イングロリアス・バスターズのレビュー・感想・評価
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イングロリアスバスターズ
ブラッドピットが、独特のなまりのある英語で頑張って演じています。
ただ大きな音や、頭の皮を剥ぐなどの過激な演出で、人種差別・戦争反対などの焦点は、ぼやけてしまって残念です。
お金を返してもらいたいかな?と少し思ってしまいました。
いつものタランティーの映画ではなかった。残念。。
第2章ぐらいまでは期待感一杯で見てましたが、もう途中で、返金キャンペーンの事が頭から離れなくなってしまいました。残念ながら私の、2009年度のワースト3映画に入ってしまいました。
タランティーノ大好きだー
元からタランティーノ監督作品が大好きだから期待して観たけど、
裏切られなかった!
この人の作品では今までで一番好きかも。
ノッキンオンへブンズドアの人が出てたー。
ブラピ、良かったです。はじけっぷりが。
終わり方がねーかっこよすぎです。
最高傑作!!ww
あんまりグロくないじゃーんと思ってたら、最後の方バンバン死にます。
ヒトラーがっ!
結構衝撃的な夢物語。
やっぱりこの監督は天才だ!!!
フィクションだよ!
クエンティン・タランティーノ久々の監督作品。今回は、ブラッド・ピットと初タッグ!ワルそうなブラピが、ナチス相手に大暴れしております。
第2次世界大戦下のフランスが舞台とはなっておりますが、極めてタランティーノ的な手法によって撮られた、“タラちゃん印の映画”となっております。平坦なシーンからいきなり、何の前振りもなく残虐なシーンへの転換があったり(それもごく当たり前って感じで)、主要な登場人物が血も涙もなく、あっけなく殺されてしまったり(『え~!それで、この人終わり~?!』ってツッこんだところが何箇所か…)、う~ん、相変わらずドライにバンバンやってるな~って、印象を受けました。“銃弾が飛び交い、人が死ぬ”これが無いと、“タラちゃん印”とは言えませんからね。正に『ヤッチまいな~!』って感じ。もうね、CMなんか出てないで、もっともっと映画撮ってよね!タラちゃん!!面白いんやから。
但しこの映画、結構長い(上映時間・2時間32分)!で、あんまり『長いぞ~!』とは感じなかったのですが、長い“タラちゃん印の映画”は、大抵中盤でダレちゃうのです。残念ながら、本作でもそれは感じられました。吾輩、一瞬トリップし掛っちゃいましたから。もう少し詰めて、スピーディーな展開にした方が良かったんじゃないかな~?と。題材が面白いだけに、その辺がチョット残念だった気がします。
ブラピがイイですね!チョット太めで髭はやして、口をへの字にして“ムスっ”とふんぞり返ってる、こういう“チョイワル”系キャラを演じている時の彼は、非常に楽しそうですね。吾輩も正統派の二枚目を演じているブラピよりも、こちらの方が好きですね。何か見てるだけで面白いし…。あとマイク・マイヤーズが出てるって聞いてたんですが、吾輩見ていてもどこで出てきたのかわかりませんでした。後から“アノ役”だったと知ったのですが、そんなん気付かんかったわ~!
吾輩不勉強故、“バスターズ”みたいな部隊が実在したのかどうかは、定かではございません。但し、この映画はあくまでも“フィクション”です!ヒトラーが、劇中のようにあんなことになってしまうといった史実はございませんので、そこんところは、キチンと線引きをして見てください。『事実がこうだった』なんて、知ったかぶりして喋っちゃったりしますと、後で大恥かいちゃいますから(^^;。
タランティーノ節全快な戦争娯楽作!
『地獄のバスターズ』('78 エンツォ・G・カステラッリ監督)から着想した本作は、タランティーノ節が全快な戦争エンターテイメント作品!
映画好きな監督ならではのオマージュ映像の数々に、粘着質で緻密な会話劇…“映画愛”溢れる作り!
独特な癖のある作風なのに意外に見易く、史実とは異なる娯楽作品に仕上げている。
ドイツ・フランス・イタリア・英語が飛び交う本作。
皆、会話を母国語を話す…。
この当たり前で面倒な事をちゃんと映画内で成立させているのが新鮮。
さらに痛みを感じる暴力描写に、伏線の張り方と映画的な見せ場のクライマックス。
ツボを押さえた演出に、唸る程。
そして、濃い登場人物たちの設定に描写。
中でも、4ヶ国語が交わされる状況を、軽々と繋ぐ、ナチスの“ユダヤ・ハンター”〈ハンス・ランダ大佐/クリストフ・ヴァルツ〉!
