メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬

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劇場公開日:

解説

俳優トミー・リー・ジョーンズが初監督と製作・主演を務め、アメリカとメキシコの国境地帯を舞台に描いた人間ドラマ。テキサス州の国境付近で、メキシコ人カウボーイのメルキアデス・エストラーダが遺体となって発見された。彼の親友だった初老のアメリカ人ピートは、国境警備隊員マイクがメルキアデスを射殺した犯人だと知る。メルキアデスは生前、自分が死んだら故郷ヒメネスに埋葬してほしいとピートに頼んでいた。ピートはマイクを拉致するとメルキアデスの遺体を墓地から掘り起こし、そのままマイクを連れてメキシコへと旅に出る。共演は「グリーンマイル」のバリー・ペッパー、カントリー歌手のドワイト・ヨーカム。「21グラム」「アモーレス・ペロス」のギジェルモ・アリアガが脚本を手がけた。2005年・第58回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞を受賞。

2005年製作/122分/アメリカ・フランス合作
原題または英題:The Three Burials of Melquiades Estrada
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2006年3月11日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第58回 カンヌ国際映画祭(2005年)

受賞

コンペティション部門
脚本賞 ギジェルモ・アリアガ
男優賞 トミー・リー・ジョーンズ

出品

コンペティション部門
出品作品 トミー・リー・ジョーンズ
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映画評論

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映画レビュー

3.5素晴らしい カメラだ

2024年10月31日
PCから投稿

映画用のカメラってのは普通の市販カメラよりもはるかにはるかに高性能。映画用フィルムカメラはだいたい数千万円したそうだ。 そういうカメラで撮ったこのフィルム写真は本当に美しい。この美しさがなかったら この映画は全く成り立たなかったであろう。 脚本があんまり優れてなくても写真が優れていればここまで人を引き付けることができる。

なんでちょっと知り合いなだけの男のことに、こんだけ入れ込むのか? 脚本では全くうまく描けていない。 それをカメラがカバーしている
この女たちの浮気感覚は何なのだ? 脚本ではうまく描けていない。 それをカメラがカバーしている
結局、彼はどこから来たのか?何者だったのか? 脚本では全然 表現できていない。 それをカメラがカバーしている
それもこれも全てフィルムの美しさのおかげだ 。映画監督よ映画はフィルムで撮れ。

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タンバラライ

4.5この世はただただ風が吹くのみ

2023年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純だが自然の摂理に触れるような奥深いテーマを、アメリカとメキシコの寂れた国境地帯を舞台にぶっきら棒に淡々と描いた作品。

生きるとは何か、責任とは何か…
寂れた国境地帯で人間社会に片足を突っ込みながらも、自然と共に生きる心を失わない老いたカウボウイ。
人間社会のルール以前の、もっと動物的な、もっと真理に近い「生きる機序」を淡々と若者に伝えてゆく。

社会のシステム(ルール)が、どんどん複雑化する一方の現代。
それに伴い、身近にある単純明快なモノがどんどん見え(捉え)にくくなっています。
浮世の全てをそぎ落として、生きるとは? 責任とは?(その他もろもろ)
を、この映画を観てもう一度考え直してみるのはいかがでしょうか♪

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たび☆びと

4.0地球を調査する宇宙人

2020年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 序盤に時系列をいじってあるのなら、前もって教えてほしかった。おかげであちこちに出てくるトミー・リー・ジョーンズが地球を調査する宇宙人じゃないかと疑ってしまった・・・

 スペイン語も自由自在のトミー・リー・ジョーンズ。今作品での彼はメキシコ人メルとの篤き友情もさることながら、一つの約束を守るためにかなり強引な方法でわが道を突き進むカウボーイだ。自分よりもかなり若いメルキアデスを殺された悲しみと、不法入国者であるというだけで人権を無視するアメリカ人を憎んでいるかのような性格を表に出すのです。とりわけ品行方性でもないけど、メルを故郷のヒメネスで埋葬するんだという一途な想いが伝わってきました。

 友人を殺された恨みで短絡的に復讐するというのも一つの道だったのかもしれないけど、目的を果たすために犯人を殺すわけにはいかなかったのだ。自分の財産なんてのもどうなろうと知ったことじゃない。ロバや馬を失い、細かな経費さえ目的のためならば惜しまない。さらに国境警備隊の包囲網も突破しなければならなかったのです。

 ロードムービーとなる後半。馬とロバと犯人と死体という不思議な組み合わせによって、とんでもないコースを辿る。途中、孤独な盲目の老人のエピソードや、ガラガラヘビの毒で死にかかった犯人を助けるくだりも面白い。そしてメヒネスという町は存在しない!という意外な展開で最高潮に達しました。

 その他、犯人の嫁さんとメルキアデスの関係や、二人と不倫しているウェートレスとか、暴力の因果応報などといった複雑に絡み合う人間の面白さが秀逸でした。それにしても、親切なメキシコ人からもらったクマの肉はいつ食べたのだろう。死体と一緒に食べたのかな。そして、盲目の老人の行く末も気になるところですね。

【2006年7月映画館にて】

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kossy

3.5心象風景を映像化したような作品

2019年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

テキサスの殺風景が堪能できる。個人的には嫌いではない作風。
現実のようで夢をみているような、心象風景を映像化したような作品。なので、意味を求めると置いていかれる。ずっと意味がないことをしている。

舞台はアメリカだが、アメリカぽくない映画。開放的なロケーションだが非常に内向的な内容。フランスや日本の監督(もちろん一部の)の作品のほうに近い気がしなくもない。商業的な成功を狙っている感じがしない。おそらく、あの監督とあの監督の作品は観ているだろうな、そこは意識(或いは無意識に)したんじゃないか。勝手な印象だし、ぼかしとくが。

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okaoka0820

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