【最強タッグ再び】トム・ハンクスが語る、ロバート・ゼメキス監督の映画術とは?
2025年3月29日 19:00

「フォレスト・ガンプ 一期一会」のロバート・ゼメキス監督とトム・ハンクス、ロビン・ライトが再結集した「HERE 時を越えて」が、4月4日から公開される。映画.comでは、ハンクスのオフィシャルインタビューを入手。本作の見どころから、「フォレスト・ガンプ 一期一会」チームの再結集、ゼメキス監督の映画術まで、さまざまなことを語っている。
ハンクスといえば、誰もが知っているハリウッドの名優。アカデミー賞主演男優賞に2年連続輝いた数少ない俳優のひとりで、「フォレスト・ガンプ 一期一会」「アポロ13」「プライベート・ライアン」「グリーンマイル」「キャスト・アウェイ」「ターミナル」「ダ・ヴィンチ・コード」など、洋画ファンなら一度は観たことがある名作で主演を務めてきた。近年も「エルヴィス」「オットーという男」「アステロイド・シティ」といった話題作に出演し、鮮烈な印象を残している。
最新作となる「HERE 時を越えて」は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで知られるゼメキス監督がメガホンを取った作品。これまで、「フォレスト・ガンプ」「キャスト・アウェイ」「ポーラー・エクスプレス」「ピノキオ」などで何度もタッグを組んできた黄金コンビによる新たな傑作が誕生した。

この映画は、まさに映画的な物語と言えるだろうね。単なるショットの積み重ねではなく、時間と空間に対する感覚が映し出されていて、それが最終的に映画のテーマである、“ここ=here”を語ることに繋がるんだ。
“ここ”で何が起こったのか、それは“今”と言うこともできるけど、“今”は何千年にもわたって揺れ動くものだから少し異なる。重要なのは、文字通り“ここ”という地球上の座標であり、そこに何千年も前のマンモスの鳴き声から、ベンジャミン・フランクリンの息子の誕生、そして数千年後の未来の出来事までもが全て重なり合っていく。
僕がこの作品から感じたのは、その時間や、その瞬間にまさに飛び込んでいって、物語に関わることができるという非常にクリアな感覚だった。それが先住民のシーンであれ、リチャードとその家族の出来事であれ、そういった没入させる力を本作は持っていると思うよ。

もちろん、ボブ(ゼメキス監督)と、脚本のエリック(・ロス)、そして僕たち全員で一緒にこの映画を作った。ロビン(・ライト)は間違いなく欠かせない存在だ。そもそも、僕が映画に出演するときは、最初にロビンのことを思い浮かべるんだけど、彼女が忙しかったり、タイミングが合わなかったりして、これまでなかなか実現しなかった。
それに加えて、撮影のドン・バージェスの存在も特別だね。映画作りには多くの人が関わるけれど、この作品において重要なメンバーは、まさにこの5、6人だったと思う。僕たちは皆、お互いのことをよく知っているし、それがこのプロジェクトの強さにもなっているんだ。
今回の映画に限って言うと、僕やロビン、ケリー(・ライリー)、ポール(・ベタニー)といった俳優たちがしたのは、ボブに“素材”を提供するという作業だった。ただし、その素材は既に精製され、純度の高いものになっていなければならない。僕たちは意図を明確にし、それをしっかりと実行しなければならなかった。だから、この作品の制作過程は非常にユニークだったね。
ただ、映画を作るうえで求められること自体は、どの作品でも同じだよ。結局のところ、現場に行って、それを掴み取るしかないんだ。シーンの本質を理解し、自分の役割を果たすことが求められる。それこそが映画作りの醍醐味だし、映画を作るのはいつも楽しいんだけど、それと同時にあらゆる技術的な側面をクリアにしていくことも求められるんだ。

問題は、その挑戦がそもそも可能なのか?ということなんだ。でも、ボブは挑戦すること自体が大好きなんだよ。彼は“誰にでも出来ること”には興味がない。彼のミッションは、誰も考えたことがない、もしくは誰も確信を持てなかったことを実現するということなんだ。
そのために必要なことが3つある。1つ目は、これを作る理由が正しいのかということ。2つ目は、扱うテーマが真剣に考える価値のあるものかということ。そして、3つ目は映画を作る上で自分たちが厳しい基準に沿ってそれを構築しているかということ。彼が関わってきた作品は、すべてそうだった。リスクもあったし、興奮もあったし、ボブの技術的な挑戦は、まさに先駆者というにふさわしい。そして、それは僕たち俳優に与える影響も大きかった。技術的なことはボブがすべて引き受けてくれるから、僕はそれを心配しなくて済むからね。特に、この作品において、僕やロビンがやるべきことは、“ここ”にいるということだったんだよ。
「HERE 時を越えて」は4月4日から公開。
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