ピーピー兄弟

劇場公開日:

解説

放送禁止用語を連発する過激な下ネタで人気者となった兄弟漫才コンビが巻き起こす騒動を描く、大阪を舞台にした人情コメディ。監督・脚本は、サントリーのコピーライター出身で本作で1998年度サンダンス/NHK国際映像作家賞を受賞した藤田芳康。出演は「大阪物語」の剣太郎セガール、コメディアンのぜんじろう、「鬼が来た!」の香川照之、「さゞなみ」の岸部一徳。

2002年製作/102分/R15+/日本
原題または英題:ピーピー兄弟
配給:シネカノン
劇場公開日:2002年3月30日

ストーリー

大阪・十三のストリップ小屋で、ステージに立つ兄弟漫才コンビ“タツオ・イクオ”。小柄でメガネの兄のイクオ(ぜんじろう)と、巨根で男前のタツオ(剣太郎セガール)は、金がなくなれば両親(岸部一徳・田中裕子)の経営する葬儀屋でバイトをしながら日本一の漫才師を目指していた。ある日客からの野次にぶち切れたタツオが過激な下ネタを連発すると、それが大受け。客席にいたテレビ・ディレクター有沢(香川照之)にスカウトされ、テレビに出演する。過激すぎてネタがすべて“ピー音”で消される“タツオ・イクオ”は、一躍お茶の間の人気者に。新ネタとして考えたのは、タツオが女をナンパしてイクオがそれをのぞいてネタを作る実録ポルノ漫才だった。実はセックス恐怖症で童貞だったタツオはこれで女にめざめ、実録ポルノ漫才は大成功。イクオは憧れだった女性・文江と結ばれ、すべてが絶好調に。しかし有沢はもっと“ピー音”を増やすネタを作るよう要求し、ふたりの漫才がタツオの実体験を元にしたものだとテレビでばらしてしまう。ショックを受けた文江はイクオに実録をやめるよう懇願し、ナンパをしようにももはやどの女も引っかからない。有沢との取引でこれが最後と決めたイクオは、女を誘ったタツオから連絡を受け現場へ向かう。だが部屋をのぞくと、タツオに抱かれていたのは文江だった。本番の日、イクオは今まで弟に抱いていた鬱積した気持ちをステージ上でぶつけ「お前なんか大嫌いじゃ!」と叫ぶ。そして有沢にだまされていたことに気づいたふたりは編集室に乱入し、生放送で放送禁止用語を絶叫。こうして“タツオ・イクオ”のテレビ界でのキャリアは終わった。それ以来タツオは姿を消し、イクオは文江と結婚して葬儀屋を継いで働くものの、どこか精彩がない。文江はイクオを連れて旅に出て、各地で“夫婦漫才”を披露するようになる。旅から戻ったふたりは地元のお祭りの演芸ステージに立ち、陰から見学していたタツオを引き込んで三人で漫才をするのだった。

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