このキャラが異常に良く秀逸!
クリストフ・ヴァルツの怪演が素晴らしい限り。
題材のチョイスと癖ある作風ではあるが、個人的には大変面白く、大満足した作品。
自分の「映画愛」を試されている作品です(ちょっぴりネタバレ)
2009年アメリカ映画。152分。個人的には今年一番楽しみにした作品。ですので映画館は近所の古いところではなく、新宿にいってまいりました。タランティーノ待望の最新作でございます。
評価は最低でもB+。つまりこれ以上はあっても、これ以下はないということです。タランティーノのインタビューや関連記事をこれからたくさん読んでみようと思います。でないと評価できません。
内容は書きません。こうこうこういう内容とひとくくりでまとめては、ストーリー以外に散りばめられている本作の素晴らしさを見過ごしてしまうと思うからです。
ただ、はっきり言えるのは本作は観る人を選ぶ作品です。少し趣向は違いますが、ウディ・アレンやジム・ジャームッシュといった会話の巧みさを味わえる人で、さらにバイオレンスが苦手でない人は、本作を絶対たのしめます。
他のタランティーノ作品同様、本作も会話が長いです。そして、この長さを楽しめないと退屈になること確実です。これは大きな映画館で上映する類の作品ではないと思います。
ここでは書ききれない、そして伝えたい本作の素晴らしさは本当にたくさんあります。それでも評価に躊躇してしまうのは、やはりあの大問題のラスト30分にあるのだと思う。あそこで憤慨したり、くだらないと言ってしまうのは簡単ですが、そう締めくくってしまうのはとてももったいないです。
実際わたくしもラスト(映画館)を観て「そりゃないでしょ」と思ってしまいました。でも、それから帰宅して風呂にはいって考え直してみると、やっぱりすごいんですね、本作は。意味不明な病気にかかったみたいに興奮しています。
あのラストについてこれから何年間も考えることは確実です。あれは映画史上稀にみる大問題なラスト30分です。あれはタランティーノだからできたのでしょう。
ちなみに気づいた人(気づける人)少ないと思いますが、ハーヴェイ・カイテルが「出演」していましたね。あとマイク・マイヤーズの地球儀ネタ、一人で笑いをかみ殺していました。さらにデヴィッド・ボウイの音楽最高です。
とりあえずもう一回劇場にはいくな、こりゃ。
面白い!ハンス大佐最高でした。
タランティーノの作品は、ほとんど観てますが今までは何が面白いのか正直良く判らなかった。でも本作にはやられました。面白かった。最初から最後まで緊張感が続きどんな結末になるのかハラハラしっぱなしでした。
その大きな要因が「ハンス大佐」。このタランティーノが創ったすばらしいキャラクターと演じている役者さんすばらしさによってスクリーンに釘付けにさせられました。
後は思わずエッ!と驚くラスト。先入観からありえないと思っている結末なので、第5章の間中これでこの後どうなるの?とハラハラしっぱなでした。久しぶりに観た映画らしいいい映画でした。
あっとブラビも良かったです。ちょっとマンガポイ役を演じると抜群ですね。
タランティーノ最高!
これぞ映画好きによる、映画好きのための映画!
今年観た中で一番楽しい作品
漫画的であり、紙芝居的であり、古き良きアメリカ映画っぽくもあり、活劇みたいでもある
重苦しくなりがちな歴史的題材を『これが映画じゃ!』とばかりに史実も曲げてしまうタランティーノはスゴイし、俳優陣の演技も見所、とくにランダ大佐の演技はスゴイのひと言!
