ルパン三世 風魔一族の陰謀

劇場公開日:

解説

墨縄家の家宝をめぐるルパン三世と風魔一族の戦いを描くアニメーション。「ルパン三世」シリーズの第四作。モンキー・パンチ原作の映画化で、脚本は「スタア」の内藤誠が執筆。監修は「ルパン三世 カリオストロの城」の作画監督・大塚康生、監督は大関雅幸、作画監督は「続・名探偵ホームズ」の第二話「ドーバー海峡の大空中戦」の友永和秀がそれぞれ担当。

1987年製作/73分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1987年12月18日

ストーリー

秋、紅葉の美しい神社の境内で石川五右エ門の結婚式が行われようとしていた。花嫁は飛騨に住む墨縄家の孫娘・紫。ルパン、次元、不二子の三人も参列している。古来の儀式にのっとり、墨縄家伝来の家宝の壷が取り出されようとしたとき、何者かに壷を奪われた。慌てて取り返したものの、今度は紫を連れ去られてしまった。そして「娘を返してほしければ、壷を持ってこい」という。ルパンたちはそれほどまでに狙らわれる壷に興味をもったが、墨縄老人がその秘密を話してくれた。墨縄一族は400年も前の昔からからくり仕掛けで知られた名門で、一族の莫大な財宝もまたからくりによって地下深く隠してあるという。そして当時から盗賊集団・風魔一族が、その財宝を狙っているのだ。墨縄老人は「財宝を渡すわけにはいかないので、紫のことはあきらめてくれ」といい、五右エ門は苦悩する。しかし、ルパンは早々と行動を開始した。その頃、ルパンを死んだものと思い込み頭を丸めて山寺にこもっていた銭形警部は、日々読経に明け暮れていた。しかし、本庁の新任刑事・風見から「ルパンは生きている」と報告を聞き、再びルパンを逮捕するため飛騨へ向かった。深夜、SLの操車場ではルパンたちが風魔一族と対決していた。しかし、紫を取り返したところで銭形警部の邪魔が入り、また壷は風魔の手に渡ってしまった。おまけに風魔のアジトを内偵していた不二子まで捕まってしまった。ルパンたちは財宝を風魔に渡してはなるものかと、決着をつけるべく山へと向かった。洞窟には墨縄一族が仕掛けたからくり城があり、そこで財宝は長い間守り続けられてきた。風魔一族、ルパンたち、そして銭形警部ら警察の三つ巴の争いがからくり城を舞台に繰りひろげられた。

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映画レビュー

4.0アラレは走れ タロさは転がれ

2024年11月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

監督は『銀河鉄道999』『地球へ・・・』で助監督を務めた大関雅幸
脚本は『悪女かまきり』『アイコ十六歳』『女猫(1983)』『廃市』『菩提樹 リンデンバウム』の内藤誠

粗筋
岐阜飛騨の山奥で祝言をする石川五右衛門
お相手は地元名士墨縄家の孫娘紫
墨縄家の家宝の壺には宝の地図が
岐阜錫杖岳の洞穴の奥に風魔一族の財宝が眠っている
それは黄金の城
古くは風魔は北条家に使えた忍びの者たち
ルパン一味も風魔一族の末裔もその財宝を狙っていた
ルパンを逮捕したい銭形警部ら警察も絡むドタバタアドベンチャー

エンドクレジット無し
オープニングクレジット

公開当時は声優陣がガラッと交代
ファンには概ね大不評
アニメオタクは今も昔も大多数が頭が硬い
詳しくは知りたくもないがおそらく旧声優陣と制作者側のギャラを巡る対立があったのだろう
山田康雄らに敬意を表してベストではないが彼は文句なくベターだ
古川登志夫銀河万丈塩沢兼人小山茉美加藤精三
まさしくレジェンド
オールスターキャスト
これはこれで素晴らしい
だってみんな名優だよ
今の若手で彼らに混じって遜色ないのは沢城みゆきくらい

ニュールパン三世のレギュラーメンバーを演じた5人の声当てが当然のことだろうけどキャラにかなり寄せていた
特に銀河万丈の次元大介がハマっていた
あと黄金の城にご対面したときのやたらハイテンションの峰不二子を演じた小山茉美はあのシーンだけに限ってみれば増山江威子や二階堂有希子を凌ぐ演技力

アニメのクオリティーが高い
それに引き換えウマ娘ときたら
アニメはもっともっと自由に大胆に表現しないといけない
それをこの作品は体現している
ファンタスティック!

