ザ・ザ・コルダのフェニキア計画

劇場公開日:2025年9月19日

解説・あらすじ

ウェス・アンダーソン監督がベニチオ・デル・トロを主演に迎え、ビジネスの危機的状況を打開するべく旅に出たヨーロッパの富豪ザ・ザ・コルダが、娘で修道女のリーズルとともにさまざまな事件に巻き込まれていく姿を描いたコメディ。

独立した複数の都市国家からなる架空の大独立国フェニキア。6度の暗殺未遂を生き延びたヨーロッパの大富豪ザ・ザ・コルダは、フェニキア全域におよぶインフラを整備する大プロジェクト「フェニキア計画」を画策していた。成功すれば、今後150年にわたり毎年ザ・ザに利益が入ってくる。しかし妨害により赤字が拡大し、30年かけて練り上げてきた計画が危機に陥ってしまう。ザ・ザは資金調達のため、疎遠になっていた娘で後継人の修道女リーズルとともに、フェニキア全土を横断する旅に出るが……。

共演にはケイト・ウィンスレットの実娘で俳優のミア・スレアプレトン、マイケル・セラ、リズ・アーメッドら、ウェス・アンダーソン監督作に初参加のキャストに加え、トム・ハンクス、スカーレット・ヨハンソン、ベネディクト・カンバーバッチらおなじみの顔ぶれも集結。2025年・第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2025年製作/102分/G/アメリカ・ドイツ合作
原題または英題:The Phoenician Scheme
配給:パルコ
劇場公開日:2025年9月19日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第78回 カンヌ国際映画祭(2025年)

出品

コンペティション部門
出品作品 ウェス・アンダーソン
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映画レビュー

4.5 タイトルだけだとよくわからんが、近作では飛び抜けてとっつきやすいのでは?

2025年9月30日
PCから投稿

もはやコマ撮りアニメであろうが実写映画であろうが、外に出てロケ撮影するのではなく撮影スタジオにセットを建てて一分の隙もなく映像をコントロールするようになったウェス・アンダーソン。箱庭的な美意識は揺らぐことはなく、観ていて息が詰まるような感覚に陥ることもあったが、本作はいささかネジの外れた親子の絆と冒険のお話という一本筋が通っているせいか、よりリラックスして楽しめた。妙な寄り道ばかりしているように見えるのも、人によっては退屈かも知れないが、そういうディテールにこそ神が、いやアンダーソンが宿っていたりするし、Netflixの短編以降、そういうムダなディティールに遊び心が戻ってきたように感じていて、本作の寄り道もいちいち愉快。まあこの辺の印象は観る側がアンダーソンに何を求めているかで大きく変わるとは思いますが。でもベニシオ・デル・トロ演じるザ・ザ・コルダが無茶苦茶だけど飛び抜けて魅力的なキャラであることは誰もが賛成してくれるのはないか。娘リーズル役のミア・スレアプレトンももともとウェス・アンダーソンの大ファンというだけあってどんなテンションの演技が必要なのか完璧にコントロールしていてみごと。

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村山章

3.5 アンダーソン流の不意を衝くアクションに驚かされる

2025年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

アンダーソン一座の巡業の季節がやってきた。近年は豪華キャストが横一列に人間模様を織りなすタイプが多かったが、本作では家族、そして傍若無人さと愛嬌を併せ持つ家長が旋風を吹かせる懐かしいスタイルへと回帰。だが、見せ方や取り扱う題材は従来とやや異なる。私が驚いたのは、その鮮烈かつ独特なアクションだった。とりわけ冒頭の飛行機爆破に至っては、いわゆる大作系のカタルシス的アクションとは次元の異なる、突然何が起こったか分からなくなるほどの瞬間的演出によって機能美と衝撃、双方の効果を提示してみせる。その後も幼子が放つ無数の矢といい、突如はじまるバスケの試合といい、アンダーソン作品に単なる精緻な構図の絵巻物とは別の、動的衝動がもたらされているのを感じる。時折、展開が速すぎたり、情報量が多すぎたりして咀嚼する時間が足りなくなるが、父娘が織りなす人生を変える旅路は味わい深く、ドタバタの先に待つ風景に心奪われる。

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牛津厚信

4.0 敷居が高そう...と恐る恐る観ましたが、コメディとして面白い!

2025年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

斬新

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みちくさ

3.5 なんとも言えぬ解放感があった。

2025年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「グランド・ブダペスト・ホテル」ほどの快活さや「アステロイド・シティ」のような唐突さはないが、多数の芸達者たちによって演じられたコメディー。
タイトルにあるフェニキアは、地中海の貿易で活躍し、現在のアルファベットの元になる文字を見出したことで知られている。この映画で目指しているのは、ヨーロッパの基軸になるような経済圏を打ち立てることか。地図は、どうみてもフランスだったが。そう言えば、東洋人は目立たなかった。
1950年代、莫大な財産を持つザ・ザ・コルダは、血脈を中心に、鉄道、トンネル、発電など産業のインフラを整備し、一族の150年にわたる繁栄を夢みる。自分の後継者として、9人いる男の子ではなく、修道院に入っている(本当に自分の子供かどうかもわからない)ただ一人の女の子、リーズルを指名する。しかし、国際シンジケートによる資材の価格釣り上げ、襲撃などが次々と押し寄せ、分担金の調整に追われる。西洋音楽でも、150年を一区切りにすると判りやすいと昔、習ったっけ。
途中かなり寝たのかもしれないが、それでも楽しめたのには、二つの理由がある。なんと言っても、主人公が浴槽に浸かりながらオムレツを食べるところからはじまり、最後は自分で調理し、達者に皿を洗うところで終わること。もう一つは、絵画と音楽だろう。
邸宅の部屋、特に寝室にルノワールの「青い服の子供(エドモン・ルノワール)」やルネ・マルグリットの「The equator(赤道)」などの実物が飾られ、スペインの大物が「マハ作品」などを隠し持っていたことが思い出される。秘匿していた秘本なども出てくる。音楽では、最後にIgor Stravinskyの名前が大きく出るが、前半のバレエ音楽「ペトルーシュカ」、最後を飾ったバレエ音楽「火の鳥」の終曲、中盤ではバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」の合唱ヴァージョンがよかった。観客を飽きさせないヴェス・アンダーソン監督のマジックに魅せられる。

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詠み人知らず

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