オープニングの近現代日本らしからぬ軍人による民間人虐殺描写には何が始まるのか怪訝さと共に期待も高まった。と同時に手塚治虫原作というクレジットには「果て、何が元だろう?」と記憶をまさぐるが全然思いつかない。(←結局最後までわからず、視聴後調査で同名漫画があったと知る)
次いで台湾か上海か向こうのロケ地での誘拐劇、ここで主役玉木宏君が登場するわけだが頬がげっそりこけてまるで「やせカマキリ」。まぁそれはいいとして、早くも粗さが露呈してしまう。
玉木君がホテル出口で警官を殴り倒すがそのアクションがもっさりでまるでダメ。
石橋凌刑事が彼を追跡するが、石橋さんの体が重そうで無理あり過ぎ。案の定切れの良いチェイスとは全然ならず。
カメラワークも細かいカットの刻みを入れたり工夫を凝らすも、切れある演技指導ができないが故の誤魔化しとしか感じ取れなかったのは痛恨。結局最後までぬるい演技とうるさい映像操作、そして耳障りな鬱陶しい音楽に悩まされることになる。
これ以上ネガ点を書き連ねるのはこちらもしんどいので、本作の締まりのなさを招いた元凶を考察するならやはり監督に行き着くのかなと。
あまり聞いたことのない名前だったが視聴後に調べたら本職はテレビディレクターさんみたい。長編映画としては本作が2作目で本作以後は長編映画は無し。
どうりでゆるゆるテレビドラマ的雰囲気が支配的だったわけだ。
言っては悪いが、本作の様な壮大な国家危機アクションサスペンスを描く手腕が監督には備わっていなかったということなのかもしれない。
一本調子の玉木君には心底がっかりしてしまったが、ほかの作品に期待しましょう。
※ノダメの時はそれでよかったけれど・・
後、少なからずがっくりしてしまったのが序盤の人質役:小松彩夏。ちょい役とはいえあの素人丸出し演技にOKが出されたことで、本作の「凡作路線」が既定路線化してしまったと確信できてたのは残念でしたね。←それもこれも全部監督のせい(笑
げっそり見疲れしてしまったので総評マイナス一つ星
2008-2