来る

劇場公開日:

解説

「嫌われ松子の一生」「告白」「渇き。」の中島哲也監督が、岡田准一を主演に迎え、「第22回日本ホラー大賞」で大賞に輝いた澤村伊智の小説「ぼぎわんが、来る」を映画化したホラー。黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡らが顔をそろえる。恋人の香奈との結婚式を終え、幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に謎の来訪者が現れ、取り次いだ後輩に「知紗さんの件で」との伝言を残していく。知紗とは妊娠した香奈が名づけたばかりの娘の名前で、来訪者がその名を知っていたことに、秀樹は戦慄を覚える。そして来訪者が誰かわからぬまま、取り次いだ後輩が謎の死を遂げる。それから2年、秀樹の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、不安になった秀樹は知人から強い霊感を持つ真琴を紹介してもらう。得体の知れぬ強大な力を感じた真琴は、迫り来る謎の存在にカタをつけるため、国内一の霊媒師で真琴の姉・琴子をはじめ、全国から猛者たちを次々と召集するが……。

2018年製作/134分/PG12/日本
配給:東宝
劇場公開日:2018年12月7日

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(C)2018「来る」製作委員会

映画レビュー

3.5中島哲也がホラーを手がけると……

2022年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

「告白」「渇き。」の中島哲也監督が、岡田准一を主演に迎え、「第22回日本ホラー大賞」で大賞に輝いた澤村伊智の小説「ぼぎわんが、来る」を映画化すると聞いた際は、どのようなホラー作品になるのかワクワクした気分になったものだ。
しかも共演陣は妻夫木聡、黒木華、「渇き。」の小松菜奈、「告白」の松たか子。
さて、本編を観て感じたのは、「これはホラーなんだろうか?」ということ。
その論点さえ横に置いておけば、ギクッとする瞬間も、爆笑する瞬間もあり、個人的には楽しめたのだが……。いずれにしても、人は見る角度によって全く異なる見え方をするということを、改めて提示した作品でもあった。

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大塚史貴

4.5ホラー名手による別バージョンも夢想してしまうが、松&小松の霊媒師姉妹で続編も観たい

2018年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

原作は澤村伊智のデビュー作で滅法面白い。中島哲也監督は主要人物の造形に力を入れ、人間の裏の顔の恐ろしさを強調したので、小説版の化け物ホラーの要素を期待するとあてが外れるかも。これが例えば、黒沢清などのホラー名手によって映画化されたら、どんな怖い映画になったかと夢想してしまう。

一方で、比嘉琴子と真琴の姉妹を演じた松たか子と小松菜奈は、原作にあった数少ないユーモア要素も含め、キャラの魅力を的確に表現していた。小説は比嘉姉妹シリーズとしてもう2冊出ているので、松&小松のキャストで続編も可能では。中島監督のエンタメ路線の継承でもいいし、ホラーに回帰してもいい。

終盤のお祓いの儀式は大仰だが、考えてみると神事は非現実的な存在を前提にしたイベントだから、お祭りの賑やかさで除霊をするというのは意外に正しいのかも。「信じる者は救われる」の言葉と合わせ鏡で、「呼ぶ者のところに、ぼぎわんが来る」のだ。

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高森 郁哉

4.0中島哲也がホラーを手掛けるとこうなった

2024年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

採点3.8
何というか中島哲也がホラーを手掛けるとこうなった、といった作品でした。
キャストの厚さから気合を感じたのですが、すぐに「これはホラーか?」となります。
エンタメ路線に振り切っておりテンポが良い。ホラーというよりも、サスペンスよりに力が入っている感じでした。
が、これはこれで面白いです。
章じたてのように主人公が変化するようで、それぞれの視点で物事の見え方が変化するのも面白い。
2章分じっくりと描いてた育児問題も、後半に至っては最早全く関係無いといった展開。
クライマックスでは国や宗教も隔てたオールスター霊媒師達と化け物との戦いという、少年誌や特撮のようにグッとくるアツい展開になります。
ここのシーンは何というか、庵野作品のような盛り上がりがありましたね。
途中で襲われ辿り着けない霊媒師達もいて、散り散りに向かう箇所もあったりと、ここら辺の細かい作りも良いですね。
ラストもバツんと潔い終わり方でした。
観終わってみるとやはりホラーでは無い印象ですが、何とも言えない面白さがありました。
これは続編・もしくはスピンオフといった形でも良いので、霊媒師姉妹の物語が観たいですね。
松たか子と小松菜奈の二人ともキャラが良かったので、これは期待したいです。
何だかんだ楽しめました。

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白波

3.0何が「来る」のか、わかんなかったっす。(毛虫かな?)

2024年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映画前半の田原家の(というか、秀樹と香奈の)結婚と出産と育児が、どの家庭で起きてもおかしくないリアルな地獄で実に恐ろしい。田原家の法事に参列し、閉ざされた姻戚関係の中に放り込まれた香奈の寄る辺なさは、誰でも経験した/させた/させることになる現実だ。
秀樹が「平和で幸せな」家庭生活を見せびらかす媒体が「ブログ」というのは時代的にどうかな? FacebookやInstagram的なものであるべき……ま、枝葉末節だけど。
知紗が生まれて秀樹の幸せアピールが度を越していく一方で、香奈にかかる負担が夫婦間で分散されない描写は極端にみえるかもしれないが、自分にも身に覚えがあり戦慄した。外側から見たら同じことやってた(幸せアピールはしてないが)。家族の心の平和を保証してくれるはずの家庭でパソコン打ってばかりで、会社にいる方が楽しそうな秀樹。これ何十年か前の自分じゃんと…。
そんなこんなで怪異が起こるわけ(全然説明になっていない…)だが、何かが襲ってくるエピソードはかなり怖い。特に電話を使った何物かの翻弄は恐ろしかった。

この映画の特異なのは、フォーカスする人物がどんどんドリフトしていくことで…つまり死んでいく。で結局なんだ主人公は除霊師姉妹の比嘉真琴と比嘉琴子だったのかよ、となる。あと、悪の依り代となる娘の知紗。
琴子の呼びかけで全国からあらゆる宗派の「霊能者(仮)」が集まり、大調伏大会となるのだが…。

問題は彼らが対決する邪悪なものが何なのか結局よくわからないこと。秀樹の少年期の体験にその原因があるともとれる表現はある。だが、それがあの惨劇につながるほどのこととも思えない。「悪は実体のないもので理由があって悪事をはたらくわけではなく、ただ人を惑わし傷つけるもの」なのだろう。理由がわからない凶事ほど人を不安にさせるものはないし。だからといって、悪の起源か正体をあまりに不明確にしたままというのも、映画的には納まりが悪い。なので、なにか終わった感じがしないし、オムライスの歌でお茶を濁された感が拭いきれない。

最後に、せっかく作中でBONNIE PINKの曲『Evil and Flower』のコーラス版を使ったのだから、エンドクレジットでBONNIE PINK(piano version)版を流せばテンション爆上がりだったのに!

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