映画館で観て感じて欲しい映画です
タラちゃんの○○な話。
つまらなかったら「返金します」キャンペーンをやってたけど、
果たして申告した観客がいたんだろうか?そっちが気になる^^;
ま~尺の長さでいえば「2012」と、どっこいどっこいなのだが、
物語の面白さ、脚本の巧さではダントツでこちらの方が勝る。
(まぁディザスター映画と比べるのもなんなんですが)
一応は戦争映画。でもウエスタン?あれ、ナチス?な喜悲劇。
タランティーノことタラちゃんは、ホントに映画が好きなのねぇ。
そういう「好き」が松本の○○な話みたくバンバン飛び出して、
演じる俳優をも見事に巻き込んでいるのが凄い。ブラピなんて
もうニッコニコ状態であの役を楽しんでいるのがこちらに伝わる。
あくまで主役はM・ロランとC・ヴァルツ(マジ巧い)になるのだが、
その他・ゲストを含めて豪華、豪華!よく観てないとエ?くらい
な人もいたりして…^^;それだけタラちゃんは愛されてるんだな。
この人の映画は常に癖があるので万人ウケするかは謎だが、
暴力描写ひとつにしても、あのしつこさ!惨さ!鮮明さ!が
クスリと笑える所に着地するのが面白い。ホラーが観られない
自分でもこの人のはやはり観られる^^;残酷さからも愛なのか?
それから、オリジナリティ溢れる脚本。(今回はワリと真っ当)
歴史の流れを思いきり変えてみせる。エ?と思わせる技術が
常に観客の期待を裏切らない。もしも、そんな○○があったら。
…なんかドリフ大爆笑みたいな^^;分かっちゃいるけど、あらま、
そうきましたか!というシチュエーションがツボを刺激してくる。
細かい感想をグダグダ書いても、おそらくタラちゃん作品には
観て、感じる、部分が多いので鑑賞後に判断するのをおススメ。
本来深刻である内容をサラリと(長いけど)描いて後をひかない。
しかしヴァルツは何ヶ国語を喋ったか^^;あまりに流暢で大笑い。
個人的にはT・シュヴァイガーにウハウハ♪しながら観ていた私。
(選曲とシーンが合体する心地良さ。映画好きな野郎ども~^^;)
タラの映画愛
「キル・ビル」も見てないし、僕はタランティーノという監督にあまり、
興味がなかったのです。人をバッタバッタ切りまくる映画って
好きじゃないなと思ってたから・・・。
でも、この映画に興味をもったのは、2つのストーリーが最後に重なる
って記事を見たから。それは今読んでる村上春樹の「1Q84」の手法
に、とても惹かれているからです。
全部で5章から成り立っているんだけど、冒頭のシーンといい、全体を
貫く過剰な表現といい、それらのシーンを盛り上げる音楽にしても、
どっかで見た感じだなと思ったのです。
そうです。あのマカロニウエスタンなのです。
映画の3要素だと僕が考えてる①映像のつくり方、②ストーリー性、
そして、③キャスティングどれも完成度は高いものがありました。
まず、映像は、こってりとした濃い目のトーン。
マカロニ・ウエスタンをベースにフランスのかおりもって感じで、
なかなか構図なんかも洒落ていた。
次はキャスティング。
ブラピのレイン中佐はいつも眉毛をハの字にして、声も一段階
ハイトーン。骨太で頼りがいのあるリーダー役になりきっていた。
ブラピがはじめてブラピがカッコいいなと思いました。
ヒロインのメラニー・ロランはちょっとカトリーヌ・ドヌーブに
似ている。フランス人らしいアンニュイ名雰囲気で、プライド高い
復習のおんなをを演じていました(肩のほくろは気になったけど)。
そして、共通の敵であるナチスの軍人役クリストファ・ワルツ
の陰湿さは、際立っていた。小賢しく、陰湿な敵役としては、最高の
役者だと思った。
ストーリー性は、クライマックスにふたつの物語が最後に
結びついて、カタストロフィをもたらすという映画そのものの意図。
大好きな映画のなかに、ナチスを追い込んで叩き潰すという作戦。
タランティーノ監督の映画愛がこんな作戦を立てさせたといえるの
ではないか。
ちょっと過剰でドギツイ描写では、顔をしかめるところもあるには
あったが、全体に格調が高い作品になっていると思った。
タランティーノ監督は、ビディオショップの勤めていた。
(おそらくタダで)ありとあらゆる映画を見まくったのだろう。
そして、自分はその風貌からしてもメジャーな映画という
よりも、B級映画にその愛をみたような気がする。
