眺めのいい部屋
劇場公開日 2012年10月27日
解説
E・M・フォースター原作の同名小説をイギリスの名匠ジェームズ・アイボリー監督が映画化した恋愛ドラマ。まだ封建的な思想が強かった20世紀初頭。フィレンツェを訪れたイギリス名家の令嬢ルーシーは、ホテルの“眺めのいい部屋”を譲ってくれた青年ジョージから情熱的なアプローチを受ける。だが、階級や身分の違いを気にしたルーシーはジョージの思いを受け入れずに、イギリスに帰国。貴族の青年セシルと婚約するが……。出演はヘレナ・ボナム・カーター、ジュリアン・サンズ、ダニエル・デイ=ルイス。2012年、デジタルリマスター版でリバイバル。
1986年製作/117分/イギリス
原題:A Room with a View
配給:アンプラグド
日本初公開:1987年
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2021年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ー 令嬢ルーシー(ヘレナ・ボーナム=カーター:後年の役しか知らなかったので、美しさにビックリ)は、付き添い婦シャローット(マギー・スミス:ウーン、イギリスだなあ・・)を連れてフィレンツェへ旅行。
しかし、せっかく予約していた部屋には窓が無くて・・。
居合わせたエマソン親子(息子:ジョージ)が快く、部屋の交換を申し出て・・。ー
◆感想
・出演者が、主義思想はやや違えど、皆、善人である。
・今にして思うと、ルーシーの婚約者になった、やや気障なセシルをダニエル・デイ=ルイスが演じていたり(最初、気づかず・・。)
奔放だが、優しきジョージをジュリアン・サンズが演じていたり、
小説家のエリナーをジュディ・デンチが演じていたり・・。
現代では、英国俳優の重鎮達が、多数出演しているのも嬉しい限り。
・女性達の衣装や、意匠も、この作品の良き趣を醸し出している。
<今作品の公開が2012年というのも、驚く。10年前ではないか・・。
何故に、私はこの作品を観なかったのか。
原作を読んでいた事が、原因であると思われるが、見ておけば良かったなあ。
気品あふれる、一人の女性の自立していく心の変遷を描いた、正統的英国恋愛映画である。>
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冒頭、プッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」から「私の優しいお父さん」が流れるが、まさにこの映画にぴったりの曲という感じだ。それもそのはず、「ジャンニ・スキッキ」の舞台はこのシーンと同じフィレンツェだった。
フィレンツェやイギリスの田舎が実に美しく描かれており、まるで印象派の絵画のようであるし、クイーンズイングリッシュの響きも綺麗だ。デビュー間もないヘレンボナムカーターも新鮮でいい演技をしている。
物語は、簡単に言えば三角関係であるが、深刻さはなくどことなくユーモラスでさえあるともいえる。多分ハッピーエンドになると想像できるので、安心して見ていられる。なので、あとは映像の綺麗さ、音楽、登場人物の台詞をじっくり味わえる。
最初と最後が同じホテルの食事のシーンというのも心憎い演出だ。しかも、ある親子の会話が、窓からの眺めが良くないということで、最初の主人公の会話と同じだったのが笑える。ただ、今度は部屋はチェンジしてやらなかった。新婚旅行だったし、彼女の思い出の部屋だったので当然かな。
登場人物がみんないい人だったので、そんなの嘘っぽいという人にはお勧めできないが、見終わったあと、幸せな気分になれる映画です。
一つ気になった点、
みんなでフィレンツェから郊外へ馬車で行くエピソード、牧師が御者(馬車の運転手)の隣に乗っている金髪美人の恋人を途中で下ろさせるシーン、一緒に乗せているくらいならいいが、イチャイチャしてきたので下ろさせたのかもしれないが、ちょっとかわいそうな気がした。もと来た道を歩いて戻りながら、去っていく馬車を悲しそうに一回振り返る。なくても特にストーリーには何ら影響のないシーンだったが、何か意味があったのか?このシーンの冒頭に「御者はイタリア人」という字幕がでる。多分、このような公私混同の行為はイギリス人にとっては考えられないことという意味だったのかな。
2021年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
マギー・スミスの嫌悪感を抱くような好演が素晴らしい。主役はルーシーであるような気がしたのに、イギリスではシャーロットが主演女優賞を獲っている事実に不思議な気分です。牧師とフレディ、ジョージが池で素っ裸で水浴びするシーンがいいですね。
全体的には非常につまらないストーリーです。何故作品賞を獲れたのかもわかりません。確かに俳優陣の演技は素晴らしく、人間関係やそれぞれの心を感じるのですけど、所詮は貴族のお遊びと恋愛要素が強く、働きもしない人たちの人生なんて苦悩の微塵も感じられず、全てが軽すぎます。牧師がもっと庶民的に扱われていたら面白かったかもしれません。
2019年9月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
1回目のフィレンツェは若い頃のひとり旅、安宿で3泊。
2回目は母を伴っていたので、この映画のシチュエーションに近づけてヴェッキオ橋のたもとに投宿。
"眺めのいい部屋"をメールで頼んであったので、ベッドルームの小窓から宮殿の塔やドゥオーモが見えた。
劇中、ハンサムな御者とイチャイチャしていた金髪の娘いましたね⇒ウフィツィ美術館のフィリッポ・リッピの絵画にそっくりな娘を発見!
あと、好きなシーンはルーシーが馬車を止めさせて幌を開けさせる所ですね。つきまとう乳母から独立して脱皮をしようとする印象的な演出です。
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お盆は、フィレンツェはシーズンオフで安いんですよ、意外でしょ?クリスマスが一番高い時期です。
ルネサンスと映画の世界にタイムスリップ。ぜったいオススメです。
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ガイド本は「地球の歩きかた」
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