MASK DE 41 マスク・ド・フォーワン

劇場公開日:

解説

失った家族愛を取り戻すため必死に頑張る中年男が、愛するプロレスに情熱を注ぐことで人生と家族の絆を取り戻していくプロレス・コメディ。監督は、CMディレクターとして活躍する村本天志。主演には、「鉄男」で鮮烈な映画主演デビューを飾って以来、日本映画界きっての個性派俳優として、NHKの『プロジェクトX』ではナレーターとして、そして「アイデン&ティティ」では映画監督をつとめ大活躍の田口トモロヲ。共演に、劇団『大人計画』の松尾スズキをはじめ、筒井真理子、小日向文世、『ラーメンズ』の片桐仁、若手実力派女優として活躍著しい伊藤歩や蒼井優など。完成から3年後の2004年8月に劇場公開となった。

2001年製作/113分/日本
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2004年8月21日

ストーリー

倉持忠男(田口トモロヲ)は41才、自動車会社に勤める平凡なサラリーマンだ。妻恭子(筒井真理子)はフラワーアレンジメントの先生に夢中、長女春子(伊藤歩)は彼氏と家出、次女ハルカ(蒼井優)は遊びに夢中、と家族は崩壊寸前。また、勤務先自動車会社では不景気の中いつリストラされるかと不安な日々を過ごす忠男にとって、プロレス仲間の集まる「カフェアリーナ」で過ごすひとときが唯一の心のオアシスだった。そんなある日、忠男は大学時代に学生プロレスでタッグを組んでいた蛯脇(松尾スズキ)と再会する。次回オリンピック期待の女子アマレス選手であった浜田京子(川津春)をゲット! 彼女を看板に新団体を立ち上げる! と意気込む蛯脇に、忠男は眠っていたプロレス魂を呼び覚まされる。同僚が次々と希望退職していく中、忠男は突然、南アフリカの工場への異動を命じられる。ところが、異動の準備と称して忠男が配属されたのは何もしないことが仕事という自主退職を迫るための部署だった。社にとって、自分の存在がいかに小さなものかを思い知った忠男は、家族には内緒で会社を辞め、退職金で蛯脇と共に新団体を興そうと決意する。蛯脇がかつてスタッフとして所属した団体から、夫婦レスラーのレッド&ピンク・ファルコンやパンク・リーらを呼び寄せ、いよいよ浜田京子の試合をメインとして派手派手しくデビュー戦を飾ろうと画策していた矢先、よりによって蛯脇が浜田京子を妊娠させてしまう。集まっていた仲間は一気に離散し、新団体の夢は跡形も無く消える。意気消沈した忠男に追い討ちをかけるように、事情を知った家族は忠男に冷たく当たる。恭子は分かれた夫にお金の相談を持ちかけ、これまでもちぐはぐだった忠男と恭子の仲はますます悪化する。そんな忠男の前に、前妻、麻美(内田春菊)との子である光雄(黒田勇樹)が、高校を中退しメキシコにプロレス留学すると告げにきた。呆然とする忠生に、光雄は忠男が学生時代につけていた「マスク・ド・小鉄」のマスクを手渡し、忠男自身も息子の勇姿に再びプロレス魂を揺り動かされ、団体を再起させようと決意する。「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ行けば分かるさ」尊敬するアントニオ猪木の言葉を胸に抱き、まるで人が変わったように新団体設立のため東奔西走する忠男。そんな忠男を全く理解できない家族。一家崩壊の危機の中、思いがけずメキシコから、伝説のレスラー「サル・ワスカラス」を招聘することに成功。旗揚げ興行に全てを賭けることになった。ところが旗揚げ興行当日、とんでもないことが起こってしまった。荷物搬入車を運転していた蛯脇が、なんとワスカラスを轢いてしまったのだ!…すべてが崩れ去ろうとしたその瞬間、おもむろに上半身裸となった忠男が黙々とスクワットを始めた。「まさか…マスク・ド・小鉄!」。全員が息をのんで見守る中、ついにゴングが鳴った!

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0昭和のプロレス

2020年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 最近のプロレスはさっぱりわからないけど、イノキ、馬場がわかればこの映画を楽しむことができる。松尾スズキの怪演も光るところだ。「やっとつかんだ暇つぶしよ!」という筒井真理子の台詞がいい!

 トモロヲの携帯の着メロがクリエイションの「スピニング・トゥ・ホールド」。これはザ・ファンクスの登場テーマだった。ミル・マスカラスのフライイング・ボディアタックのイメージビデオにて登場シーンを決意するシーンは最高!なんといっても、オールド・プロレス・ファンへのサービスが満点なのである。「平成のガキにわかってたまるか!」と言ってる気がするのだ。

 伝説の400試合全敗のマスク・ド・コテツがリングネームなのではなく、サル・ワスカラスがリングネームなのだ(しかも代役)。マスクが脱げるシーンのスローモーションは何気にかっこよい。「僕のプランチャー受けてください」という言葉もいい。

 かつてのプロレスヲタク魂をくすぐるような作品ではあるが、リストラ男の悲哀はそれほど感じることもできず、笑うしかなかったことをお許しください。ラストの「京子コール」も最高だった。

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kossy

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