ジャック・ナンス
米ボストンに生まれ、ダラスで育つ。子どもの頃からサンフランシスコのアメリカン・コンサバトリー・シアターの公演などに参加。舞台俳優として活動を始め、1970年に「愛のさざなみ」で映画デビューした。フィラデルフィアの劇団に参加している時にデビッド・リンチに出会い、リンチ監督のデビュー作「イレイザーヘッド」(77)で主人公ヘンリー役を演じる(同作の名義は本名のジョン・ナンス)。以降、「砂の惑星」(84)や「ブルー・ベルベット」(86)、「ツイン・ピークス」(90~91)などほぼすべてのリンチ作品に出演するほか、デニス・ホッパーがメガホンをとった「カラーズ 天使の消えた街」(88)やSFホラー「ブロブ 宇宙からの不明物体」(88)などにも出演した。96年12月30日、脳内出血で他界。53歳だった。リンチ監督の「ロスト・ハイウェイ」(97)が最後の映画出演作となった。「ツイン・ピークス」で丸太おばさん役を演じたキャサリン・E・コウルソンとは68年~76年に夫婦関係にあった。91年に女優のケリー・ジーン・バン・ダイクと再婚したが、半年ほどでバン・ダイクが自殺してしまった。