ウォンテッド : インタビュー
「ナルニア国物語」の人気キャラ、タムナスさんで世界的な知名度を獲得した後は、「ラストキング・オブ・スコットランド」「つぐない」など賞レースでも話題の映画に出演してきたジェームズ・マカボイ。そんな彼の最新作は、意外にもハリウッド製アクション大作「ウォンテッド」。アンジェリーナ・ジョリー演じるセクシーな暗殺者フォックスに振り回されながらも、たくましく成長していく青年ウェスリーに扮した。本作のPRのため来日したマカボイに、本作出演の感想を聞いてみた。(取材・文:編集部)
ジェームズ・マカボイ インタビュー
「こういう映画に出るなんて、僕にとっても驚きだったよ」
――「ウォンテッド」はVFX満載のアクション大作ですが、現場で驚いたことは?
「僕も一応、『ナルニア国』とか『バンド・オブ・ブラザース』といった作品で大作の経験は少しはあるからね……役は小さかったけど(笑)。なので、大作の現場の雰囲気や流れってのはなんとなくわかっていて、心の準備はできていた。でも結局、俳優にとっては映画の予算が2億ドルだろうと500万ドルだろうと、あまり変わらないんだ。どんな現場でもミスをする時はするしね。俳優は映画のスケールに振り回されることはあまりないよ」
――あなたがこうしたアクション映画に出演するというのは、意外で新鮮でした。
「僕にとっても驚きだったよ(笑)。でも、いつもと違うからこそ、やりたいと思ったんだ。ジャンルも違うし、キャラクターも今まで演じてきたものとは違うから新鮮味があった。それに、僕はいつも何かしら学べる仕事がしたいんだ。この映画で新しいことを学ぶことで自分を伸ばすことができるし、役の幅も広げられると思ったんだ」
――アクション映画はもともと好きですか?
「うん。良いアクション映画は好きだよ。でも、バッドなアクション映画ほどひどいものはないよね(笑)。そういうのはダメだけど、良く作られているものは好きだよ」
――具体的には?
「『ボーン・アイデンティティー』と『007』のシリーズは好きだよ。あとは……うーん、すぐには出てこないけど、そのくらいかな」
――この映画には斬新なアクションシーンがたくさんあり、監督はテスト用にアニメーションを作ったそうですが、その映像を見せてもらったり、参考にしたりはしましたか?
「もちろん見たよ。参考にはなったけど、そのアニメーションを見せてくれたのは撮影に入る1年前。ティムールはとにかく才能のある監督だから、そこからどんどん新しいアイデアが出て、どんどん変わっていった。撮影中も変わるし、ポストプロダクションの時にも変化していった。結局、最初に見たアニメーションと出来上がった映画は、全然違うものになってるよ。でも、それが彼の才能の素晴らしさだ。CGのスタッフは『アーティスティックなものに変貌していくのはとても楽しかったけど、どんどん変えていかなきゃいけないから大変だった』と言ってた(笑)。でも、それが監督の強みさ。とにかくアイデアが面白いんだ」
――続編製作が決定し、監督もやると言っていましたが、あなたは?
「まだシナリオもないし、実際にいつやるのかもわからない。ウェスリーが生き残っているかもわかんないしね(笑)。僕としてはもちろん残ってほしいけど。監督とは続編のことは何も話してないんだ。だから正直なところはわからない。だから具体的に話が出てくるまでは、出るとか出ないとかはいえないよ」
――ところで、「ロード・オブ・ザ・リング」前章の「ホビット」に出演するという噂というか、出てほしいというファンの希望の声があがっていますが。
「あれは噂だよ。(ファンが)そう思ってくれているのはうれしいけどね」
――実際に話がきたらやりたいですか?
「そりゃあ、考えるよ。それに基本的にあまり仕事は断らない。次から次に仕事がもらえるのはありがたいことだからね」