米
劇場公開日:1957年3月4日
解説
農漁村の老若男女のたくましい生活力を描いたイーストマン・カラー色彩の問題作。原作、脚色は「地底の歌」の八木保太郎、監督は「真昼の暗黒」の今井正、撮影は「狙われた男」の中尾駿一郎。出演者は、江原真二郎、中村雅子の二新人を中心に、「警視庁物語 白昼魔」の木村功、南原伸二、「恐怖の空中殺人」の中原ひとみ、他に望月優子、東野英治郎、加藤嘉、杉狂児、日野明子のヴェテラン陣。新人岡田敏子も抜擢されている。
1957年製作/118分/日本
配給:東映
劇場公開日:1957年3月4日
ストーリー
田植を祝う村祭の鎮守の境内。魚問屋に働く定子、いね子、かず子、たみ子らは祭り気分に浸っていたが、この村の若者達の夜遊びは対岸の村へ押かけ娘らを冷かすこと位であった。農事に手のすいた次男坊である田村次男も、自衛隊帰りのリーダー格仙吉らと対岸を襲うが、うす暗い農家で黙黙と仕事にいそしむ千代の清純な姿に、何か淡い感情が湧くのを感じる。次男は、うめ、よしの等兄妹の冷たさに耐えかね、魚にかけては玄人の作造と友乗りではえ繩を張るが、繩に掛った大鰻のことから千代の母よねと争論まで起す。仕事もなくブラブラしていた仙吉も親方に船の提供を願った上、次男と組んで帆曳きを始めた。仙吉の妹定子は次男に少からぬ好意を寄せていた。無鉄砲な仙吉は千代らの境界線を越えて帆曳で獲りまくり、ために荒された漁場では杭代を割当てて遂に逆杭を打つ。やがて秋祭り。酒の勢いで次男に近寄った定子は相手にされず悲しみにくれる。ある夜、よねは禁止されたさし網をやっている最中、監視船にみつかり没収されてしまう。よねは見逃しを必死に願ったが規則を犯した罪は如何ともなし難い。だが一方、越境した船団も逆杭に引っ掛り仙吉は死亡、次男も危い処を千代に救われ以後、二人の心は全く解け合う。その頃、地主の松之助はさし網事件から貸地を取上げようと病身の竹造に迫り、よねには一万円あればと誠しやかに持かける。よねはそれを信用し、千代を通じ何とか次男の金を借りようとしたが、慕情を抱く千代には云い出せる筈もなく気まずい親子喧嘩となってしまった。これを知った次男は一万円を善助に渡して立去る。雨の日、警察へ出向いたよねは罪の恐しさから遂に入れず、薄暮の湖岸で、生命を断つ。晩秋の空に豊年太鼓の流れる頃、母親共々よねの棺を見送る次男は、千代と暫しの間、熱い視線をからませていた。
スタッフ・キャスト
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田村次男江原真二郎
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田村栄吉南原伸二
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田村とみ子藤里まゆみ
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田村うめ原泉
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田村よしの中原ひとみ
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田村英雄森下義秀
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田村八重子島森マヤ
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田村春子松島早苗
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仙吉木村功
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武梅津栄
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五郎清村耕次
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三吉北峰有二
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問屋の親方杉狂児
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はえ繩の作造東野英治郎
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定子岡田敏子
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いね子芥川笑子
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かず子若木悦子
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たみ子稲植徳子
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広子宮田悦子
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若い漁師A岡部正純
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若い漁師B豊野弥八郎
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若い漁師C久保一
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若い漁師D潮健児
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安田竹造加藤嘉
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安田よね望月優子
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安田千代中村雅子
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安田善助麦人
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太田松之助山形勲
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鰻問屋の若衆長島隆一
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風呂場の娘高橋京子
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風呂場の娘の母三好久代
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とき子日野明子
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隣りの女房山本緑
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笹浸しの漁夫A織本順吉
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笹浸しの漁夫B滝謙太郎
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笹浸しの漁夫C牧野狂介
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笹浸しの漁夫D香月三千代
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村の農婦戸田春子
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バスの中の農婦不忍郷子
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バスの車掌A鈴木暁子
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バスの車掌B佐山二三子
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監視船の係官A須藤健
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監視船の係官B朝比奈浩
受賞歴
第10回 カンヌ国際映画祭(1957年)
出品
出品作品 | 今井正 |
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