パンズ・ラビリンスのレビュー・感想・評価
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オープニングからして不穏
こちらのレビューを拝見させて頂き、グロいのかな…と、覚悟して観ましたが、意外と観れました。
ストーリー自体は面白かったものの、、目無しの怪物、キモっ!大ガエルのしぼんだのグロっ!よくあそこから鍵取れたな💦
あまり主人公に共感はできませんでした。
本気で現実から逃がれたかったら、注意事項は守るでしょう。
何故ブドウを食べちゃうの?
あれほどダメだと言われたのに?
妖精達があんなに止めてるのに??
結果、妖精達食べられちゃってるよ。
死んじゃった妖精達のことを悲しんだりもしてないし。
激痛表現や拷問のシーンもあり、痛々しいです。
パンはなんだか白い悪魔にも見える。
やりきれない感じもありつつ、それでもちゃんと悲しんでくれる人がいて、良かったね。
魂だけは王国に行けたのかな、と思いたい。
殺されちゃったお医者さんの
「何の疑問も抱かずただ従うなんて、心無い人間にしかできない。」
この言葉にだけ、強く共感した。
強烈な反戦・反権力映画
メルヘンチックなファンタジー映画かと思ったら、とんでもなかった。すごい作品だった。
本作は、強烈な反戦・反権力映画である――と僕はとらえた。
悲痛だが美しいラストにこころ震えました。
監督が意図したハッピーエンドファンタジーを、悲しい不条理劇と解釈する私たちの精神性
デル=トロ監督は、辛すぎる現実から離れて空想世界に生きると決めた人間の心理を「逃避ではない」「幸せな人生だ」と言い切る。
(DU_BOOKS「ギレルモ・デル・トロのパンズ・ラビリンス」)
しかし私たち日本人は、祭りやお盆や七夕など、リアルとワンダーがほどよくブレンドされた世界を生きているので、どちらかに振り切られると居心地悪く感じてしまう。
ごはんや食器には作った人の気持ちが込められているし、悪いことをした人にはいつか天罰が下ると期待して生きる私たちにとって、フィクションは今生を輝かせるためのものであり、決して現実を捨てて旅立つ亡命先では無いからだ。
この乖離は、ちょっと私たちには埋めがたい。
オフィーリアが3つの試練を乗り越えて獲得した幸福は、枯れた木に一輪の花を咲かせ、やがて荒廃した世界を美しく彩る礎(いしづえ)となることを暗示する。
しかし、監督の思惑に反して、私たちがこの映画を鬱エンディングとして捉えてしまうのは、虚実入り混じった "この世界の片隅で" 生きる幸せを、オフィーリアに体感して欲しかったからであり、「空想の中でしか幸せを得られなかった」彼女に憐憫と寂寥の情を抱くからだ。
デル=トロ監督は、とてつもなく優しい人だ。
苦しい現実に晒された人々の受け入れ先として、自身のフィクション世界を念入りに構築し、もはや人が暮らせるレベルで具現化させようとする。
その愛情には、頭が下がる。
誠実で、自分や映画製作サイドの人々に厳しく、どこかでつらい思いをしている観客たちへの博愛を忘れない、あったかい包容力の持ち主だと思う。
だからこそ、彼の差し伸べた救いの手を握り返せないことが申し訳ない。
『パシフィックリム』でブレイン・ハンドシェイクするしかないよね。
思ってた数倍エグかった
ちょっとだけダークでかわいいファンタジー映画かな🎶と思って見たら、ちょっとだけファンタジーでグロいダークな映画だった
辛い現実からおとぎ話に逃げるのは幸せなのか……とか、自分にも身に覚えのあることなので色々考えさせられた。
あちこちに暗喩が散りばめられている。もう一度見たいような見たくないような、、
過酷な現実と満たされた異世界
幸福感に溢れた幻想と死ぬゆく現実。過酷な現実で怯え続けるより、満たされた幻想で最期を迎えたオフェリアは幸せだったのだろうか?
3.7ただのファンタジーではない
ただのファンタジー作品ではなく、現実世界の戦争、残酷さなどがちょうどいいバランスで組み込まれた良作。雰囲気もよく、シェイプ・オブ・ウォーターよりもかなり見やすかった気がする。
もう少しファンタジー冒険要素が見たかった。
敵もちゃんと悪いし、キャラが立っていて好きだった。
ぶどうふた粒食べたときは流石にイライラした。
ダークおとぎばなし
ファンタジー部分のキャラクターは作り込んでて、面白かったけど、ストーリーとしても全体的に暗くて、どこで楽しめばいいのかわからなかった。スペイン内戦にあまり詳しくないので、そこまで入り込めないのもあったが、ファンタジーの世界へ行く少女は何かの暗喩なのか?グロい世界観はアーティスティックだが好みではない。グリム童話は実は残酷みたいな本が流行ったけど、そんな印象。
子どもに対する優しさと現実を突きつけられる一作。 【イマジネーショ...
