイかと思ったらナチの大佐に殺されたし。結局どうして地下の酒場を選んだのだろう。
・逃走したユダヤ人の女性がナチスの将来を嘱望された兵士に好かれるのが良かった。
・ユダヤ人をフランス人と間違うって事が実際にあったのかどうかピンとこなかった。
・ジョシュナの映画館の雰囲気が良かった。看板の文字をああやって変えるんだなぁって思ったら面白かった。
・バスターズが頭皮を切り取る辺りがグロくて少し引いた。
・バスターズが強そうだけどあっけなく死んでしまうっていうギャグだったのか?が少し拍子抜けしてしまった。
・酒場での緊張感のあるシーンがとても良かった。そこからバスターズの作戦が頓挫してどうする?っていう展開に若干盛り上がりを感じられなかった。主人公が曖昧に感じられたからなのかな。
・戦意高揚映画の感じが良かった。本物は見たことないけど、あんな感じだろうなぁって思った。
・ヒトラーを映画館で暗殺したのが良かったけど、ワンスアポンアタイムインハリウッドを先に観たせいか、物足りなさを感じた。
1944年、ナチス占領下のパリ。ナチスに家族を殺された映画館主のシ...
タラちゃん×ブラピ+クリストフ
冒頭20分、クリストフ・ワルツの悪魔的な演技
個人評価:4.3
1人のユダヤ娘の魂を賭けた、ナチへの素晴らしいリベンジストーリー。
冒頭の農村でユダヤ人狩りをするSSのシーン。農夫と話すクリストフ・ワルツの、とても丁寧な口調の中に潜む、悪魔の様に冷たく鋭いナイフ。そして隠し事は決して見逃さない鷹の目で、農夫はいとも簡単にSSに屈す。
この映画の最初の20分は、タランティーノとクリストフ・ワルツの渾身のシーンだ。まさにオスカーを取るに相応しい演技。
毎作品そうであるように、本作も長時間の映画だが、ヒトラーに向け少しづつ歩み寄る、リベンジの矢を丁寧に描いており、最後まで飽くことなくパワフルに見る事ができる。
今回もタランティーノ十八番の壮大なリベンジストーリーが決まるっ!
タランティーノ最高作にして、戦争映画最高作
Yeah, that's what I thought. タランティーノ流歴史改変物
映画が大好きなタランティーノ監督が、大好きな映画館で、大正義を行う歴史改変物でした。
いや、そりゃビックリしましたよ、最後が大成功に終わるとか。全くの予想外でしょう。第二次世界大戦のナチを描いた作品って、下手に誰もが知ってる歴史だけあってヒトラーはあんな所では死なないって思ってる所を逆手に取ったあの最後。こりゃタランティーノ以外は思い付きもしない。一本取られた気分です。
ただ正直途中ダレました。冒頭は面白くスタートしたのですが、そこから酒場のシーンに至るまでは割かし退屈だったんですよね。で、酒場のシーンから徐々に盛り上がってきて、あの最後。インパクトは絶大です。
ブラピが殆ど活躍しないので、ブラピ観たかった人はガックリだったのでは?個人的にあの喋り方は何だか好きでしたが。ショシャナ役のメラニー・ロランは美しかったですね!あの凛とした目付き。いかにも皆がイメージするフランス人って感じです(実際のフレンチは結構違うんですけど)。しかし、なんと言ってもクリストフ・ヴァルツでしょう。4か国語を自在に操り、相手を追い詰める姿は絶対敵に回したくないタイプですね。
言うなればスタンダードに映画を撮って面白いスピルバーグに対して、タランティーノって誰も予想が付かない所を突いてくる、やっぱ奇才って感じですよね。何故か日本人にもやたら有名なタランティーノ監督。どうしても一般向けというより、映画マニアに絶賛される監督なイメージなのですが、映画史に名を残す稀代の監督の1人であることは間違いないと思います。
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自宅にて鑑賞。意外にもQ.タランティーノ監督、初の戦争映画。劇場公開時は面白くなかったら、代金返却キャンペーンを展開していた。過剰気味のバイオレンスシーンと血糊は相変わらずな監督得意の復讐劇。途中、大丈夫かとも思ったが、二つの物語が交差し始める『第4章プレミア作戦』から俄然盛り上がり、ラストも巧く纏まっている、正にだんだん良くなる法華の太鼓の典型。女優陣も魅力的に収められており、“アルド・レイン”中尉のB.ピットもまずまず。四ヶ国語を操る知的な“ハンス・ランダ”大佐のC.ヴァルツが印象的。70/100点。
・約十年間、本作の脚本を温めていたと云うQ.タランティーノ、僅か6分乍ら劇中作『国家の誇り』もそれなりに作られてる芸の細かさに感心。
・鑑賞日:2011年10月24日(月)
途中で席を立った人が一人…
