忠臣蔵外伝 四谷怪談

劇場公開日:

解説

鶴屋南北原作の怪談「東海道四谷怪談」を、原点に帰って忠臣蔵の物語と融合させ、元赤穂藩侍の民谷伊右衛門と湯女・お岩との恋愛劇の中に四十七士の吉良邸討ち入りのドラマを織り込んだ時代劇。監督は「いつかギラギラする日」の深作欣二。脚本は深作と古求の共同、撮影は石原興が担当。94年度キネマ旬報日本映画ベストテン第2位、同読者選出日本映画ベストテン第2位。

1994年製作/106分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1994年10月22日

ストーリー

元禄14年、江戸城松の廊下で吉良上野介に刃傷を起こした赤穂藩藩主・浅野内匠頭は切腹、赤穂藩は取り潰しとなった。堀部安兵衛、高田郡兵衛、片岡源五衛門ら江戸詰の藩士たちは大挙して赤穂城へ舞い戻るが、家老・大石内蔵助の反応は冷ややか。浪人となった藩士には厳しい生活が待ち受けており、2カ月前に召し抱えられたばかりの民谷伊右衛門も父親譲りの琵琶を奏で、仲間の勘平や右衛門七らと共に門付けに立ち生計を立てていた。そんな伊右衛門は彼を熱い視線で見守る湯女・お岩に出会い、ほどなく一緒に暮らすようになる。お岩に魅かれている湯女宿の番頭・宅悦は彼女を強引に連れ戻そうとするが不首尾に終わった。その頃いつものように鬼子母神の境内で琵琶を奏でていた伊右衛門たちは、打ち掛けを羽織り、笛や太鼓を鳴らす侍女たちを従えたお梅の一行に出くわす。一行にからんできた酔っ払いを一閃のうちに倒した伊右衛門を、恍惚の声を挙げ見つめるお梅。その夜、お梅の祖父・伊藤喜兵衛が大金を持って伊右衛門の家を訪ねてくるが、喜兵衛は吉良家の家臣であった。刃傷沙汰から1年、内蔵助はようやく討ち入りする腹を決め、江戸にいた安兵衛や伊右衛門たちにも招集の声がかかる。お岩は伊右衛門の子を身籠ったことを打ち明けるが、仇討ちが待っている自分はいずれ死ぬ身と伊右衛門は拒絶。だが、強行派の郡兵衛が仲間から脱落することを知り呆然となる。同志たちが次々と京に集まり、決起の宴を開いている頃、伊右衛門は喜兵衛の家にいた。彼はお岩と別れお梅と一緒になる交換条件として、吉良家の家臣に推挙してほしいと告げた。狂喜するお梅。一方、お岩のもとには宅悦が現れ、伊右衛門から預かったという安産の薬をお岩に飲ませる。だがそれは、喜兵衛の策略による顔を溶かす毒薬であった。もだえ苦しみ、息絶えるお岩。その日のうちにお梅と祝言を挙げた伊右衛門の寝間に、そのお岩の亡霊が現れた。吉良家の清水一学は伊右衛門に、仕官の土産として川崎の平間村に入った内蔵助を倒せと命じる。浪士たちが警護する中、伊右衛門は半ば死ぬ覚悟で内蔵助と対峙するが内蔵助は斬れず、また自分も浪士たちに襲われながら逃げのびる。だが彼はもう半ば死んだ身であった。討ち入り当日、吉良屋敷へ内蔵助以下赤穂四十七士が押し寄せるが、伊右衛門の姿は彼らには見えない。そして、その討ち入りを亡霊となったお岩が手助けしていた。無事討ち入りを果たした後、互いに死んで晴れてお岩と一緒になった伊右衛門の奏でる琵琶の音のみが、かつての同志たち四十七士のもとに届いた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第18回 日本アカデミー賞(1995年)

受賞

作品賞  
監督賞 深作欣二
脚本賞 古田求 深作欣二
主演男優賞 佐藤浩市
主演女優賞 高岡早紀

ノミネート

助演女優賞 荻野目慶子
助演女優賞 渡辺えり子
音楽賞 和田薫
新人俳優賞 高岡早紀
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映画レビュー

3.0忠臣蔵最強は

2023年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

怖い

 赤穂事件の直前に藩士となった民谷伊右衛門は、他の浪士と同様に大石内蔵助の決起を待ち望んでいた。そんな時、湯女のお岩と知り合い同居する。しかし伊右衛門は、伊藤喜兵衛の孫娘のお梅に気に入られ。
 忠臣蔵と四谷怪談が一緒にするなんて、突拍子もない。と思ったら、歌舞伎で伊右衛門が赤穂浪士という設定があるとのこと。笑えるとこもあり、なかなか楽しませてもらいました。忠臣蔵最強は、お岩だったのか。
 高岡早紀が体張ってます。渡辺えりと荻野目慶子のメイクが怖い。

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sironabe

3.0忠臣蔵と四谷怪談のコラボ

2020年7月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

民谷伊右衛門(佐藤浩市)は赤穂浪士だった。
討ち入りを待っている間、湯女のお岩(高岡早紀)と所帯を持つ。
妊娠しているお岩を邪魔とばかりに毒殺するが・・・。
有名な話のコラボは散漫になってしまう。

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いやよセブン

4.0死臭

2020年4月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

昔見たときはあっけにとられた記憶があるが、25年ぶりに見返すと登場人物全員から妖気にも似た死の匂いがたまらん。

佐藤浩市がどうにも生き難い、投げやりで人生に飽きた表情を見せるのがたまらなく若くて、危なっかしくて、なぜか可愛いとおもってしまった。

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filmpelonpa

4.0アイデアが勝負

2016年6月6日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

興奮

忠臣蔵と四谷怪談をミックスさせるというアイデアが面白い。

両方とも復讐物なので相性が良いのだと思う。
脚本を書いた古田求はやや力業だが話を上手くまとめていると思う。
高岡早紀も従来のお岩役に比べて、やや情念が薄いものの魅力的に演じていて好感がもてる。

公開当時は市川監督の「四十七人の刺客」と競合して興行的には敗れたが映画の面白いさでは、こっちの方が断然に上だ。

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ロバート
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