モンタナの風に抱かれて

劇場公開日:

解説

雄大なモンタナの大自然を舞台に、傷ついた少女と馬の癒しと再生、男と女の切ない愛の交わりを、美しい映像で綴っていくドラマ。監督・製作・主演はハリウッドを代表する名優ロバート・レッドフォード。「クイズ・ショウ」に続き、これが監督第5作目となる。共同製作はパトリック・マーキー。製作総指揮はレイチェル・フェファー。脚本は「ポストマン」のエリック・ロスと、「フィッシャー・キング」「マディソン郡の橋」のリチャード・ラグラヴェニーズ。原作はニコラス・エヴァンスのベストセラー小説。撮影はオリヴァー・ストーン作品で知られるロバート・リチャードソン。音楽は「ショーシャンクの空に」のトーマス・ニューマン。美術はジョン・ハットマン。編集はトム・ロルフ。衣裳はジュディ・L・ラスキン。共演は「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス、「ホーム・アローン3」のスカーレット・ヨハンソン、「スノーホワイト」のサム・ニール、「バードケージ」のダイアン・ウィースト、「大いなる遺産」のクリス・クーパーほか。98年キネマ旬報ベスト・テン第9位。

1998年製作/167分/アメリカ
原題または英題:The Horse Whisperer
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
劇場公開日:1998年10月17日

ストーリー

13歳の少女グレース(スカーレット・ヨハンソン)は乗馬中に巻き込まれた事故で親友と右足を失い、人生に深く絶望していた。また彼女の愛馬ピルグリムも、事故のショックで人間になつかない暴れ馬になっていた。ニューヨークで雑誌編集長として活躍しているグレースの母親アニー(クリスティン・スコット・トーマス)は、娘の心を回復させるにはピルグリムの全快が必要だと考え、モンタナで馬専門のクリニックを開業しているトム・ブッカー(ロバート・レッドフォード)の元へ、弁護士の夫ロバート(サム・ニール)をひとりニューヨークに残し、グレースとピルグリムを連れてトレーラーで旅立った。トムはアニーの強引な態度に呆れるが、グレースが協力するならばという条件つきでピルグリムの治療を引き受ける。トムの自然に逆らわない優しく誠実な治療法により、ピルグリムは徐々に回復し、グレースも少しずつ笑顔を取り戻していった。そしてアニーはトムに、またトムもアニーに、心惹かれはじめる。そんな時、アニーに会社から解雇命令が届いた。トムに恋していたアニーは、意外にも全くショックはなかった。あるキャンプの夜、ふたりはキスを交わすことになる。だがしばらくして、ロバートがニューヨークからやって来た。ロバートはすっかり元気になった娘の姿を見て、トムに心から感謝するが、アニーはそんな夫を見ているのがつらかった。やがてピルグリムはグレースを背に乗せ、歩けるまでに回復する。そろそろモンタナを去る時が来たようだ。ロバートはアニーのトムに対する感情に気づいており、すべてを彼女の決断にまかせることにした。アニーは悩んだあげく、恋心を引きずったまま、それでも夫と共にニューヨークに帰っていくのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第71回 アカデミー賞(1999年)

ノミネート

主題歌賞

第56回 ゴールデングローブ賞(1999年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 ロバート・レッドフォード
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写真:Moviestore Collection/AFLO

映画レビュー

5.0再生の物語に星5個

2024年7月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

ストーリーの軸の、傷ついた少女と馬の再生の物語。もうこの再生の物語だけでじゅうぶんに星5個でした。 少女時代のスカーレット・ヨハンソンの演技が素晴らしいですね。馬の演技も素晴らしかった。 もうひとつのストーリーの軸のラブストーリーはなくてもよかったかな。 モンタナの大自然の映像に癒されました。

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共感した! 2件)
光陽

3.0「普通の人々」での女性像の修復的意味合いの作品だったのだろうか…

2024年7月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この作品は、「L.A.コンフィデンシャル」 「プライベート・ライアン」「タイタニック」 「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」等 の名作や話題作揃いの年に、 キネマ旬報ベストテンで第9位に選出された 作品で未見だったが、 テレビ放映を機に初鑑賞することが出来た。 この映画、 少女とその母親と馬の再生物語風ではある。 しかし、作品の中で、 人間と馬との関係の歴史は語られたが、 この個別のケースにおいて 母親が娘の心の病を治すために、 馬の再生が必要とどう確信したのか。 結果的には良い解決になったものの、 途中での彼女の振る舞いにそうは見えない。 また、雑誌の編集長として 独善的で多忙な人間像を 初めに見せておきながら、 何故、長くその現場から遠ざかる決断が 出来たのか等の疑問を 引き摺ったままの鑑賞となったことが、 逆にこの作品を、その疑問の解明のためにと 飽きなく観ることが出来たように思う。 しかし、殺されそうになったことで 生じた馬の恐怖心と 娘の事故は別次元であるとの前提が、 この物語への基本的な理解の妨げに なってしまったような気にも。 また、都会のせわしい時間世界と、 地方のゆったりとした時間世界の対比を 描いているようにも感じたが、 牧場の日常を中心とした描写の多い 長い上映時間そのものにも、 そんな意味合いがあったのだろうかと 邪推もしてみたくなる長尺な作品だった。 それでも、 最初で最後になるであろうと思わせた 意識的に身体を寄せ合う二人のダンスシーン は見ていて切なくなった。 人生には、心を通じ合わせながらも 別れざるを得ない関係は 数多くあるだろうが、 続くラストシーンには「マディソン郡の橋」 が思い出された。 立ち去るのは伴侶のある女性の方で 「マディソン…」とは逆ではあったのだが。 さて、同じレッドフォード監督の 「普通の人々」は、家庭問題の原因を 母親一人に押し付けての内容だったが、 ここでは、“母親”として、と言うよりは、 二人の男性との関係のみならず、 娘との関係においても “女性”としてと、その視点を移して 家庭問題を描いていたように感じる。 他の男性への心の揺らぎを気付き、 妻の最終判断を諭す夫。 また、惹かれ合いながらも、 伴侶もあり別れた妻と同じ都会的な匂いの 女性であることに悩んだのであろう結果、 慎重な判断を彼女に諭す牧場の男。 そんな中、少女の母親は、 冒頭では、「普通の人々」と同じ 独善的な人間性として描かれていたが、 最終的には、 少女や馬の再生の影響もあってか、 二人の男性の諭しを受け止めることの出来る “女性”として再生を遂げていた。 レッドフォード監督は「普通の人々」で 描いた女性像を修復する意味合いも込めて、 この作品を製作したのだろうか。

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KENZO一級建築士事務所

4.0馬は演技してるのか、と思わせるくらい撮り方が上手い

2024年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

こういう映画は観たこと無かった。馬と少女を襲った瀕死の苦難と、再生の物語。 少女を守るために死にかけた馬と、目に前で友の死を見た少女、 ともに、心と体に受けた傷は、深い。 それをロバートレッドフォード扮する主人公が、少しずつ癒していく。 その再生を主題にすればいいのだが、老いらくの恋にも焦点が当たりだし、 ラストは、そっちの話で終わる。それが自分には、マイナスポイントだった。 全体的にいい話なのに。

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藤崎敬太

4.5抱かれたかった 優しい腕の中で

2024年6月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

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こころ