ビットリオ・デ・シーカ
伊ローマ近郊に生まれ、ナポリで育つ。貧しい家計を支えるため若くして会社事務員の職に就くも、演劇の世界に魅了され劇団に参加。1923年に初舞台を踏むと二枚目俳優として人気を獲得し、30年代にはイタリア映画で主演を務めるまでになる。40年から監督に転じ、第5作「子供たちは見ている」(43)で脚本家チェザーレ・ザバッティーニと初タッグを組む。
ザバッティーニの脚本でネオレアリズモの代表的名作となった「靴みがき」(46)は第20回アカデミー脚本賞、演技経験のない市井の人々を起用した「自転車泥棒」(48)は第22回アカデミー特別賞を受賞。「ミラノの奇蹟」(51)はカンヌ国際映画祭のグランプリを受賞した。
名作「ひまわり」(70)でも主演を務めたソフィア・ローレン主演作「昨日・今日・明日」(63)と「悲しみの青春」(71)で2度のアカデミー外国語映画賞受賞を達成。後者はベルリン国際映画祭の金熊賞にも輝いた。74年、肺がんのためフランスで死去。「Una breve vacanza」(73)が遺作となった。