タランティーノが選ぶ好きな豪映画、唯一無二の“独り言サスペンス”「ロードゲーム」10月31日公開
2025年9月5日 17:00

オーストラリアの鬼才、リチャード・フランクリンのサスペンス・ロードムービー「ロードゲーム」が、10月31日から公開される。
フランクリン監督が、敬愛するアルフレッド・ヒッチコック監督の名作「裏窓」(1954)にオマージュを捧げ、オーストラリアの広大な土地を舞台にしてつくりあげた本作は、公開当時サターン賞・最優秀外国映画賞ノミネート、批評家からも高く評価されるも、日本では完全に無視され劇場未公開だった。
だが「荒野の千鳥足」(71)、「ピクニックatハンギングロック」(75)、「ピアノ・レッスン」(93)それから「マッドマックス」シリーズまで、個性あふれるオーストラリア映画の中でも一際フランクリン監督の独特なセンスが光る作品として、映画ファンからは熱狂的な支持を得ている。
冷凍豚肉を運送中のトラックドライバー、クイッドはある日不審な行動をとるバンの運転手を目撃。彼がバラバラ殺人事件の犯人ではないかと疑い独自に追跡をはじめるが、次第にクイッド自身に容疑がかけられ地獄へと陥っていく。「裏窓」とスティーブン・スピルバーグの「激突!」(71)を融合させたような車内での心理戦、誰も自分のことを信じてくれない恐怖、延々に続く執拗な追跡。車内で大量にぶら下がる豚の肉塊や、誰もいない荒野のロケーションなども効いた悪夢的なシーンも魅力だ。
空想癖のあるトラック運転手、という独特な主人公クイッドを演じるのは「ドク・ホリディ」(71)、「ゴングなき戦い」(72)、「センチュリアン」(72)、「チーチ&チョン スモーキング作戦」(78)、「ロング・ライダーズ」(80)、「エスケープ・フロム・L.A.」(96)など多くの傑作映画で活躍したステイシー・キーチ。クイッドのトラックに乗り込むヒッチハイカー、パメラ役には当時「ハロウィン」(78)、「ザ・フォッグ」(80)、「プロムナイト」(80)などのホラー映画で“絶叫の女王”として確固たる地位を築いていたジェイミー・リー・カーティス。

ちなみに、後半には“ゆっくりした「マッドマックス」”ともいうべきデッドスローなトラックアクションが展開。音楽は「マッドマックス」(79)、「マッドマックス2」(81)を手がけたブライアン・メイが担当している。
フランクリン監督は、すべての豚(ポーク)好きと孤独者に捧ぐ、唯一無二の<独り言サスペンス>というべき本作で認められ、その後ハリウッド映画「サイコ2」(83)の監督に抜擢された。クエンティン・タランティーノは好きなオーストラリア映画TOP3に「マッドマックス」、「悪夢の系譜/日記に閉ざされた連続殺人の謎」(82)、「ロードゲーム」を挙げているが、ダントツのナンバーワンは「ロードゲーム」だと語っている。
10月31日からシネマート新宿ほか全国順次公開。
関連ニュース




「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」あらすじ・概要・評論まとめ ~無駄を優雅に、エレガントに、ゴージャスに作り込む美学の粋~【おすすめの注目映画】
2025年9月18日 08:30


映画.com注目特集をチェック

この作品がすんごい!!
【中毒者、大量発生中!!】配信直後から超爆裂ヒット&世界記録樹立の“極大刺激作”!!
提供:JCOM株式会社

死霊館 最後の儀式
【怖い!楽しい!観たことない――!!】超人気ホラー最新作! “最後の頂上決戦”、開幕!!
提供:ワーナー・ブラザース映画

好きで好きで、狂いそうになる一作に出合いました
感情移入が止まらない。闇社会でもがく3人の青春と絆が、愛おしくて、たまらなくなる。
提供:THE SEVEN、ショウゲート

人生を心から楽しむ、生きる力をくれる映画
【映画出演124本目の最新作】きっと、あなたの人生の“大切な1本”になる――
提供:キノフィルムズ

なんだこの映画は…!!
【いやめちゃくちゃ面白かった!!!】音、物語、ビジュアル、全て高品質の“強”推奨作!!
提供:ディズニー

この衝撃作を知ってるか?
“大注目ドキュメンタリー”の魅力を語ってきた!
提供:ラビットハウス、ミュート