黒いドレスの女
劇場公開日:1987年3月14日
解説
無意識に男の心を惑わせる女と、その女のために命を賭ける男たちの姿を描く。北方謙三原作の同名小説の映画化で、脚本は「めぞん一刻」の田中陽造、監督は「友よ、静かに瞑れ」の崔洋一、撮影も同作の浜田毅がそれぞれ担当。
1987年製作/100分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1987年3月14日
ストーリー
夜明け前の高速道路を朝吹冽子は歩いていた。彼女はBMWに乗ったヤクザっぽい男、アキラに声をかけられる。大井競馬場。田村と弁護士・山本が庄司というヤクザを外国に逃がす相談をしていた。庄司は田村の眼の前で腹を刺されてしまう。刺したのはアキラだった。それを遠巻きから冽子が見ていた。田村の経営するバーに、黒いドレスを着た冽子が現われた。彼女は静岡にいる田村の義理の妹、三井葉子の知り合いでの店で働きたいと告げる。数日後、田村は冽子の手荷物から拳銃を発見した。それは葉子が冽子に渡したものだった。また、腹の傷が癒えた庄司もバーに転り込んで来、冽子と同居することになった。田村は相棒の立岡と庄司の逃亡ルートを捜し始め、ルートが決まった日の夜、数人のチンピラが冽子を出せとやって来た。庄司の凄味に圧倒され、彼らは逃げだすが、危険を肌で感じた冽子はバーの二階から姿を消してしまう。冽子は六本木のディスコでアキラと再会した。そして、彼から庄司をどうしても殺らなくてはいけない理由を聞き、逃亡ルートが罠であることを知った。その事を電話で田村に知らせる冽子。葉子の家を訪れた田村は、彼女から冽子が7年前妻を殺したと思われる弁護士、野木原に追われていることを聞かされた。また、刑事、大野に呼びとめられ、冽子の義父、英一郎が不審な死を遂げたことで彼女を追っていると知らされた。逃亡ルートを失った庄司は、暫く葉子の家に匿まわれることになった。彼女は庄司に、英一郎の愛人だったことを告げる。英一郎は野木原に入る金の流れを克明にメモしていた。そのメモの隠し場所を知っているのが冽子だった。田村の前に現われた冽子は、メモを野木原に二億円で売ることにする。メモは冽子が英一郎と暮らしていたマンションにあった。突如、葉子がメモを渡してほしいと冽子から返された拳銃を構える。冽子を追ってベランダに出た彼女は、英一郎を転落死させたことを告白した。怒った庄司が葉子を刺すが、同時に拳銃の弾が彼を射ち抜いていた。翌朝、約束の場所に野木原と彼に金を流していた田村の元同僚、和久田がやって来た。そして、田村と乱闘になるが、田村に呼ばれていた大野たちに逮捕される。田村が振り返ると冽子は2億円と共に姿を消していた。