子どもに対する優しさと現実を突きつけられる一作。
【イマジネーションが何のために存在しうるのか】ギレルモ・デル・トロが生み出すファンタジーとリアルの狭間に立たされ心が締め付けられるストーリーです。
無益な戦争による、子供たちのイマジネーションへの逃避は「ピーターパン2」や実写版「アリス・イン・ワンダーランド」「ナルニア国物語」にも見受けられます。
様々な表現方法があると思いますが、本作の場合はオフェリアが現実で受けている”無意識の苦痛”を具現化しているように思えました。
母体への嫌悪、義母への恐怖、自由への圧力
子どもが本来持つべき愛情が欠落し、戦争という得体も知れぬ狂気にさらされた精神状態をどう正常に保てというのでしょう?
その逃避方法がイマジネーション・ファンタジーの世界なのだとしたら、やはり我々に空想の世界が必須だと思います。
いろいろ衝撃
人に勧められて観たのですが少女が主人公のファンタジーと聞いてたのに、こ、これは…。
子どもに見せるのはためらわれる映画だ。
イタイイタイ!と厳しい場面も多々。
そして展開もどんどん少女に厳しくなっていき観ているこちらも不安と恐怖で
頼むからどうにかしてやってくれと手を合わせる状態で鑑賞する始末。
心の準備をしてから観ましょう。ダークだけど、重くて辛いですけど、少女の勇敢さに衝撃を受ける映画です。
軽ノリで夢と希望にワクワクするメジャー路線とは一線を画す。
面白かった。
地に足がついたファンタジー映画‼️
ギレルモ・デル・トロ監督は、「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞を受賞していますが、作品としての完成度は、この「パンズ・ラビリンス」が圧倒的に上だと思います‼️ 1944年のスペイン内戦下を舞台に、母の再婚相手の大尉が迎えるスペインの山奥に母と共にやってきたオフェリアはある日、不思議な迷宮に迷い込んでしまう。そこの住人であるパンに自分が魔法の国のプリンセスであることを告げられたオフェリアは、両親の待つ魔法の王国に帰るために3つの試練に挑む・・・手のひらに目玉がある怪人とか、山羊の頭と体をしたパン、うごめく根菜のような生き物とか、巨大カエルとか、デルトロ監督の真骨頂ともいえるビジュアルが素晴らしいです‼️そーゆーイマジネーションあふれる世界と現実に起きる内戦での惨劇の対比が絶妙‼️摩訶不思議でありながら、リアルで切実なストーリーが展開します‼️大尉を演じるセルジ・ロペスが大活躍(?)で、ジェイソンやフレディを超える極悪非道ぶりを発揮‼️針と糸で自分の顔を縫ったり、拷問シーンにおける残虐描写は、背筋が凍るほどです‼️対してオフェリアを演じるイバナ・バケロのナチュラルで瑞々しい魅力には驚嘆させられます‼️この"少女に試練を課す" というシチュエーションは、宮崎駿アニメによく見られるもので「魔女の宅急便」や「千と千尋の神隠し」を連想させます‼️影響を受けているでしょうね、絶対‼️ラスト、幻想世界と現実世界が交錯した果てに待ち受けるオフェリアの運命‼️本当の両親が持つ魔法の王国へ行けたのか、それとも・・・観る者の判断に委ねた衝撃のラストは、忘れられない戦慄を残してくれますし、ラストカットのオフェリアの表情は一生忘れられません‼️
最後まで飽くことなく
魔法やそれを使う妖精、不思議な地下世界、言い伝えなどのファンタジーの基本的な要素が軸となっている作品だがかなり胸糞な展開の多い内容になっていて、序盤に妖精から「与えられる3つの試練を乗り越えられたら地下世界の王女としての権利が与えられる」と言われた主人公がなんとかそれを叶えるために奮闘するも上手くいかず、最後には自分の父親の手によって殺されてしまうというバッドエンドを迎えることになる。妖精も悪巧みをしていて主人公の周りには味方がほとんどいないが、言い伝えは本当で結果的に彼女は一国の王女になることができる。多くの場合死は悲しみに満ちているが、この作品では死を経て、血を分け与えるという行為に肯定的であるのが特徴だ
怖くて悲しいファンタジー
最初からずっと不穏な空気が漂い、
具合の悪そうな母(しかも妊婦)はいつ死ぬかハラハラするほど、顔色が常に悪い。
義父は人をビンで殴り殺すほど残忍な軍人で
常に屋敷は湿ってて、暗い。
こんな環境でオフェリアが幻想に逃げるのも無理ないけど、本当に幻想なのかな。
子どもがただ単に辛い現実から逃れたくて考えた幻想にしては、説明のつかないこともある。
物語のいろんなところに伏線がはられ、綺麗に回収しながら進むストーリーは本当に見応えがあった。
あの、目無しの怪物はめちゃくちゃグロテスクで、いい感じでした。
私は本当にオフェリアが3つの試練をクリアして、地下のお姫様になれた方に賭けたい。
地下の妖精たちは、トトロと一緒で、いろいろなことを経験してしまった大人には見えないものだと、思いたい。
そうじゃないと悲しすぎるから。
大人の方がよほど「おとぎ話」にすがって生きている。大人になるとは、...