見所はカーチェイス
特に温泉地のハチャメチャぶり
方向性としてはドリフの母ちゃんコント

海上の船の爆発事故でルパンが亡くなったと思い込んだ銭形は頭を丸め坊主になった
ルパンが成仏できるよう日々念仏を唱えている
面白いけどこの設定いらない気もする
省くと必要な尺に足りなくなるだからだろうか

声の配役
ルパン三世に古川登志夫
次元大介に銀河万丈
石川五ェ門に塩沢兼人
峰不二子に小山茉美
銭形警部に加藤精三
五右衛門の許嫁になった墨縄紫に荘真由美
紫の祖父の墨縄老人に宮内幸平
風魔一族のボスに広瀬正志
風魔一族だがルパン担当刑事として警察に潜り込む風見に千葉繁
風魔一族のガクシャに中原茂
隊長に島香裕
警官Aに小出和明
警官Bに山寺宏一
警官Cに西村智博
風魔Aに目黒裕一
風魔Bに橋本晃一
風魔Cに桜井敏治
風魔Dに坂東耕一郎
奥さんに江森浩子
男の子に小粥よう子
女の子に神代智恵
女に矢崎えりい

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野川新栄

2.0いまにして思えばささいなこと

2024年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

ルパン=山田康雄だった時代、これほど役と役者がピッタリとはまった例も少なく、彼が亡くなった後は当然シリーズの存続に関わる大きな曲がり角を迎えることになる。

その7年前、まだまだ彼がバリバリに現役だったころに、一度ルパン一味を総とっかえしたことがある。まあ、かなり不評だったのだが、作品の出来不出来というよりも、やはり、慣れ親しんだルパンの声と違うことに、どうしても違和感が抜けなかったのだろう。

この作品は、そういう不幸な経歴をたどった一本で、再評価されることもなく、埋もれていくようだ。

『刑事コロンボ』も、小池朝雄さんが亡くなった時に、しばらくシリーズが頓挫してしまったが、2代目コロンボの石田太郎さんも良くはまっていたと思う。こちらは、「声が違う」という拒絶反応にはならなかった。

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うそつきかもめ

3.5五右衛門の結婚式

2023年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

興奮

五右衛門の結婚式にはルパン、次元、不二子も列席していた。
花嫁の家宝をお披露目しようとしたとき、風魔一族が奪いに来る。
家宝は守ったものの、花嫁が一族に拉致されてしまい・・・。
銭形はルパンがいないと生きていけないようだ。

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いやよセブン

5.0五右衛門紫変化

2023年10月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

どうも本日19時より本作がBSで放映されるらしい。
「は?なんで今頃?」
という驚きと共に一足お先にレビューを上げてしまおう。

個人的にはバビロンの黄金伝説と本作だけが劇場鑑賞したルパン三世作品だ。
タイトルは「五右衛門紫変化」だったはずだが映画館に行ったら「風魔一族の陰謀」に変わっていた。まぁ、こんなところも七変化な本作であるw

自分は「ルパン三世」という作品の大ファンだと自認しているが、現在だともはやオールドファンという事になってしまうのだろう。
初めてルパンを観たのはTVアニメpart2。世界観に魅了され、続けてpart1の再放送を視聴。その後は古本屋を探しまくっては原作コミックスを買い漁った。
定価で買える小遣いなど持ってなかったし、一般的な書店で見かけた事もなかった。「新ルパン」はまだ綺麗な状態が多かったが1967〜69年の本家本元はカバー欠損の方が多い。でも足を棒にして根性で揃えた。(ルパン小僧やパンドラも買ったw)
1982年に出た双葉社のムック本5冊は(旧part1・2の2巻、新は上中下の3巻)今でも美品状態で大切な宝物だ。
旧ルパン(TV.part1)新ルパン(TV.part2)の全ストーリーと詳細な設定資料集の構成になっている。
(「7番目の橋が落ちる時」のP38ショートリコイルについても言及されている♪)これを見てブローニング1910のモデルガン購入
成人後はPALL MALLを嗜みZENITHのクロノグラフを買ったw

