マイケル・チミノ
米ニューヨークシティ出身。CMディレクターとして成功を収め、1971年、ロサンゼルスに引越し執筆活動を開始。SF映画「サイレント・ランニング」(72)の脚本家のひとりとしてハリウッドでのキャリアをスタートさせる。「ダーティハリー2」(73)の脚本でクリント・イーストウッドに認められ、自身が脚本を執筆した「サンダーボルト」(74)で監督デビュー。ベトナム戦争で心身に傷を負った若者たちを描いた「ディア・ハンター」(78)は、アカデミー賞で作品賞・監督賞を含む5部門を制覇するなど高く評価された。続く大作西部劇「天国の門」(80)は、予算・撮影期間ともに大幅にオーバーして完成させたが、興行的に全く振るわず、製作会社ユナイテッド・アーティスツは倒産へと追い込まれた。以降、チミノ自身も低迷。「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」(85)、「シシリアン」(87)など長編4作品と、オムニバス映画「それぞれのシネマ カンヌ国際映画祭60回記念制作映画」(07)の1編を監督したにとどまる。16年7月2日他界。享年77歳だった。誕生日は諸説あり。