劇場公開日 2009年4月25日

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レイン・フォール 雨の牙 : 特集

2009年4月22日更新


椎名桔平、長谷川京子、そしてゲイリー・オールドマン共演! 東京で暗躍する孤独な暗殺者の戦いを描いた海外ベストセラーを、国境を越えたスタッフによって映画化した「レイン・フォール/雨の牙」。日本映画でありながら、従来の日本映画の常識をまったく飛び越えた同作の注目ポイントを解説する。(文・構成:村上健一

「レイン・フォール/雨の牙」が日本映画の枠を超えた日本映画である由縁

東京の街そのものも、本作の大きな見どころ
東京の街そのものも、本作の大きな見どころ

■<東京>での壮大なロケが生むリアリティ

孤独な暗殺者の“守る”戦いを描く「レイン・フォール/雨の牙」。そのもうひとつの主役が、<東京>という街そのものである。

発端となる事件が発生するのはりんかい線
発端となる事件が発生するのはりんかい線

秋葉原、有楽町、汐留、りんかい線、旧千代田区役所、成田空港など、ロケで訪れたのは実に東京近郊の35カ所。追っ手を逃れ、ジョンとみどりが雑踏の中を駆け抜ける秋葉原、ジョンの後をホルツァーが追う有楽町、そして冒頭でジョンが決行する尾行~暗殺までの一連のシークエンスは、りんかい線の満員電車内……。私たちが暮らす<東京>で繰り広げられるからこそ、本作で描かれるサスペンスは、圧倒的なリアリティを持って迫ってくる。

そして、監督・脚本のマックス・マニックスをはじめ、撮影監督ら主要スタッフはほとんどが外国人。“異邦人”である彼らの目線で切り取られた<東京>は、「ブラック・レイン」や「ロスト・イン・トランスレーション」で描かれたように、同じ場所でありながら、明らかに私たちが知る街とは異なった魅力を放っている。

■日本映画初出演の英国名優ゲイリー・オールドマン

ゲイリー・オールドマンはさすがの存在感
ゲイリー・オールドマンはさすがの存在感

ある秘密をめぐり、暗殺者ジョン・レインの後を執拗に追い続けるCIA日本支局長ウィリアム・ホルツァーを演じるのは、「レオン」「ダークナイト」のゲイリー・オールドマン。狂気に満ちたエキセントリックな悪役をやらせたら随一の英国の実力派俳優が、待望の日本映画初出演を果たした。

クセのある役柄で知られる椎名桔平も、「独特の世界観、味を持った俳優であり、若いころから憧れていた」と語る存在。オールドマンの出演が作品に重厚さをもたらし、ホルツァー(CIA)とジョンの追跡劇にさらなる緊張感が増したのは言うまでもない。

■主人公ジョン・レインのキャラクター設定

日系アメリカ人であり、元米軍特殊部隊員。銃器はもとより、格闘術にもズバ抜けた能力を持つ暗殺者――CIAに追われるという点でも、ジョン・レインと「ボーン・アイデンティティー」シリーズの主人公ジェイソン・ボーンとの共通点は多い。

リアルな格闘戦も随所に
リアルな格闘戦も随所に

ボーン」以降、よりリアリティを求められるようになったアクション映画において、「ジョンの動きや視線は、すべてその後の行動に繋がっている」と語った椎名は、ボーンも駆使するイスラエル式の護身術「クラブマガ」をマスター。ヒジやヒザを用い、最小限の動きで相手を沈黙させる見事な技を披露するほか、守るべき女性との逃避行の中で芽生える孤独な戦士の苦悩を表現するなど、魅力的なキャラクターを作り上げている。

■日本をよく知る海外の実力派スタッフ

監督と脚本を務めたのは、黒沢清監督作「トウキョウソナタ」の脚本で高い評価を集めたオーストラリア出身の新鋭マックス・マニックス。02年にスタートしたバリー・アイスラーによるベストセラーシリーズの第1作「雨の牙」を、幻想的な<東京>の街並みとスリリングな展開で見事に映像化した。

その原作者アイスラーは、元CIAの戦略スタッフという経歴の持ち主。長期の日本滞在経験を持つ原作者と監督・脚本家、彼らによって描かれる<東京>の物語は、従来の日本映画の常識をはるかに超え、まったく新しい“日本映画”として、私たちの目の前に現れるに違いない。

>>マックス・マニックス監督インタビュー(次ページへ)

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公式サイトでオリジナルゲームが展開中
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