大人の方がよほど「おとぎ話」にすがって生きている。大人になるとは、“自分がおとぎ話にすがって生きている”ということが分からなくなるということ。
ブドウをつまむな
1944年、フランコ独裁政権下のスペインで、少女オフェリアは内戦により父を亡くし、母の再婚相手・ビダル大尉に引き取られた。森の中の軍の砦に移り住んだオフェリアは、冷酷で残忍な義父から逃れたいと願い、昆虫に姿を変えた妖精に導かれ、迷宮へ入った。すると迷宮の守護神パンが現われ、オフェリアこそが魔法の王国のプリンセスに違いないと告げた。彼女は王国に帰るための3つの試練を受けることになるが・・・という話。
第二次世界大戦中のスペインで、こんな内戦が有ったことを知らず、本作は大変勉強になった。
ヒトラーだけじゃなく、フランコも同じような事を自国民に対してやっていたのかと思うと、戦争ってなんなんだろう、ってつくづく考えさせられる。
ファンタジーも有り、残忍な殺戮シーンも多く、面白かった。オフェリア、ブドウをつまむな、って思ったが・・・
最後はオフェリアまで殺され、切なかった。
オフェリア役のイバナ・バケロは可愛かった。
なぜか突然放映されていると思ったら…。
今年82本目(合計734本目/今月(2023年3月度)17本目)。
なぜか、ミニシアターでもないのに、15年前の映画が放映されていてなぜだろう?と思って見に行ったら、著作権(放映権)の関係なのですね…。
スペイン内戦にファンタジーを絡めた不思議な作品で、どちらよりに見ることも可能です。また、多くの方が書かれている通り、ある意味「中毒性」がある作品で、何度か見ることを想定されている…といっても、どうもこの1週間(木曜日まで?)で権利は消えてしまうようです(アマゾンプライムや一般的にDVDを購入すれば普通に見られる?)。
このように「今後はアマゾンプライム等での視聴が一般的になるであろう」という特異な映画なので、ネタバレになるような記述は一切避けるようにします。
映画の趣旨的にスペイン内戦に関することを知っていればやや有利ですが、高校世界史でもそこまで深くは扱わず(一方でスペインではものすごく大きく扱う)、ある程度「わからない点」が出るのは仕方がないかな…というところです(映画館に行く前、あるいはVODなどで課金する前に「スペイン内戦」について検索してから見るだけでもかなり違います)。
映画自体がそもそも今から15年ほど前なので、クオリティ的に気になる点などは確かにありますが、その15年前の映画を放映しているのが上記のような特殊な事情なのであり、15年前のことをどうこういうのはフェアではないので、減点なし(5.0)にしています。
映画に「放映権」があるのは有名な話ですが(だから、どんなに有名な超有名映画でも権利を持っていないと、その映画館では一切流せない)、「国内ではこれ以上流せない」という意味での放映権という考え方もあるんだ、ということを知った、「別の意味で」知識も増えた良かった映画でした。
辛い現実から脱却するために
日本最終上映にて鑑賞。
ファンタジーながらも全編通してほの暗く、不安になる雰囲気がある。妖精ですら不気味なクリーチャー造形もその一端を担っている。
時代背景的に登場人物全員が戦っている。1人を除いて。
歴史的舞台とファンタジーの兼ね合いが絶妙
日本最終上映となれば、劇場に足を運ぶしかない。未見だし。
スペイン内戦という歴史的舞台とファンタジーとの兼ね合いが絶妙だった。オフェリアの空想の産物かもしれないし、本当に地下に王国があるのかもしれない。どちらに理解しても、感動するのは間違いないが、後味が全然異なるはず。
グロさと残酷さがPG12ギリギリのラインだし、ブラックさも自分好みの作品でございました。
ハッピーエンドだと思った。2023/3/11/土【再鑑賞】いよいよ9月で日本での上映権が切れるので1週間限定上映らしい。そういうワケで鑑賞。2023/9/24(日)最終日に見た。
日本公開の2007頃はレビューサイトを見る習慣がなく、他人の感想、評価を知ることが少なかった。久しぶりに見てみんなのレビューに驚く
私は描かれるファンタジー世界をリアルと捉えて見た。だから当然ラストはハッピーエンドだと思った
だけど今回レビューサイトを見て、オフェリアのファンタジー世界が(私とは違い)現実逃避の創造の世界という考えに目からウロコだった。バッドエンドと言う考えにも驚いた。もホント参考になるというより感服するばかり。
国内上映権が切れるので1週間のロードショー。映画館で見れなくなるが、特に映画館で見るこだわりがなければ、別に映画館で見なくてもイイと思う。私はDVDプレーヤー無し、各種配信契約無しの映画館一択だけなので、今朝、上映を知り「winny」を見る予定を急きょ変更して鑑賞(WBC第3戦も迷ったが)
【再鑑賞・追記】
立川シネマシティで最終日2023/9/24(日)に見た。まだ明日9/25(月)から9/30(土)までのあいだに全国のどこかでやるかもね。
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