ブロークン・フラワーズ

劇場公開日:

ブロークン・フラワーズ

解説

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「デッドマン」のジム・ジャームッシュ監督、6年ぶりの新作長編。ビル・マーレイ演じる中年男性の元に、ある日届いた手紙には「あなたの子供がもうすぐ19歳になる」と書かれていた。彼は20年前の交際相手を訪ねて回るが……。05年のカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞し、ジャームッシュ復活を印象づけた。

2005年製作/106分/PG12/アメリカ
原題または英題:Broken Flowers
配給:キネティック
劇場公開日:2006年4月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第58回 カンヌ国際映画祭(2005年)

受賞

コンペティション部門
グランプリ ジム・ジャームッシュ

出品

コンペティション部門
出品作品 ジム・ジャームッシュ
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(c)2005 Dead Flowers Inc.

映画レビュー

5.0大人の修学旅行

2022年10月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

気の乗らない男ドン =ビル・マーレイ。
ジム・ジャームッシュの撮る男たちは、いつもながら覇気がなくて、それが実に好ましい。
スター俳優ではなくて、巷に、いつもどこにでもいる見慣れた男たちがここでも主演だ。

隣人ウインストンに尻を叩かれて
かつて愛した4人+1人の女を訪ねることに。

エチオピアの弛緩したフュージョン音楽がバックに流れる。これはもう、いやいやながらの道中にピッタリというものだ。

①ローラの巻
レーサーの妻、裸の娘はロリータ。
奇妙な体験だったがベッドも共に出来た。ドンはこれに気を良くして次へ行く・・

②ドーラの巻
不動産業の夫婦、ドンの贈ったパールとフォトグラフは大切に保管されている。今の夫は韻を踏んでロン。
しんみりと、しかし満足の再会。

③カンメンの巻
動物と会話する博士。心を読むのではなく自立して相手と会話をせよと指導される。人間もかくあれと。
花は突き返されて、思惑が外れる初めての再会。

④ペニーの巻
荒くれバイカーたちと暮らす女。打ち捨てられたピンクのタイプライター。
「ごめんなさい」どころか罵られて強烈なパンチを御見舞いされる。
ほうほうの体の再会。

⑤ぺぺの巻
墓を訪ねての再会。愛したぺぺは最近死んだのだ。
死者ならばペニーのようには立ちかかっては来ないだろう。でもここでドンは一番やられている。
傷心で満身創痍の墓参。

・・・・・・・・・・・・

【過去を美化するなかれ】
ピンク♡ピンク♡ピンク♡の 過去の思い出が、5つの旅でセピアでグレーなものに変わる。

ジム・ジャームッシュが6年ぶりに撮ったという本作品だが、この人の本領はやはり「セピアでグレー」だ。
思わぬ「カラーの画面」に観始めて驚いたが、やはり彼のベースはモノクロ。まるで着色写真のように見える色味で、ドンの心象風景を敢えてチープに表出している。
過去をバラ色にしたいコンチキ野郎の心理をBrake ってことだろう。

❈ ❈ ❈

【わかっちゃいるけどやめられない】
独居老人は、寂しさゆえにオレオレ詐欺にやられるものだ。
(隣家のウィンストンのように子沢山でわちゃわちゃせずに)ソファーに横たわっている孤独な男ドンは、過去への妄想と他人の体温にすがってしまうから。だから悪魔の囁やきに散華したのだろう。

インターネットを駆使すれば、かつての愛人たちに再会は可能な世の中だ。
グーグル・ストリートビューで僕らも昔の思い出を密かに辿ってみることも、あるのではないか。

「ライオン25年目のただいま」ではインドの生みの母に会いたくてパソコンは大活躍だったが、
本作、ストーカーギリギリの探索が招いた結果は
「やぶ蛇」。

❈ ❈ ❈

【そもそもピンクの手紙など来るはずがなかろうが】
“過去に引きずられる男の性”、
“TAURUSではなくPORSCHEで昔の女に会いたい”とか、
・・僕と同性の監督として、痛いとこ、こそばゆいとこ突いてくるし、
男を良く分かってくれているジャームッシュにはニヤリとしてしまう。
一本取られたね。

サンキューJim。いい勉強になりました。
チーズサンドごちそうさま、
一生ついて行きます(笑)

·

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きりん

3.51人目、2人目と再会していくごとに元カノの扱いが冷たくなっていくの...

2022年6月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1人目、2人目と再会していくごとに元カノの扱いが冷たくなっていくのが印象的。何も解決しないで終わるのは予想通り。

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Mr. Planty

3.5ほのぼの

2022年6月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

楽しい

結局、最後までよく分からないけど、ビル・マーレイはずっとふわふわしてた👍
ラストのワーゲンに乗った男は実の息子らしいが、まさかあれがオチなのか👏

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ヒックス伍長

5.0そう!ホリー・ゴライトリー!ブロークン・フラワーズ冒頭の歌の歌手。

2022年5月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ジム・ジャームッシュの映画で、最初に見た映画。小岩の古本屋さんで中古DVDを買った。3年位前だと思う。初めて見た時、冒頭の音楽に惹かれてしまった。その後『ティファニーで朝食を』を読んで、感動していると、なにか聞き覚えのある名前が頭に閃いた。そう!ホリー・ゴライトリー!ブロークン・フラワーズ冒頭の歌の歌手。そして『ティファニーで朝食を』の主人公。それで、この映画更に好きになった。

当初から、エチオピアのJAZZと言うから、ラスタカラーのレゲエだろうと思って見ていて、それを大きく良い意味で裏切り、レゲエとJAZZの新しいクロスオーバーミュージックと思っている。そう、今でも。
ストーリーも言うまでもない。音楽とストーリーの為に何度も見返した。今日も見たが、ビル・マーレイ演じる主人公の出した答えは?僕は分かったつもりでいる。今日も分かった。

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When I am 75♥️