砂の惑星
劇場公開日 1985年3月
解説
映像化不可能といわれたフランク・ハーバートの大長編SF小説を、前作「エレファント・マン」で成功をおさめた鬼才デビッド・リンチ監督・脚本により映画化。“デューン”と呼ばれる砂の惑星アラキスを舞台に繰り広げられる勢力争いを壮大なスケールで描く。後にテレビ放映用にナレーションと未公開シーンを加えた長尺版も製作されており、日本では「デューン/スーパープレミアム[砂の惑星・特別篇]」というタイトルで紹介されている。
1984年製作/137分/アメリカ
原題:Dune
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2022年1月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
失敗作。そんな評価ばかりを耳にするが、流石デビッドリンチ。美術やキャラクター造形は素晴らしい。
ヌメヌメやブツブツのハルコンネン家、謎形状の航宙士。そしてサンドワーム。2022年に観ても、色々なデザインに大きな影響を与えている事がよくわかる。
惜しむらくは時間。長大な物語を2時間に納めるのは、やはり無理がある。話運びはドンドン加速して、ただただ説明的ですらある。結果、ダイジェストと言っても過言ではない。
とは言え、当時のSFってこの手の感じ多かったよね。そう言う意味では、失敗作って程でもない様な。原作が名作な分、評価が厳しかったんだろうな。
私は嫌いじゃないよ。
さて、ホドロフスキーのデューンも続けて観ようかな。
2021年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
最初にTOTOを観たのが1985年の武道館ライブ、それから2006年、2019年の金沢公演を観たのですが、最後に観た時に初めて「DUNE」を聴いた♪ルカサーフリークだった俺にとっては初めての体験で興奮したものです。
てなことで、この不評の嵐である作品もTOTOの音楽のおかげでのめり込むことができました(劇場で観てないのが残念)。ディミニッシュスケールの不気味なメロディから圧倒されるわけですが、とにかく最初の設定を覚えるのが大変で、何度も見直してしまった。簡単に言えばアトレイデス家とハルコネン家の確執、それを皇帝が政略結婚による和睦しなかったことによりハルコネン男爵とともに陰謀を企てたというシェイクスピア劇風のストーリー。
宇宙の4惑星を巡る壮大な叙事詩をデビッド・リンチが仕上げたのに、コンパクト過ぎるという不評が多かったみたいで、見終わるとすぐに忘れてしまいそうな内容でした。しかし、CGの無い時代に大掛かりなセットを組んだり、巨大な砂漠虫の迫力があったりして映像も素晴らしいし、重低音が響き心臓バクバクものでした。それにリンチらしいキショい造形も印象に残ります。
前半はかなり丁寧に描いていたのに、父が殺されてからはかなりテンポが速くなって感情移入もしにくい。惑星間の復讐劇、そしてフレメンたちとの共同戦線などの見どころも満載。ようやく人物相関図を頭に描いたと思った直後に終わってしまった感じでした。出来れば「ヴォイス」という技とか、念力派みたいな技の説明が欲しい。
2021年10月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
ドゥニ・ヴィルヌーヴ版「デューン」が公開される前に予習として鑑賞しました。んー、不思議な作品でしたが、公開当時ウケなかったのも納得しました。王道SFなハズなのにリンチ監督っぽく気味が悪くて対象年齢が何処を狙っているのかわからない。でも、一部にカルト的な人気があるのは何となく納得しました。
とりあえず小説の一部分を映画化している為かブツ切り感が否めません。途中早回しでストーリー飛ばしてたし。後、心の声が妙に多い。各自心情を解説してくれます。「鬼滅の刃」は本作を参考にしてる?あ、それとワームってトレマーズの元ネタですよね、きっと。
ホドロフスキーが作ろうとしていた映画がデヴィット・リンチに回ってきたみたいですけど、リンチは単に空飛ぶ男爵を描きたかったに違いない‼️
2021年10月15日
iPhoneアプリから投稿
デヴィッド・リンチの言葉からも推察される通り、この作品は、編集が多くて、SF大河小説「砂の惑星」のあらすじを追うような感じて、内容や表現について評価できるような状況ではないと思う。
40年近く前の作品なので、ハイテク技術も未発達だし、そうした陳腐に見えることを除いても、やっぱり、ちょっと辛い気がする。
どちらかというと過度な編集前の長尺版の方を観る方が良いように思う。
ただ、キャラクターや建物、都市、宇宙船(ものによるけど)デザインは、デヴィッド・リンチならではで、デザインをこのままで、現在の技術で作り直しても、古臭さなどないような斬新さを持っていることは確かだ。
それに、若いパトリック・スチュワートや、スティングを見られるのは楽しい。
この原作でSF大河小説の金字塔とも言われる「砂の惑星」は、昨今の宇宙物理学の最新の情報を取り入れたり、哲学的に昇華されたSF小説と比べて、大味に感じられるかもしれない。
どちらかというと、シェイクスピアやギリシャ神話の戯曲のような構成やテンポだ。
家柄、領主同士の対立、後継ぎ、愚鈍な王、昔ながらの家臣、預言者然と振舞う占い師、裏切り者、既得権益の維持に躍起な組織。
これに、合理主義と神秘主義の対立、合理主義と非理性主義の対立、リーダーと部下の信頼と対立、血筋、裏切り、暗殺、復讐などの要素をちりばめて重層的な物語展開になっているのだ。
そして、ポールがフレメンを率いるところは、実は、イスラムのムハマンドにヒントを得ているのではないかと思う。
西洋的な社会の知識を持ちながら、砂漠の民を率いるのだが、一神教であるキリスト教を知り、ムハマンドは、アッラーを一神教としてイスラム教を強大に組織化していくのだ。
そして、原作では、それぞれの物語が個性を持って主張され、特にフレメンについては、理解を深めるようにアレンジされているように思えて、この映画のあらすじを追うような通常版のこの作品は、こころが踊らないのだ。
2021年10月15日公開の「DUNE」は、実は、前編らしい(との情報)。
だから、もし、先のストーリーが気になる人は、大変に読み易くなった新訳版の「砂の惑星」1-3巻を読むことをお勧めするし、映画だったら、可能であればデヴィッド・リンチの「DUNE(長尺版)」をご覧になられた方が良いように思う。
デヴィッドリンチに敬意を表して、ちょっと加点😁
すべての映画レビューを見る(全20件)