十階のモスキート
劇場公開日:1983年7月2日
解説
妻に離婚され、サラ金地獄に陥った警察官が郵便局強盗を企てるまでを描く。脚本はロックシンガーながら「水のないプール」など俳優としても注目を集める内田裕也とこの作品が監督デビューとなる崔洋一の共同執筆、撮影は「あんねの日記(1983)」の森勝がそれぞれ担当。
1983年製作/108分/日本
原題または英題:The Mosquito on the Tenth Floor
配給:ATG
劇場公開日:1983年7月2日
ストーリー
男は万年係長のサエない警察官で、妻のTOSHIEはそんな男に愛想をつかし、娘のRIEを引き取って離婚していた。娘は原宿のロックンロール族に狂い、時々、男に金をせびりに来るが、男は娘にだけは甘い。団地の十階に住み、毎月の慰謝料や養育費もとどこおりがちな男の気晴らしは、スナック・ヒーローで酒を飲むことと、その店の女、KEIKOとのセックスだ。男はいつも落ちている昇進試験のためにサラ金から借金をしてパソコンを購入する。男は妻への支払い、サラ金への返済で出費がかさみ、競艇に手を出し、さらにサラ金から金を借りるという悪循環が続き、とうとう、返済の催促は交番にまで及んだ。追いつめられた男は、自分の部屋に駆けつけると窓からパソコンを放り投げる。男は、その足で郵便局に押し入り、金を出せと拳銃を乱射する。郵便局の外にはパトカー、TV局やヤジ馬が殺到している。やがて、群集が見守る中、男は同僚の警官にかかえられ、手錠をかけられたまま連れ出されてくるのだった。