でも、そのB級的視点は、いまや普遍性を持ち始めているの
ではないかと思う。
至上最悪。
至上最高につまらない映画でした。
そもそも、意味がわからない。
気持ち悪いし、笑えないし、くだらないし。
最悪な映画です。
途中で、出ました。
たくさん、出ている人がいました。
しかも、返金キャンペーンって、公開から数日間だけです。
さらには、30分以上見たら、返ってこないとか、結構厳しいようですね。
(わたしは、公開の翌日に行ったので、返してもらえましたが。)
そもそも、何を考えて、こんなつまらない映画を作ったのだろうと思います。
意図がわからない。
一緒に行った人も、同じ感想でした。
お金が勿体ないので、
返金キャンペーンが終わったら、見に行かないほうがいいですよ。
でも、ここまでつまらない映画なら、
ある意味、ネタにはなるかもしれませんね。
違う監督の演出で見てみたい。
公開初日から4日間限定ですが、「面白さタランかったら全額返金しバスターズ」と言う名前で、上映開始後1時間以内に退席した観客には鑑賞料金を返却すると言う前代未聞のキャンペーンをして話題も振りまきました。元々は「地獄のバスターズ」と言うタイトルのイタリア映画のリメイクらしいです。
う~ん、欧米人、って言うか、クエンティン・タランティーノ本人と言うべきなのかもしれませんが、“面白い”と言う基準が違うんでしょうか? この人の作品って、どうして素直に“面白い”とは言い難い、こう一捻りした内容なんですかね? この作品もその例に漏れず、上記の様に“面白い”とは言えないんですよね。第二次大戦時のフランス戦線レジスタンス活動を描いたと言う観点では、“面白い”とは思いましたが。
基本、アメリカ人監督が撮っている映画なのですが、第二次大戦時のフランスを描いた映画と言う事で、ドイツ語・フランス語・英語、そして最後に少しだけイタリア語と、4ヶ国語が飛び交う、国際色豊かな映画になっています。トム・クルーズが主演した、『ワルキューレ』は、ドイツ人が主人公なので基本ドイツ語で描かれるべきなのですが、主演がアメリカ人俳優なので、ドイツ語のセリフが徐々に英語に切り替わると言う手法で、英語の作品にしていました。まぁ、旧ソ連の映画なのに無理やり全て英語で演じたハリソン・フォード主演の『K-19』よりは良いですが、『ワルキューレ』もちょっと変です。その意味では、フランス人とドイツ人の共通の言語として英語を使う設定にするなど、言葉周りの扱いは巧妙に扱われていて、そう言う所は非常に良かったと思います。
うーん、個々の俳優の演技は語り難いです。敢えて言えば、ハンス・ランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツは、良かったと思います。ドイツ語・フランス語・英語・イタリア語のセリフを使い分け、狡猾なSS将校を上手く演じていました。この映画の主演は、一応ブラッド・ピットですが、クリストフ・ヴァルツが居なければ映画として成立したか微妙ですね。それ以外の俳優陣と言うと、数多くの俳優が出ているので、何とも評価し難いです。
結局のところ、やっぱりクエンティン・タランティーノ作品だと思います。一捻りも、二捻りもされています。そう言うところを心して見に行った方が良いかもしれません。
タラちゃんの新作
レイトショー¥1200で昨晩見ました。
タランティーノならではの最高なB級映画でした。
さりげなく彼の映画大好きなシークエンスもあり、35㎜フィルムを接着剤で繋げる様子なんて初めて見ました。
ここ最近のブラピはヌケサクを演じるとこの上ないという感じですね。
このサイトはメモ代わり的な活用なので駄文であしからず。
極悪版刑事コロンボ対残虐無比の偽イタリア人
タラ監督初の戦争ものだが、相変わらず音楽センスもキャラ造形もキャスティングも絶妙!
復讐に燃えるメラニー・ロランは、華奢な身体にエネルギーが充満してる感じがカッコいい。あのきりっとした眼がいいですね。
彼女に恋するナチの英雄ダニエル・ブリュールも、哀れな純朴青年のまま終わるのかと思いきや……。
ブラッド・ピットの配役もドンピシャ! ナチ狩り以外何にも考えてないような明朗快活な残虐野郎っぷりやイタリア語に戦慄&爆笑。
だが、一番強烈なのは何と言ってもクリストフ・ヴァルツ!
