劇場版 SHIROBAKO

劇場公開日:

解説

アニメーション業界の日常や実情、実態を描いて話題を集めたテレビアニメ「SHIROBAKO」の完全新作劇場版。監督は「ガールズ&パンツァー」などの人気作を手がける水島努。いつか必ず一緒にアニメーション作品を作ろうと約束した、上山高校アニメーション同好会の5人。卒業後、アニメ制作会社「武蔵野アニメーション」の制作進行として働く宮森あおいをはじめ、アニメーター、声優、3Dクリエイター、脚本家など、5人はそれぞれの場所や役割でアニメーション制作に携わり、「第三飛行少女隊」で夢に一歩近づくことができた。アニメーションの世界に自分たちの居場所を見つけ、少しだけ成長した5人の前に、新たな苦悩や試練が立ちはだかる。タイトルの「シロバコ」は、映像業界で使われる白い箱に入ったビデオテープを指し、作品が完成した際に制作者が最初に手にすることができる成果物の意味。

2020年製作/119分/G/日本
配給:ショウゲート
劇場公開日:2020年2月29日

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映画レビュー

4.0もの作りは楽しい

2020年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

もの作りは楽しい。同時にもの作りで食べていくこと、絶え間なく事業を継続させていくことは大変で苦しい。TVシリーズで上り調子に見えた武蔵野プロダクション(通称ムサニ)は、冒頭いきなりその勢いが見る影もなくなっている。TVシリーズの第一話のように。
たった一度の失敗、それも契約書をかわさずに制作を始めてしまったという業界の慣習から生じる失敗で窮地に立たされたプロダクションを立て直すために、他社が投げ出した映画製作に無謀にも乗り出す。散り散りになったかつてのスタッフを再び集めて、厳しい条件の中で一丸となって完成を目指すその姿は感動的だ。もの作りを仕事にすればいろいろなものに絡め取られる。しかし、この映画の登場人物たちのようにもの作りの衝動という原点を失わずにいればいつか道は開ける、そういう希望を謳った作品だ。
人口減少時代で内需が減少し続ける日本のアニメも、今度どうなってゆくのかわからない。しかし、ここに描かれたもの作りの熱意はきっと消えないのだろうと前向きに気持ちになれた。

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杉本穂高

4.5成長は難しい

2024年10月28日
PCから投稿
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kiritohyx

2.5面白くもつまらなくもなかった

2024年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

アニメシリーズから正当な続編なのは間違いなおが、上映時間が長いのに詰め込みすぎていてテンポが早いというより無理やり感が強かった
また、妙に生々しい場面があるかと思えば急にファンタジーに極振りで寒い場面が多々ありました。アニメシリーズではリアルとファンタジーの切り替えや度合いも丁度よいと思ってましたが、劇場版はそういった面も含め諸々浅いといった印象でした。

劇中でメタ発言やってる場合があるなら反映させれば・・・

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高い坂

4.0とても「映画」していて良かった

2024年4月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

TVシリーズからの続きの劇場版と聞いて、ついに七福神作るのか?と期待したが、さすがに七福神は無理だった。まあ作中で数年しか経過していないのだから仕方ない。

とはいえ、この作品はメタ的に宮森たち五人がしてきたこと、成そうとしていることを集約している。
TVシリーズ序盤で、たまに合うだけのバラバラな五人が次第に関わりを持つように、スキルを身につけ仕事ができるようになっていく。TVではここまで。
この劇場版では、劇中劇という形でよりしっかりと宮森たちが七福神を作れる可能性を示した。

どんなに頑張っても七福神にこだわるのであれば五人ぼっちでは作れないのだから、タイトルが違うだけで七福神を作ったのと変わらないのだ。
あとは七福神にお金を出してくれるところを見つけるだけでいい。

前半こそ少々退屈であったが、後半に向けての高揚感は良かった。
同じ水島努監督の「ガールズ&パンツァー」もそうであるように、盛り上げ方が上手いなと思う。
TVシリーズでは味わえなかったようなエモーションもある。

面白かったと思うのだが不満な人も多いようだ。そんな評価がイマイチな方々の話を聞くと、TVシリーズは面白かったがコチラは良くない。TVシリーズは感動したがコチラはしない。というものだ。
どちらかというと個人的には全く逆の意見だ。もちろんTVシリーズが面白かったので本作を観ているわけだが。

とはいえ理由はなんとなく分かる。この劇場版は「映画」していたからだ。
何を当たり前のことをと思うかもしれない。しかし、映画というのはTVアニメやTVドラマとは違う。
TV用というのは、極端な話、音だけ聞いていれば大体分かる。それに対し、映画は能動的に「観る」ことをしなければならない。
もちろん、全ての映画作品がそうというわけではないが。

TVアニメが1から10まで全部描くのに対して、映画は、もちろん限られた尺の問題もあるが、1と5と10しか描かない。わざと描かない。
なぜか?全部描いたら面白くもなんともないからだ。
そして代わりに描くものは、物語の転がりとは関係ない感情を動かすパートだ。
出来事を動かすことよりも感情を動かすことのほうが大事だから。

私はアニメファンではなく映画ファンなので、前半少々退屈に感じながらも、よく「映画」していて良かったと感じた。
どうなる、どうなった、という「あらすじ」だけではない「見えないもの」こそ映画の魅力だ。

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つとみ