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原作がすごく好きで、映画は正直イマイチであった。ちょっとだけ寝てしまった。樹木希林さんが、オカンを上品に演じているところが新鮮でした。
ここで言う上品というのは、自分の勝手な感想ですが。
原作によると、リリーフランキーは子どもの頃から箸の持ち方が変で、直らないまま大人になってしまったそうですが、それもそのはず、オカンに箸の持ち方を注意されたことが一度も無いのだそうです。マナー的なことでオカンから注意されたのは、「人の家で食事を振舞われた際に1番先に漬け物から食べなさんな。他に食べられるおかずが無いという意味になるから」と。箸使いがみっともないとか、他人から笑われることはあまり気にならなかったようですが、相手に残念な思いをさせないように…という気遣いは大事にする人だったみたいです。オカンは自分が手料理を振る舞うのが好きな方だったので、余計そういう事が気になったのかもしれません。
見苦しい箸使いはしない方がいいに決まってますが、どんなに所作が整っていても、相手のことを考えられない人、優しさの無い人は、あまり品があるとは言えません。箸使いを我が子の為にきちんと教えるのも親の愛情ですが、この作品の「オカン」も、素敵な母親だなぁと、そういう子育てもあるんだなぁと思いました。
映画で、オカンが付け鼻をしておどけるシーンがあるのですが、ユーモアがありつつも少し控えめに、ちょっと恥じらいながらおどける姿がいつもの樹木希林さんと違う感じ。闘病中、オトンが病院に会いに来る時も、身なりを気にしてソワソワする所とか。とても可愛らしい。昔の古い炭鉱町、北九州の荒っぽい土地柄に比して、オカンの逞しくもチャーミングな魅力が際立っていました。