彼が演じるナチ将校ランダ大佐は今まで観たことが無いタイプの悪党だ。低い背丈、柔らかい物腰、人懐っこい笑顔……。ナチの制服を着ている以外は危険な男には見えないが、不気味なほど鋭い洞察力と明晰な知能、そしてその狡猾さは、言うなれば極悪版刑事コロンボ。
登場するだけで映画の流れを変える抜群の存在感が素ン晴らしい。
娯楽アクション大作みたいに見える予告編は忘れるべきだろう。本作の最大の魅力は、ウィットに富んだ長い長い会話によって徐々に高まってゆく緊張感と、先読み不能&伏線だらけの上質な脚本にあると考える。あの見事なオチにゃ思わず唸りました。
バットに込められた思い
通常の映画は見たいヤツが映画館に足を運ぶ。
しかし、タランティーノ作品は
映画が観客を選ぶところがあると思っている。
暴力的で悪趣味なユーモアはクセの塊、
苦手な人はとことん苦手だろう。
“途中まで見て面白くなかったらお金は返します”
この今までに無い試みは、言い方を変えると
「面白いと思ったヤツだけ見てくれればいいよ!」
そういった作品に対する唯我独尊な自信を感じる。
物語は二つの話が同時進行し交錯する。
ナチスの「ユダヤハンター」ランダ大佐に家族を殺され
復讐を誓う映画館の支配人ショシャナ。
自らの映画館でのナチスプレミア上映会で、
ヒトラーやゲッペルスを含むナチスの殲滅を狙う。
もう一方は、アルド・レイン中尉率いる
ナチス殺戮専門秘密集団バスターズ。
インディアン・アパッチの習慣になぞらえ、
ナチスの頭の皮を集めろ!とナチスをとことんいじめ倒す。
彼らも同じナチ殲滅のためプレミア上映会に忍び込む。
彼らの運命はいかに・・・というストーリーだ。
その作りは相変わらずというか、
初期の「レザボア・ドッグス」に戻ったような芳香を持っていた。
相変わらずのタランティーノ作品の特徴が色濃く出る。
■原則BGMによる雰囲気づくりは最低限、
一見意味のないやりとりで芝居のように会話を転がす。
その数分のコッテリした演技は饒舌で、
どんなキャラクターなのかを傷口に染みるようにわかりやすく説明する。
冒頭のランダ大佐の尋問は典型的だ。
じわじわと核心へ迫っていく無駄の無い言葉は、
彼がどんなに知性的で野心的で残忍でいやらしいかを教えてくれる。
カンヌ映画祭で主演賞受賞のクリストフ・ヴァルツ、
今年見た映画の人物で 「上司にしたくない人物No.1」 だ。
■必ず数人融通の効かない分からず屋というか、
柔軟性ないかっちりした性格のクレージーが登場する。
恐ろしいくらいおかしな方向に向いているのに、
微塵もブレることない一貫性は気持ちよささえ感じさせる。
この典型は、ピット扮するレイン中尉だ。
死を恐れず、恐怖を感じず、情けなど全くかけない。
ただナチス殺戮のためにユダヤのために邁進する。
今までの史実とはまるで逆のユダヤによるナチスいじめ。
彼らの行為は美化されること無く蛮行として描かれる。
スタイリッシュでは有れど、
けっして彼らの暴力を正当化しないところがマトモだと思う。
■構図に凝った画はスタイリッシュでさらに磨きがかかったように美しい。
そんな映像表現にはインパクト溢れる中毒性がある。
気になるということは感性を刺激されたということであり、
眠ってた脳に十分すぎる威嚇射撃を食らわせる。
今回は女性二人の最期が特に印象的だ。
苦悶に倒れるダイアン・クルーガー扮するブリジット。
こんな顔を見せていいのだろうかと心配になるほどの熱演。
またファンデーションをアパッチ・メイク風に乗せるシーン
デヴィット・ボウイの「キャット・ピープル」の音楽との競演がいい。
♪ Putting out fire with gasoline ~♪ という歌詞が、
“ガソリンで(ナチスという)火を消せ!”を暗示し実にユニークだ。
さらに、赤いドレスに身を包み凶弾に倒れる様も美しさが際立つ。
このメラニー・ロランという女優にはすっかり魅せられてしまった。
実際にユダヤ系の彼女の祖父も迫害されたそうだ。
終わって驚いたが2時間半もの長編、全く時間を感じさせない緩みのなさ、
実に見ごたえのある作品だった。
出展忘れてしまったのだが、
「ユダヤの熊」ことイーライ・ロス扮するドノウィッツのバットには
何か文字がたくさん書かれているそうだ。
なんでも戦地に赴く彼にユダヤの敵を取って貰おうと、
ユダヤの人々がその思いをバットに寄せ書きしたという設定らしい。
