コラム:映画食べ歩き日記 - 第1回
2019年10月25日更新
第1回:高円寺「Cafe & Bar BIG FISH」 圧巻の映像&音響システムを備える、映画ファンの秘密基地
映画とおいしいごはんに目がない映画.com編集部員が、映画をコンセプトにした飲食店や、映画のロケ地となった場所をめぐるコラム「映画食べ歩き日記」がスタート。第1回目は東京・高円寺にある「Cafe & Bar BIG FISH」を訪れた。(映画.com編集部/飛松優歩)
高円寺駅の北口から徒歩3分、歓楽街の一角にティム・バートン監督作品「ビッグ・フィッシュ」の名前を冠した同店への入り口が、ぽっかりと口を空けている。地下に続く階段には、映画俳優たちのアートパネルやポスターがぺたぺたと貼り付けられ、早くもテンションはMAX! 地下1階に広がる空間には所狭しとDVDや映画グッズが並び、映画ファンの心を刺激する。オーナーの槙原圭亮さんが「1980~90年代のアメリカをイメージした」と語る通り、ウッディな店内にネオンが光るどこか懐かしさを感じさせる店内は、まさに映画ファンの秘密基地といったところ。
何と言っても目を引くのは、巨大スクリーンと圧巻の音響システム。ホームシアターのレベルを凌駕する映画館のような映像&音響で、食事を楽しみながら映画を鑑賞できる。映画オタクであると同時にオーディオオタクでもあったという槙原さんは、ビートルズのアビー・ロード・スタジオや、ジョージ・ルーカスのスカイウォーカー・サウンドのものと同じサウンドシステムを採用。キンキンした響きになりがちな高音も、あたたかみのある柔らかい音になり、「(『タイタニック』の)マイ・ハート・ウィル・ゴー・オンを流すと、すごいですよ」と教えてくれた。
店内にちりばめられたグッズをチェックするのも、来店の際の楽しみのひとつ。「ラ・ラ・ランド」のジャズバー「SEB’S」や「バットマン リターンズ」に登場する「HELL HERE」のネオン、「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」の宙に浮く未来のスケボー“ホバーボード”、「ショーン・オブ・ザ・デッド」でゾンビ撃退につかわれるクリケットラケットなど、目を凝らせば様々なお宝アイテムが見つかるはず。
さらに、映画の世界観を反映したフード&ドリンクも充実。メキシコ系アメリカ人俳優ダニー・トレホが経営するタコス屋にインスパイアされたという看板メニューのタコスをはじめ、「時計じかけのオレンジ」のミートソーススパゲティ、「クレイマー、クレイマー」でダスティン・ホフマンが苦戦しながら料理していたフレンチトースト、「ホーム・アローン」のマカロニチーズなど、映画で見ていて一度は「食べてみたい!」と思ったことのある夢のメニューが揃っている。
この日は、「デス・プルーフ in グラインドハウス」のナチョスを試食! パリパリのナチョスに、チリコンカンとサワークリームがトッピングされ、カート・ラッセルが口に油やチーズをつけながら頬張っていたやつが再現されている。これはイケる! さらに、「ジョン・ウィック」でキアヌ・リーブスが痛み止め代わりにあおるバーボンウィスキー「ブラントンシングルバレル」、国内限定500本の「ブレードランナー 2049」とコラボした「ジョニーウォーカー・ブラックラベル・ザ・ディレクターズカット」もいただいた。
アルコール度数46.5℃のブラントンは上品な甘さの奥にスパイスの利いた芳醇な味わいが広がる。ジョニーウォーカーがドゥニ・ビルヌーブ監督の協力を得て「未来のウィスキー」をコンセプトに作り上げたもので、フルーティなバニラの香りとすすけた濁りが特徴的。“デッカードグラス”でぐいっと喉に流しこめば、気分は一気にブレードランナーだ。アルコールだけではなく、「パルプ・フィクション」でミア(ユマ・サーマン)が飲み干す「5ドルのミルクシェイク」は、トップのサクランボがキュートな一杯。たっぷりとした甘さが口の中を支配し、ミアが思わず口角を上げた気持ちも分かるというもの。劇中に登場した銘柄を味わえるだけではなく、DVDやアイテムと並べて写真撮影ができることも嬉しいポイントだ。(次ページに続く)
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