地獄の英雄 劇場公開日:1952年9月16日
解説 ビリー・ワイルダーが長年の脚本パートナーであったチャールズ・ブラケットと離れ、新たな脚本家を迎えた作品。ニューヨークの新聞社から閉め出されたジャックは、洞窟内で生き埋めになっている男を目撃する。是が非でも一流紙に戻りたい彼は、スクープを利用し情報操作に手を染める。おのれの野心のためなら手段を選ばない新聞記者が、世論に裁かれる姿は見応え十分。世間の評価が芳しくなかったため、スタジオ側が「Ace in the Hall」から「The Big Carnival」にタイトルを変更したという逸話も。
1951年製作/111分/アメリカ 原題:The Big Carnival(Ace in the Hall)
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天才ビリー・ワイルダー監督が、消費社会とジャーナリズムの恐ろしさを描いた知られざる傑作です‼️マイケルダグラスのお父さん、カークダグラス扮する敏腕記者が、洞窟の中で生き埋めになった男の救出をわざと遅らせ、この事件をビックニュースに仕立て上げ、自分の特ダネにしようとする・・・事故現場にキャンピングカーが並び、テントが張られ、救出作業の進展をスポーツ観戦のように一喜一憂し、子供たちは作られた遊園地ではしゃぎまわるという設定は今観ると嘘っぽく感じられますが、ワイルダー監督の演出とカークダグラスの熱演でミョーにリアルに魅せてくれます。悪行が祟って罰を受けた主人公が床に倒れて息絶えるラストシーンも絶妙ですね。
2022年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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監督・製作・原作ビリー・ワイルダーの1951年製作のアメリカ映画。 原題:The Big Carnival(Ace in the Hall) 酒癖の悪さでニューヨークの新聞社を首になった記者(カーク・ダグラス)が、ニューメキシコで男(リチャード・ベネディクト)が洞窟で生き埋めになった事故に遭遇し、保安官を活躍記事で選挙で有利にしてやると説得しわざと救助を遅らせて、一大事件・イベントに仕立て上げる。 煽った記事につられて、多くの野次馬が集まり、多くの新聞記者等も集まる。生き埋めになってる男の妻(ジャン・スターリング)が仕切る売店も閑古鳥が鳴いていたのが、一気に大繁盛。更に抜け目なく、押しかける人々から通行料も巻き上げる。 カーク・ダグラスは保安官やスターリングと結託し、ニュース源を完全に独占。更に、元居た大手新聞社から、記事配信と引き換えに復帰の約束も取り付ける。カークは記事を配信続け、話題の場所を一眼見ようと、まるでレジャーランドの様に、多くの人間がこの場所に押しかける。70年前の映画であるが、現代一層顕著になったマスメディアのセンセーショナルリズムを見事に描いていて、とっても驚かされた。 最後ハッピーエンドで終わらせるはずだったカーク・ダグラスだったが、生き埋め男は重篤な肺炎になってしまう。愛する妻にと買ってあったプレゼントを渡してと頼まれ実行するが、妻の方は感謝の気持ちは皆無。妻に怒り覚え首を絞めるが抵抗され持っていたハサミで刺されてしまうダグラス。生き埋め男も亡くなり、良心の呵責からか牧師手配とかで奔走したダグラスも重傷だったのか、最後倒れてしまう。 妻をひたすら愛したまま亡くなってしまうリチャード・ベネディクト、それに全く応えようとせず都会に行くことを計画してる冷徹で現実的なジャン・スターリング、エゴイスティックながらワルに徹することができず宗教心を思い出すカーク・ダグラス、その3人それぞれの人間模様もなかなかに味わいが深いものがあった。 ハリウッド映画では見たことが無いタイプ、シニカル度がとてもとても高い傑作映画と思えた。 脚色:ビリー・ワイルダー、レッサー・サミュエルス、ウォルター・ニューマン。 撮影チャールズ・ラング、音楽ヒューゴ・フリードホーファー。 出演は、カーク・ダグラス、ジャン・スターリング、リチャード・ベネディクト、 ボブ・アーサー、ポーター・ホール。
2017年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
人の不幸は蜜の味なのか、人命救出がイベントに化す様子がそら恐ろしい。カーク・ダグラスの悪どさも迫力。