名古屋で国内最大級のアニメーション映画祭開幕!【第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル】
2025年12月12日 20:00

愛知県名古屋市で「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(通称ANIAFF)が12月12日に開幕、ミッドランドスクエア シネマで大村秀章愛知県知事をはじめ、審査員らが登壇する開会式が行われた。
地域の産業と文化のパワーを融合したグローバル、かつ世界有数の規模となる国際映画祭として、世界中のクリエイターが集い、語らい、刺激し合うクリエイションの場を目指し、12月12日~17日の期間中は、世界各国・地域からジャンルや表現方法を超えた最先端の優れたアニメーション作品やアニメーション界の重要なゲストが国内外から集結する。国際コンペティション部門には世界29カ国から45作品のエントリーがあり、「ひゃくえむ。」「ホウセンカ」「無名の人生」など日本作品をはじめとした11作品が選出された。

井上伸一郎フェスティバル・ディレクターは愛知県と名古屋市に感謝の意を表し、「名古屋は昔からアニメファンが多い土地柄。私のキャリアはアニメ雑誌の編集者からスタートしましたが、名古屋はよく売れました。この名古屋で最先端の世界のアニメーション映画を見ることができます。17日までどうぞ楽しんでください」と開幕を宣言。

コンペティション部門の審査員を務める、アニメーション業界最高の栄誉アニー賞を主催するASIFA-Hollywoodのエグゼクティブ・ディレクターであるオーブリー・ミンツ氏は、アニー賞に出品されるクオリティの作品を探しており、ANIAFFのこれからの目標や展開を期待しているとコメント。同じく審査員でポリゴン・ピクチュアズ代表の塩田周三氏は、幼少期からゆかりのあった名古屋での思い出を紹介し、「この地でANIAFFが開催され、審査員ができることを喜んでおります」と話した。

大村知事は、開催の喜びと主催陣へ感謝の言葉を述べ「愛知県は『ドラゴンボール』の鳥山明さん、『僕のヒーローアカデミア』の堀越耕平さんの出身地として知られています。また、ジブリパークや、コスプレサミットの開催など、世界をつなぐアニメーションと深いかかわりを持ち、アニメションの聖地もたくさんあり、世界中の皆様とアニメーションの無限の可能性を分かち合うことをうれしく思います。この映画祭が忘れられない時間になり、愛知、名古屋から世界にアニメーション文化が世界に広がることを願います」と期待を込める。

松雄俊憲名古屋市副市長は、「名古屋は芸どころとして知られており、能、狂言、茶の湯など多くの文化をはぐくんでまいりました。コスプレの聖地としても世界に知られており、このような国際映画祭が開催されることは意義深いと思っています。世界の皆さんからアニメを見るなら名古屋と言っていただけるようなったら、これほどうれしいことはありません」と語った。
また、同映画祭はアニメーション文化の発展を願い、個人賞・スタジオ賞の顕彰を実施。スタジオ賞として贈られる【ハナノキ賞】(愛知県の県木に由来)には、富山県南栃市に設立されて以来、「有頂天家族」 や「SHIROBAKO」「さよならの朝に約束の花をかざろう」「駒田蒸留所へようこそ」といった作品を生み出し、「花咲くいろは」で地域の発信・活性化としても大きな業績を残してきたP.A.WORKSが選出された。
第1回の個人賞のひとつで【カキツバタ賞】(愛知県の県花に由来)に、ロトスコープの特徴を生かしたアニメーション映画「音楽」を自主制作で作り上げ、「ひゃくえむ。」を監督、「無名の人生」もプロデュースした岩井澤健治監督。同じく個人賞の【ユリ賞】(名古屋市の市花に由来) は、「ダンダダン」「ルックバック」「ジョジョの奇妙な冒険シリーズ」「BLUE GIANT」など数多くの作品の編集を担当してきた廣瀬清志氏に贈られた。

開会式に続き、オープニング作品として、韓国の長編アニメーション作品「Your Letter(英題)」が上映された。本作は2026年の日本公開が決定しており、「君の名は。」 「すずめの戸締まり」など新海誠監督作品で知られる制作会社コミックス・ウェーブ・フィルムが日本での配給を担当する。同社が海外の劇場アニメーションを配給するのは今回が初となる。
上映前にはキム・ヨンファン監督が登壇し作品について語った。本作は、ウェブトゥーン「縁の手紙」が原作。「原作を初めて読んで、美しい余韻が残りました。登場人物たちの良い行い、美しい心が心を震わせ、手紙の真実の力を感じました」とアニメーション映画化の動機を明かす。

作品の見どころを問われると、「素早く送れるメールや電話より、ゆっくり伝わる手紙は主人公の気持ちをより伝えられると考えました。原作を読んで感動した方々に、アニメーションとして届けられれば勇気や癒しを与えられると思った」「匿名の手紙が誰からの手紙なのか興味を掻き立てる物語です。誰がどうしてこの手紙を送ったのか、その送り主に出会えるのか?それがこの物語をリードします。その原作の力、手紙に込められた気持ちに注目していただければ」「主人公は、いじめなどに立ち向かうキャラクターで、その過程での友人との友情を描きます。青春は誰にとっても大切で、同時に不安で未熟な時期でもあります。そのような感情をこめて、そこに手紙が合わさることで、魅力が高まると思いました」と語る。
キム監督は、幼いころに通っていた美術塾で「天空の城ラピュタ」を見て、アニメーションへの世界の夢が膨らみ、その後、宮崎駿監督作品や「カウボーイビバップ」、新海誠監督作品などを見て育ち、日本のアニメーションからも大きな影響を受けたという。

「幼いころより日本のアニメを見て育ったので、開幕作に選ばれ大変うれしく思っています。原作の世界観を表現するために、韓国のスタッフが心を込めて作りました。ありがたいことに、日本での劇場公開が決まりました。子どものころから大好きな会社に選んでいただいてうれしいです」とあいさつし、大きな拍手を浴びた。
「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(ANIAFF)は12月12日~17日、愛知県名古屋市で開催。チケットは公式サイト(https://aniaff.com/)で発売中。
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