ボーン・アルティメイタムのレビュー・感想・評価
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ありがとうございました!
一層磨きがかかった活劇
総合:85点
ストーリー: 75
キャスト: 85
演出: 90
ビジュアル: 75
音楽: 70
シリーズ最終作らしいが、これも良い作品でした。本作は特に活劇が良く出来ていて、最初から緊迫感が途切れることなく次々に疾走感と共に突っ走ってくれた。
本物の工作員は007シリーズのようにいろんな秘密兵器を使うだけではなく、周りにあるあらゆるものを武器や囮として使うように訓練をされると聞く。細かく見ていると、秘密兵器はおろかたいした武器すら持っていないボーンが、移動するときも追手を撒くときも戦うときも、地形や扇風機や普通の本から怪しい風貌のただの通行人や地元の警察に至るまで、使えるものを探しては自分を優位に立たせようとしている姿に感心する。
相変わらず活劇は素晴らしく、挌闘技術なども現実に迫っている。自分は通常の格闘技だけでなく、工作員や兵士の実践的挌闘技術についても少し知識があるのだが、映画用の見せる挌闘ではないが故に派手さはないが無駄がなく、玄人好みで逆に迫力を感じる。カーアクションも派手。
次々に切り替わる場面や空撮を交えて三次元的に撮影した方法も迫力と迅速性が増していて良い。設定も例にもれず緻密で、エシュロンなんていう盗聴システムが普通に出てくる情報戦も見もの。
物語は疑問点があった。近くで爆弾が爆発しても怪我するどころか鼓膜が破れることすらもなく、車が転落したりひっくり返ってもすぐに普通に走り出す。派手な活劇の良さに対してあまりにボーンが不死身なので、これはダイハード・シリーズなのかと感じてそこに違和感もあった。また警備厳重なCIAの建物に簡単に侵入してさらに局長室に入り、そこからさらに金庫破りをあっさりとやってしまうのはおかしい。そこがどうやってやったかが細かく描写されずいきなり部屋の中に侵入し終えたところからの場面から始まったのも、流石に製作者側もここは無理があると感じていたのかもしれない。
それでもかなりの秀作で、堪能出来たと言える満足感のある作品だった。
はぐれ狼ジェイソン・ボーンの逆襲が小気味いい
記憶を失ったまま社会に放り出されたジェイソン・ボーン。自分が誰なのか追い求めているだけなのだが、追い求めれば求めるほどCIAが知られたくない暗部に近づき、また追われるハメになる。
前作でボーンに古巣への復帰を促し、ボーンの本名まで教えたパメラ・ランディだが、組織の一員としてボーンを野放しにしては置けないジレンマに陥る。的確な支持を出す女性指揮官ランディを前作のジョアン・アレンが続投する。
そのランディの実力に嫉妬を覚えつつ、ボーンを執拗に追いかける局長、ノア・ヴォーゼンが登場。捜査ではランディの後塵を拝するが決して愚かではない。テロ対策局の局長という要職に就く風格も醸し出しつつ、今作の嫌われ者であるヴォーゼンをデヴィッド・ストラザーンが粘っこく演じる。
リアリティを重視した設定とアクションは前2作同様健在だが、さらにクォリティを上げてくるあたりは、このシリーズの真骨頂といえる。
とくにモロッコ・タンジールの複雑に入り組んだ路地と建物を使ったアクションが見せ場だ。
今回、さらに重要な役になったニッキーを追いかける殺し屋デッシュと、それを屋上伝いに追いかけるボーン、そしてボーンとデッシュの死闘は映画史に残る。
人ごみの中に入ってもニッキーの所在がわかるのは、まだらのヘアカラーのおかげで巧い演出だが、このヘアスタイルは前作からそうだった。先を見越しての設定だったとしたらスゴい。
相変わらずの素早いカット割りも磨きがかかり、1秒にも満たないようなカットにも必要な情報が盛り込まれ、無駄なカットが一切ない。それらがきちっと計算された長さと順序で並んだとき特有のスピード感を出す。