「面白さタランかったら全額返金しバスターズ」などというワケのわからん企画のためにタラ映画の品位を落としてしまったのではないかと心配になってしまった本作。5章立ての構成ながらも時系列通りの進行となっていて、理解しやすい戦争映画だった。もちろんタランティーノらしく残虐シーンはあるものの、彼にとって初の戦争映画ということもあり、切り口が絶妙なうえに史実を無視するぶっ飛んだ内容でもある。
ソ連が崩壊してからは、アメリカ産の映画に登場する“敵”はテロリストもしくは依然としてナチ。またしてもナチを徹底的に悪者扱いする映画かと危惧していたが、そうではないようだ。なにしろナチ狩りを繰り返し、頭の皮を剥ぐという、レイン中尉(ブラッド・ピット)率いる“イングロリアス・バスターズ”が主役なのだ。むしろ、ナチによるユダヤ人狩りという蛮行は第1章にしか登場しないし、連合軍の行為の方が残酷に思えるくらいなのだ。ブラピもそうだし、ドイツ側ではツォラー兵士(ダニエル・ブリュール)を敵兵数百人殺した英雄に配するなど、甘いマスクの人気俳優に残虐性を持たせるキャスティングがニクいところだ。
気合いが入ってるなぁと感じさせるのは、フランス語、ドイツ語、英語、そしてコミカルな使われ方だったイタリア語と、異言語間における絶妙な会話。スパイやゲリラなど、戦争映画に不可欠な多言語によるスリリングなコミュニケーションは大変面白い。方言のアクセント、「グラス3つ」などといった民族の習慣、見破られるんじゃないかとハラハラさせられるシーンは見どころの一つです。それらを見事にまとめていたのが4ヶ国語を巧みに話すナチス側のハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)。関係のない話題からネチネチと攻め、見抜いてしまうテクニックは空恐ろしいものがあった。カンヌでも男優賞を獲得したようだし、いい俳優ですね・・・
クライマックスはヒトラーも参加するという、映画館でのプレミア上映会。復讐を果たそうとする映画館女主人のショシャナ(メラニー・ロラン)と恋人のマルセル(ジャッキー・イド)。そこへ横恋慕するツォラーが絡んできて・・・と緊迫感溢れる展開となっています。バスターズはちょっとおマヌな活躍でしたが、スクリーンに映し出されるショシャナが最高!
他にはダイアン・クルーガーやイーライ・ロス、それにティル・シュヴァイガーがいい味出してました。ナレーションがサミュエル・L・ジャクソンだとは気付かなかった。それに通訳の女性が『キル・ビル』でも通訳してたソフィア(ジュリー・ドレフェス)だったとは・・・
イングロリアス・バスターズ
良かった。さすがタランティーノ監督だけあって、傷つける描写がむごいというか派手だな。
ブラピと「ナチスの熊」以外は全員悲惨だった。特にユダヤのショシャナはホント可哀想。
群像劇な感じもやっぱり面白いよなー。
相変わらずブラピはかっこ良いし、
ショシャナ役の人かわいい。
映画で復讐…最高なナチ狩り痛快作!
DVDで2回目の鑑賞(字幕)。
ブラット・ピットが率いるスーパークレイジーなナチ狩り部隊「バスターズ」と、ユダヤ人狩りを逃れナチスへの憎しみに燃えるユダヤ人女性が繰り広げる壮絶な復讐劇を、クエンティン・タランティーノ監督がたっぷりの映画愛と共に過激且つブラック・ユーモア満載で描いた痛快娯楽大作。
戦争映画だからと言って深刻さは全くナシ。怒涛のクライマックスまで破竹の勢いで爆走する最高のエンタメでした。
タランティーノ作品特有の、過激さの中に不思議な痛快さがあるバイオレンス描写を随所に挟み込みつつも、戦争映画でありながら、殆どを緊迫感のハンパない丁々発止の会話劇で構成しているところが特筆すべき点ではないでしょうか。「このままだと正体がバレてしまう!」とか「早くどっか行けよ!」とかモヤモヤ・ドキドキ・ハラハラの連続でした。
クリストフ・ヴァルツ演じるユダヤ・ハンター、ランダ大佐との対決が本作の見どころのひとつ。ヴァルツがその年の各賞を多数受賞したことも納得の名演でした。
全てを掌の上で転がし上手くいったと思い込んだところをブラピたちにお仕置きされるラストが痛快。いけすかない野郎がまんまとやられるのはどんな時も最高!
映画愛に溢れているタランティーノ監督だからこそ、映画館とスクリーンとフィルムを使った壮絶な復讐劇と云う展開は若干の悲壮感を伴いながらも痛快無比の名場面でした。
計画がまんまと成功しちゃうのはご愛敬で、初めて観た時は驚きに口がアングリ。「そう来たか!」みたいな。まさか史実をねじ曲げて来るとは思いも寄りませんでした。
※修正(2023/08/27)
ピッツァ
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