だが、東京ムービーがSEGAに吸収・解散されたあとはTVスペシャルも「いつまでやるの、これ?」という気分になりロシアより愛を込めて以降はもう見ていない。
自分の大切な宝物が身体中チューブだらけにされたまま命を引き伸ばされてるような気がして許容し難いんだな。(まさか平成が終わるまで続くとは思わなかった)

さて、本作である。
ルパン三世という作品のOVA化、ひいてはTVスペシャル化に繋がる過渡期の試験的作品と言える。
この時代、ルパンファンは「カリ城派」と「アンチカリ城派(原作漫画&part1尊重派)」に2極化していたように思う。
コミカル路線を取り入れたpart2派はカリ城の許容率も高いが、純ハードボイルド裏社会系の原作&part1派の多くはカリ城に違和感を示した。
かく言う私もアンチカリ城派。
part2は好きだが、アルバトロスとさらば愛しき〜にはめちゃくちゃ違和感を覚えた。小学生だったから尚更で、大好きなルパンが大人達の事情で何か別物に変えられてしまうのではないか?と危惧したものだ。

そんな中、part3、バビロン、そしてこの風魔一族は「part1でも2でもカリ城でもないこれからのルパン」を創ろうとしての苦心惨憺の試行錯誤が見てとれる。

1番の話題は声優陣の一新だが、私は非常に納得&好感をもって受け入れられた。
1本、芯はあるがカル〜イ男の代表選手・諸星あたる。
元腕利き諜報員の魅力的美女・レミー島田(アラレちゃんだけどw)
昭和のガンコ親父筆頭・星一徹。
個性的なクール美形と言えば塩沢さん以外考えられないし、いぶし銀の役どころに定評のある銀河万丈氏も納得の配役だった。
保守的な、というか頭の固い、というか、創造性の乏しい、というか(おい、おい、そこら辺でやめとけや)なファンには山田ルパン以外認められない!との反感も多かったが、いつかは世代交代も必須なのだからこの新布陣は非常に適任だと自分は満足したものだ。

ところが映画公開後、実は5人の重鎮声優各位に声優変更の相談も連絡も一切なされていなかった事が判明!
(詳細知りたい人はWikipediaをどーぞ)
悪いのは声優ギャラ削減を図った新任プロデューサーであり、この人物がスジを通す事なく監修の大塚康生氏や、社内の脚本・作画等への実質的スタッフにまで声優変更を内緒にし続けた為、多方面で信頼関係の崩壊が発生した。
きちんと義理を通そうとしていたはずのモンキー・パンチ氏や新布陣の声優さん達と山田さん達との関係にもヒビが入ってしまうことに。
結局、次作にあたるTVスペシャルのバイバイリバティではオリジナル声優陣に戻した為、本作は「封印すべき黒歴史」扱いされて、劇場作品のラインナップすら外される。

ストーリーは当時は酷評されたけど私は面白かった。何より一つ一つのアクションシーンの出来が良い!
あの頃、S.ジャクソンとI.リビングストンのアドベンチャーゲームブック(ゲームブックの元祖と言っても過言ではない)にハマっていた私は、85年から刊行されていたルパン三世のゲームブックをずーっと買い続けていたのだが(今も全巻持ってます)このゲームブックストーリーになんとなくテイストが似ている印象があったのだ。
また、カリ城よりpart1に寄せつつ、かつ80年代に合わせた作風も悪くないと感じた。
だから比較的すんなり本作を受け入れられたかと思う。
まぁTVスペシャルで育った現在のファン諸兄ならば特になんの抵抗も感じずフラットに受け入れられるんじゃないだろうか。

大塚氏監修という事で、オマージュというより「遊び心」として、チンクや2CV、パトカーはブル410型も登場。
緑ジャケットや少々カリ城を彷彿とさせるキャラクターのやり取りも散見される。
(私はルパンの車っつったらベンツSSKかアルファロメオ ・グランスポルト・クアトロルオーテなんですけどねー。ルパン=チンクっていう人とはお友達になれないかもw)

さてさて、本日20時過ぎにはレビューが増えるのかな?
それとも一切変わらずかな?
楽しみに待ってみようと思う(笑)

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pipi