手持ちカメラの揺れも気にならず、むしろリアリティを出す効果がよく出ている。
「トランスフォーマー」シリーズでマイケル・ベイも手持ちカメラを使い同様に素早いカット割りをやるが、あれは目が回って吐き気がするだけの似て非なるものだ。(「トランスフォーマー」のレビューでも書いた)
「情けは人の為ならず」的なところがあるラストは、正しく強く生きようとするボーンの姿勢にぴったりだ。
TVの報道番組でボーンの安否が不明と知り、逃避先で微笑むニッキーがいい。水の中で動かないボーンとの割り振りも巧い。
シリーズ第三部
ボーン・アルティメイタム
完結
前2作を上回るスピード感。ハラハラドキドキ感。
最初から最後まであっという間でした。
やたら、銃でドンパチやらないところも面白かった。
ボーンの記憶の断片がすべてつながってエンディング。
終わり方としては、物足りないものがあったけど、
そこへ行きつくまでの数々のエピソードが
緊張感があって面白かった。
また、CIAの作戦やいろんな機器が興味深かった。
あっという間の3部作。
ジェイソン・ボーン大好き
物凄く評判がよくて、ずっと見たかった映画です。ボーン・シリーズは地味に好きなのです。(設定も映画の進み方も地味ですが)
元CIAで作られた殺人兵器みたいな戦闘能力を持つ見た目、極普通のアメリカの青年が、記憶を失い、自分のアイデンティティーを求めていくうちに戦いに巻き込まれていくのが1作目のThe Bourne Identity (身元)。
自分の存在を疎ましく思う誰かに付けねらわれ、最愛の恋人を失い、復讐に燃えるのが2作目のThe Bourne Supremacy (優越性、優位)。
そして、逃亡の中で更なる黒幕の存在を知り、なぜ自分が作られたかまでが明らかになる本作、The Bourne Ultinatum (最後通牒)。
マット・デイモンってルックス地味ですよね。町ですれ違っても、「のあ~っ!!」とかならない(だろう)ところが彼の魅力(?)だと思うんですが、本作の主人公とばっちりマッチ。アクションも地味で、思いっきり走ったりするシーンはちょっと。ほとんど、早歩き。銃もなるべく撃たないです。人ごみにまぎれてまぎれて、一人で、プロの追跡部隊を煙に巻くのは、見ていてすっきりします。(まるでゲームのメタルギアソリッドみたい)同様の設定にも関わらず、3作目でも飽きが来ないどころか、3作の中で最も評価の高い作品です。地味~におすすめ。アクション好きな方は是非。
冒頭からほぼノーストップでスペクタクルシーンの雨あられ!!
素晴らしい緊張感、スピード感のある映像で、大満足しました。
およそアクションは、台詞や仕掛けで語らせるのでなく、純粋に映像で迫力をアピールするものであると考えております。
その点、「ボーン」シリーズは、007のような派手な装備が出てこないところが、いいですね。
とにかくリアリティを感じさせる瞬殺の格闘シーンや、手近なものをなんでも武器にしてしまう肉弾戦が大きな魅力なんです。この三作目も冒頭からほぼノーストップでスペクタクルシーンの雨あられ。
この特殊アイテムに頼らない、アナグロなスピード感がボーン・シリーズの魅力の根幹なのではないでしょうか。
そのスピード感を表現するために、短いカットを畳み掛けるようにつないでいくポール・グリーングラス監督の演出も冴え渡っています。現代の映画では最高レベルのスピード感あふれる格闘場面は、何気なくコマ落としのようにつないでいるように見えて、しかし細かい工夫がなされているようです。
これが普通だとストーリーが早くて観客が置き去りになりがちなのですが、台詞が少なめで聞き取りやすいので、充分ついていくことができました。
