2001年宇宙の旅

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説・あらすじ

スタンリー・キューブリック監督と原作者アーサ・C・クラークによる、映画史を代表する不朽の傑作SF。月に人が住むようになった時代。月のクレーターの地中から謎の石碑が発掘され、宇宙評議会のフロイド博士が調査に向かう。それから18カ月後、最新型人工知能「HAL(ハル)9000型コンピュータ」を搭載した宇宙船ディスカバリー号は、デビッド・ボーマン船長、フランク・プールら5人のクルーを乗せて木星探査に向けて航行していた。しかし、その途上でHALが探査計画に対して疑問を抱いていることを打ち明ける。ボーマンとプールはHALの不調を疑い、いざというときはHALの回路を切断することを決めるが、それを知ったHALは反乱を起こす――。極端に少ないセリフや固定した長回しのカメラワーク、「ツァラトゥストラはかく語りき」「美しく青きドナウ」をはじめとするクラシック音楽の使用などが斬新で印象を残す。撮影時に開発された新技術と、科学的裏付けの追求により人工知能HALの暴走がリアルに描かれている。第42回アカデミー特殊視覚効果賞受賞。日本では1968年の初公開を皮切りに何度かリバイバル上映されており、製作50周年となる2018年には、10月6日から国立映画アーカイブでアンレストア70ミリ・ニュープリント版(クリストファー・ノーラン監修)のフィルム上映が行われ、同月19日からはIMAXシアターで2週間限定公開。12月19日には4K URTLA HD&HDデジタルリマスターのブルーレイがリリースされる。

1968年製作/140分/G/アメリカ
原題または英題:2001: A Space Odyssey
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2018年10月19日

その他の公開日:1968年4月(日本初公開)、1978年10月、1995年2月、2001年4月7日、2008年6月28日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)2018 Warner Bros. Entertainment Inc.

映画レビュー

3.5洗練された無機質と隠し切れない感情。

2024年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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すっかん

4.0ゴリラとニーチェ

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

興奮

この作品が1968年につくられたのが驚き。
宇宙船とかリアルでめちゃくちゃすごい。

ただ最初のゴリラは人間だし、砂漠にいるならあんなに毛深くはないだろう。あと宇宙船内のシーンでは、無重力であるべきなんだけど、普通に歩いているし、逆に無重力を表現するような歩き方が馬鹿っぽくてちょっと集中できなかった。
これは制作年における映像表現の限界であるし、そこを批判してもどうにもならないのだが。

最後ボーマンが幼児になるのは、ニーチェの「超人=幼児」を表現しているのだろう。「幼児は無垢であり、忘却である。新たな開始であり、遊戯である。自分自身で回転する車輪、始原の運動、聖なる肯定」(ニーチェ1973、39)

なにはともあれSF映画の古典だろうし、みれてよかった。

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まぬままおま

5.0One of the Best Films Ever--I've Seen Many Films

2021年1月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、映画館、VOD

怖い

興奮

知的

A triptych story across the ages, with a kaleidoscope epilogue that falls off the edge of the universe. Supercomputer HAL presents a dual villain who is working to survive like everybody else. We don't know if somebody programmed him to be that way or... Also what is the monolith's motive? The film's philosophy is an optimistic conclusion to the beast of monkey to man. Infinitely stones unturned.

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Dan Knighton

4.5キューブリックの「予言」

2025年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

驚く

 まず驚いたことは、1968年にこれだけの特撮ができていたことです。木星に向けた宇宙船のアームが動き繊細な操作をおこなう。スターウォーズ誕生9年前にキューブリックはやってのけたのです。ルーカスほどのスピードや動きはありませんが、機械類や操作盤など当時見た人は驚愕したでしょう。2001年まで33年前です。2025年の今見ても1968年にこの映画を作ったという驚きしかありません。
 難解な映画といわれています。そうですあの「黒壁」が何を意味するのか。この映画は人類の祖先、サルの時代から始まります。サルが群れをなして縄張り争いをしています。そこに「黒壁」が出現します。サルたちは何をしたか。「武器」を発明し敵対する群れを駆逐します。
 シーンは切り替わり月に向けた宇宙船の中の描写になります。月に行くことが日常茶飯事になっている状況です。異常な事態がおこります。月になにか不明な物体がある、人類に危機を及ぼす恐れがあると研究者は危惧します。月のその場に行ってみると、あったのは「黒壁」でした。またしても黒壁です。
 それから8カ月後、木星に向けた宇宙船の船内の描写に切り替わります。乗組員は5人ですが3人はいわゆる冬眠中で船内では2名が仕事に従事しています。しかも宇宙船を実質動かしているのは人工知能であるHALです。このHALが宇宙船すべてをコントルールしています。
しかしある日HALは暴走します。人間の命令に背くのです。そこで乗組員2名はどうなったか。ラストシーンにあらわれるのはまた「黒壁」です。
 「黒壁」はなにを意味するのか。そこにこの映画最大のテーマが隠されています。
サルの時代「武器」を持った時点で「進化」しているのです。「進化」はなぜ必要か、それは生存のためです。生存するためには、戦いに勝たねばならない。つまり人類の「進化」は戦い、戦争の繰り返しを意味するのです。まさに人類は戦争を繰り返し「進化」していきましたよね。それをキューブリックは描写しているのでしょう。
 次に月にあらわれた「黒壁」です。人類に危機をおよぼす恐れがあるもの。キューブリックの「予言」を解釈するのならまさに「コロナウイルス」の発生です。人類が「進化」し人間が創りだしてはいけないことに手をだした。この警告は数年前に全世界で人類が経験したことに直結します。
 そして最後のHALの暴走。キューブリックはAIの誕生を1968年には「予言」していたのです。それも人間の知能をはるかに超えるAIの出現を。
 その結果どうなったか。最後にまたしても「黒壁」です。人類の「進化」のために作りだしたAIに人間がコントールされる。はたして人類の「進化」はこれほど必要であったのか。今、2025年に再度見て深く考えさせられました。
 キューブリックが1968年に「予言」した2001年。その「予言」は戦争の繰り返しはあたりまえのように続き、2001年まで人類は「進化」を止めませんでした。そして2025年。2020年コロナウイルスが世界を席巻し今まさにAIの開発に投資、研究戦争が進められています。
 人類はまだ「進化」と「黒壁」が必要でしょうか。充分人類は進化してきたのに。まさにサブタイトルの「a space odyssey」「長い冒険旅行」をしてきたのです。キューブリックが「予言」したHALの暴走だけは止めないといけません。
 キューブリックは人類とはいつまでも「進化」し続ける存在であり、その「進化」に人類が人間をみずから失うことを「長い冒険旅行」と捉えたのです。
1968年のキューブリックの「予言」とおりに人類は生きている。HALが支配する宇宙船の中にあらわれた最後の「黒壁」は人類の「死」を「予言」しています。それでいいのか、今改めて考える最後の時ではないでしょうか。

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かな

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