バスターズでも特に印象的な彼のそんな背景を聞くと、
あの一振り一振りの意味に奥深さを感じてしまった。
この適度に毒を含ませた悪趣味な映画は非常に見ごたえあった。
しかし、その隣で複雑な顔をする彼女には刺激が強すぎたようだ。
相手を選ぶが、ハマればとことん見ごたえがある。
やはり、オレはこういうギリギリのブラック・ユーモアな刺激に弱い。
しかし、最後までマイク・マイヤーズに気づかなかったよ 2500円
あの人まで死んでしまう、タランティーノの騙し討ち
しゃがれた音の「アラモ」のテーマと、往年の西部劇が使いそうな字体を使ったオープニングだが、騙されてはいけない。哀愁のかけらもなく、マカロニ・ウエスタンのごとき第1章が始まる。そもそも、予告篇からして騙し討ちである。予告篇からはグロいカットが除去され、いかにも脳天気なコメディーを装っていたではないか。
ではリアルな戦争映画かといえば、そうではない。まったくといっていいほど、前線の撃ち合いなど出てこない。むしろ戦争の裏舞台で行われる、米軍、ナチ、ユダヤ人三者による追いつ追われつの狩を、ドタバタに描いてみせた作品だ。史実を逸脱しながらも、静々(意外におとなしい展開なのだ)と盛り上がる復讐劇は、一点の終結へと向かう。残虐なナチも戦争が終わって軍服を脱いでしまえば、一般民衆に紛れてただの人。それを許さない確固たる意志が存在する。だから、「お金を返す」と言われたからって第3章で出てはならない。
クリストフ・ヴァルツ演じるランダ大佐は、非情な悪人だが、どこか憎めない魅力があり、彼こそこの作品の本当の主役だ。ショシャナを演じたメラニー・ロランも魅力的だ。
見終わった直後:★2つ、一晩たって★3つ、もう一晩すぎたら★4つ・・・てな作品。
タラ、最高!
腹抱えて笑わせていただきました。
パルプ・フィクションを思い出させる延々と続く緊迫した会話。けれん味のないバイオレンスシーン。魅力あふれる俳優陣。映画は楽しくなくちゃという彼のメッセージがたっぷり詰まった快作です。
冒頭から始まり、何度か続く、タランティーノ流緊迫した会話で見るものの手に汗を握らせる手法。まじで心臓ばくばくです。その恐怖感をあおるのがナチという実在した世界最強の悪の集団。そして、なかでも演技が際立っているのがクリストフ・ワルツ。数ヶ国語を自在に操り演技をするすごい俳優さんでした。
このクリストフ・ワルツ演じるSSをはじめ、今回の登場キャラはみんな個性的。最高だったのはバスターズの面々。いいも悪いもクリシェを詰め込んだキャラたちです。アメリカといったら野球ですが、ホステルでは監督業まで勤めたイーライ・ロスが今回、ナチを恐怖に陥れるバットで殴り殺す熊男役。そして、レッド・ネックの南部訛りとアメリカ先住民族の血を引いたユダヤ人でナチ嫌いというめちゃくちゃな設定のブラッド・ピット。特にブラッド・ピットのレッド・ネック振りが最高でした。(実は、彼、南部出身なんですね。)
こっからはまったくの個人的意見です。タランティーノは意識したのかどうかわかりませんが、今年のワーストに入るであろうもう一つのナチ映画「○ルキューレ」に対するアンサームービー的に感じました。ナチにもいい人間はいるといい続け、史実に基づき当然ヒトラーは生き続けたナチの映画でしたが、「ヒトラー?史実?関係ねー。これは映画なんだ。悪は滅びないと楽しくないんだよ!ナチにいいやつなんているわきゃねー。どりゃー、ドドドドドド(銃声)」というタランティーノのメッセージが聞こえてきそうな映画でした。
ナチ側にいた日本人にはアメリカ人のナチに対する激しい憎悪と反感はなかなか理解できないかもしれませんが、そんなことを抜きに頭空っぽにして楽しむことをお勧めします。
タマにはこんなのも
マカロニ育ちの私にもちょっとグロかった。
モロに見せなくても分かるのに。
歳をとると、また最近あまりグロいのないので。
妻にはやばいと思い、一人で行って正解です。
血湧き肉躍ると言うより、ねちこさがこの監督の身上ですね。
正体がばれたり、ばれそうになるシーンが各章にあり
スリル満点。
すべての過去の映画を知っている訳ではないけど、
大脱走と荒野の1ドル銀貨を思い出しました。
最後のオチは面白かったので合格です。
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