たとえば狭いバスルームで殺し屋とボーンが戦う場面。殺し屋がカミソリを拾い、それを見てボーンが防御のためタオルを取るといった、その一連の動きはあまりに早すぎてまったく見ることが出来ません。あっという間に、二人の手にそれがあるといった感じでも、そのスピード感でドキドキの連続で、全然気になりませんでした。
続けて、これまたまったく"見えない"爆速の攻防戦が繰り広げられるです(^^ゞ
途中でチリーンと殺し屋がカミソリを取り落とす音を、監督はわざと目立つように入れるのですよ。私たち観客に戦いの経過を音で見せて、それだけで見せてしまうのですね。
この「チリン」という音ひとつのおかげで、あたかもボーンの超人的なスピードに自分もついていっているような気になり、大いに快感を得らました。こうした工夫は随所にみられ、この作品がいかに高度な計算に基づいた優秀なエンタテイメントかがよくわかります。
エシュロン(盗聴システム)を駆使する当局から逃亡するという大筋がありながら、各々の見せ場を「逃げるボーン」一色にしないあたりもそうです。
あるときは王道の逃亡劇、あるときは味方記者を敵から逃がすため、携帯電話で離れた場所から指示を与えていく。そしてときには女を助けるため、彼女を追跡する殺し屋を追う側にまわります。
しかもその一つ一つは複合的な要素で構成され(たとえば殺し屋を追うボーンを、さらに地元の警察が追っているという二重構造)、さらに中途で二つの要素を合体させたりなど、単調な部分は一秒もありませんでした。
ついでに、アクションシーンのバックにはモロッコなどロケ地の美しい風景が広がっており、目の保養にもなります(^^ゞ
最大のおすすめは終盤のカーチェイスですね。
これもむちゃくちゃスゴイ迫力で、緊張しました(^^ゞ
何が凄いかというと、これを見ていると「ああ、いよいよボーンの物語も終わるのだ。奴はもう後のことなど考えておらず、ここで決めるつもりだ」という、主人公の悲壮感のようなものがバシバシ伝わってくるのです。
文字通り満身創痍になりながら、それでも彼は前に進みます。ここまで"物語と感情"を感じさせるカーチェイスは、なかなか他の作品では得難いことでしょう。
それにしても、ボーンシリーズには組織の狂気を感じます。
CIAという大きな組織が、一旦狂い始めたら、アメリカ国民の安全を守るという大義名分のために、同じ国民を暗殺のターゲットにし、秘密の維持のためには、仲間のエージェントや職員ですら抹殺しようとします。
ボーンの戦いを通じて、組織の中で思考停止する恐ろしさも感じさせてくれました。
但し、完結編としてストーリーはすっきりされてくれましたけど。
ボーンが助けたエージョンとの女性が、ラストにテレビのニュースを見て微笑むのを見て、ボーンの新シリーズへの展開も予感させてくれました。
EXTREME WAYS
今さらながらのレビューですが、DVDも発売されたことだし、劇場で観られなかった人も、ようやく観れたと思うので、レビューします。
シリーズを通して、総じて好評を博したジェイソン・ボーンの物語。
2002年の「ボーン・アイデンティティ」から始まった自分探しの旅もこれにて終了。
「自分探し&贖罪の旅」とでも言いましょうか。
「アイデンティティ」から始まった3部作、全てにおいてハイレベルなサスペンスとアクション、近年稀に見るデティールの細かさ(映画の中でのフィクションですが、電車で逃亡する際には時刻表を手に入れてからだとか、ガラスを飛び越えるときには手に布を巻きつけているだとか、妙にリアル。もちろん、これは戦闘シーンにもふんだんに取り込まれてる。)色々な意味で3部作全てが全力疾走。
カット割りが短く、畳み掛けるような構成なので、目まぐるしい感じを覚える向きもありますが、僕はこの点は肯定派。
アクションシークエンスにしても工夫が随所にみられ、高度な計算に基づいた優秀なエンタテイメントなんだなと思います。
