細雪
劇場公開日:1983年5月21日
解説
名匠・市川崑が谷崎潤一郎の同名小説を映画化。名家に生まれ育った四姉妹の三女の縁談を中心に、姉妹それぞれの1年間を四季折々の風物を織り交ぜながら描く。昭和13年。大阪・船場の蒔岡家では、次女・幸子らが三女・雪子に縁談の世話を続けていた。しかし話は一向にまとまらず、雪子本人はのんびりとお嬢さま暮らしを楽しんでいる。一方、5年前に駆け落ち騒ぎを起こした奔放な四女・妙子は、恋人の急逝をきっかけに酒場へ通うようになる。長女・鶴子役に岸惠子、次女・幸子役に佐久間良子、三女・雪子役に吉永小百合、四女・妙子役に古手川祐子と、当時の日本映画界を代表する豪華な顔ぶれがそろった。
1983年製作/140分/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
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2023年2月23日
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鑑賞方法:映画館
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市川崑監督の1983年製作(140分)の日本映画、配給:東宝。
何故、この映画を映画館で観たのかは覚えていないが、カメラワークのカット割のリズム感の心地良さ・素晴らしさに、感激したことは鮮明に覚えている。女優達の着物の本物的美しさや桜の見事さにも圧倒された。
日活青春映画の吉永小百合出演映画もTVで沢山見ていたが、女優としての彼女の素晴らしさ美しさを初めて知った気がした。市川崑監督、スゲーと思わされた。後年,吉永小百合の著書で御本人も監督の魔法の様な映像驚かされたことを知った。大阪旧家の養子(次女の夫ながら吉永小百合に想いが有る)を演じた石坂浩二も、とても良い味を出していた。
監督市川崑、原作谷崎潤一郎、脚本市川崑、 日高真也、製作田中友幸、 市川崑、企画
馬場和夫、製作補高井英幸、撮影長谷川清、照明佐藤幸次郎、録音大橋鉄矢、美術村木忍、
編集長田千鶴子、音楽大川新之助 、 渡辺俊幸、助監督吉田一夫、製作担当森知貴秀、台詞校訂谷崎松子、衣装監修斉藤寛。
出演
佐久間良子幸子、吉永小百合雪子、古手川祐子妙子、石坂浩二貞之助、岸惠子鶴子、伊丹十三辰雄、細川俊之橋寺、小坂一也野村、江本孟紀東谷、桂小米朝奥畑、岸部一徳板倉、辻萬長三好、横山通乃井谷、小林昭二陣馬仙太郎、新橋耐子陣馬夫人、根岸明美下妻夫人、常田富士男五十嵐、白石加代子酒亭の内儀、浜村純音吉、三宅邦子富永の叔母、三條美紀お久、上原ゆかりお春、角田素子お篠。
2022年10月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
谷崎の原作は考えずに観ました。だって、そんなぱっと読んでわかるようなもの書くわけないんだから。そういうのは研究者にお任せして、普通に映画は映画として楽しみました。
着物やら建物やらロケやらの豪華さや演出に掛ける熱量や時間など、色々見所は多いと思いますが、自分の一番の収穫は小百合様の演技でした。ファンには引っ叩かれそうですが、彼女の演技の魅力が今まで全く理解できずにいました。でもこの役は完璧ですね。他の俳優は全部すごいですが、彼女の物腰や(着物で育った人特有の物腰があります。彼女の方が岸恵子より所作が美しいなんて本当に驚きました)、考えの読めないゆるふわキャラを演じつつ、ここぞというときにがっと前へ出て、役柄を小出しに見せる様なんて中々です。「はっきりしない=ぼやけている」のはここで出てくる船橋のカルチャーそのものでもありますね。実は彼女は一番船場を象徴するキャラのように感じますし、そこに掛ける監督の演出にも拘りが一番感じられる気がします。
この映画は監督の悲願だったそうですね。例え市川崑好きでも正直これは好みが別れそうですが、観て損のある映画ではないと思いました。それだけの力作です。
2022年9月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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お見合いを何度すれどもまとまらない、きあんちゃん=雪子。こいさん=妙子は奥畑のボンボンと5年前に駆け落ちしたことが新聞記事になった過去があり、しかも新聞には間違えて雪子の名前が載ってしまったのだ。また奥畑のボンボンが迫ってきたり、カメラマンの板倉(岸部一徳)からも好意をよせられていたが、雪子が先に嫁に行かないとダメだと言う2人。しかし、突然の病で板倉が死亡・・・
『ぼんち』も船場が舞台の映画だったが、キャラは全く違うほどで人間的。まぁ、こちらは船場に残っていたのは長女と夫(伊丹十三)だけだったが。
雪子はは断り続けた見合いも粘り勝ちでよい縁談が・・・相手はほとんど台詞のない江本孟紀だ。妙子はバーのマスター三好(辻萬長)が相手だ。上流階級にこだわってた節があるのに、なぜか簡単に許しを得てたなぁ。
美しき四姉妹の栄枯を、三女のお見合いを主軸に描く。
映像がとにかく美しく、自然の風景や伝統ある家屋、四姉妹もそうだが、着物など衣装もひとつひとつが美しい。
吉永小百合などもでているが、特に美しいのは古手川祐子。健康的で可愛らしく、すごくよかった。基本全員着物なのだが、古手川裕子は四女役で洋装も多いのも可愛らしい特徴なのかもしれない。なぜか、古手川裕子だけ入浴シーンまであるし。
起伏は薄めな内容だが、映像が麗しいので眺めてしまう感じで、変な話だが、美術館行ってるようなイメージだった。
みなさんおっしゃる通り、音楽だけ意味不明だった。安っぽいシンセサイザー。音楽なしでもいいくらいだった。