ストーリーも一つ一つが複合的な要素で構成され、さらに中途でまた別の要素を複合させたりなど、単調な部分は皆無に等しい。
票を落とす原因の一つにリアルを謳っておきながらCIAの内部が双眼鏡で見えるとかありますが、良い点とこういった突っ込みどころを天秤にかけた場合、遥かに良い点が上回るのがボーンシリーズとして捉えています。
「アルティメイタム」の見せ場は、市街地の追いかけっこと、ラストのカーチェイスシークエンスですが、今作におけるカーチェイスは、ラストへ向かう重要な位置づけでもあり、チェイスがさながら「俺の旅も、これで終わりなんだ!!」というボーンの「覚悟」が見て取れました。
鑑賞中も「ああ、ついに終わっちゃうんだな、ボーン。」という、大好きな食事も進むにつれ、「ああ、食べ終わっちゃうよ・・・」みたいな感傷的な想いを抱かせる稀有な作品です。
ラストも見事なフィニッシュで、これ以上ない終わり方を披露してくれました(モービーの主題歌が本当に良い。アレンジされたのは残念。)
昨年は大作の「3」公開が相次ぎましたが、どれもダメダメ。
「スパイダーマン3」は完全に人民のヒーロと言うことを忘れ、内輪ウケのヒーローとなり、「パイレーツオブカリビアン」にいたっては、まったく持ってエンターテインメントの枠から外れ、駄作となり、ボーンも大丈夫か?と危ぶんでおりましたが、まったくの心配御無用でした。
続編希望の声も多いようですが、ジェイソン・ボーンはこれで終わった方がカッコいい。
ハラハラドキドキ
シリーズ3作のベストです
ハラハラ
リアル!
スピード感がすごい
これで終わり?
ついにこのシリーズも最終章に。。。
それにしてもマットはこれで、凄い人気を博しましたね。
彼の代表作になったといっても過言ではない佳作ですが、
監督がP・グリーングラスということで臨場感も増したかな。
スパイ映画っていうと、小道具やお色気?っていう
面白小ネタが満載なものが多かったと思う頃に出現した、
とっても硬派で真面目なスパイ映画~というのが第一印象。
主役がマットっていうのも、最新007の彼(スイマセン^^;)同様、
なんで??っていう意見が多かったところ、蓋を開けてみたら
大ヒット!!なんかこの二作って、似て非なりなのかしら^m^
頭脳派マットの最大限の魅力が生かされていると思います。
彼、実際に頭が良いので(爆)事実に裏打ちされているというか。
あ、それってJ・フォスターとかにもいえてる…(^^ゞ
だから私はアクションシーンより、彼が常に知的で冷静沈着、
必ずCIAの先をいくところがすごく格好良くて好きでしたが。。
で、今回も監督お得意の臨場感溢れるシーンが満載で、
まったく息をつかせぬ追跡劇が続くので、ずーっと手に汗。。
この日は仕事帰りに観たせいで、余計に緊張して疲れました^^;
気がついたら、ずーっと指を回してたんです、何でだ?(汗)
ただ彼のシーンは、ほとんどスタントマンが演じてたんでX
もうちょっと後ろ姿とか、判らないようにしなさいよ~(爆)
と思いながら、観てました。
それから、冒頭~中盤以降までがその追いかけっこで終始、
肝心の謎…が明かされる後半がものすごく凡庸に見えちゃって。
あんまり私にはピンときませんでした。原作もこうなのかしら。
三作目まで引っ張ってあのラストということは、ひょっとして
まだ続編をつくるつもりなのか~??とも思えたりして^m^
でもどちらにせよ、すごいシリーズだったと思います。
完成度の高いスパイ映画、といったらコレ♪という感じに
なるような気がします。そしてマットの代表作にも。。。
他の共演陣も良かったですね。
今回は女性陣、J・アレンとJ・スタイルズ。でしたが、
どちらも素晴らしかった。ほとんど目で演技してましたね~。
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