キャスト・アウェイ
劇場公開日:2001年2月24日
解説
「フォレスト・ガンプ 一期一会」のロバート・ゼメキス監督とトム・ハンクスが再タッグを組み、飛行機事故に遭い無人島に漂着した男の生き残りをかけた孤独な日々を描いた人間ドラマ。チャックは速さを誇る宅配便“フェデックス”のシステム・エンジニア。世界中を駆け回り、システム上の問題解決に明け暮れる日々。一秒も無駄にしないことが信条の彼は、恋人ケリーとのデートも秒刻みだった。そんな彼はある時、飛行機事故に遭い、1人無人島に流れ着く。彼は恋人ケリーとの面影と新しい友達に見立てたバレーボールを支えになんとか生き延びる。そして4年が経った……。
2000年製作/144分/アメリカ
原題:Cast Away
配給:UIP
スタッフ・キャスト
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2023年5月26日
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鑑賞方法:VOD
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鑑賞後の気持ち
こいつ可哀想だなって思った。
時間に厳しい男が無人島で生活してなにが変わったのか、なにを得たのかがわからなかった。
鑑賞後の心の変化
なし
鑑賞後の行動の変化
飛行機になるべく乗らない
好きなシーン
ウィルソンを蹴って飛ばして探すシーン
嫌いなシーン
結構しちゃってる元カノの事実を知るシーン
冒頭から遭難まで約30分。
そこから約80分サバイバル生活をし、
帰還してからラストまで約30分。
そうです、意外に”サバイバルではない”描写が
長いんです。
つまりこの映画のテーマ、ロバートゼメキスの
メッセージはラスト30分なのです。
チャックはなぜ4年もの間たった一人で
生き延びられたのか。
親友の”ウィルソン”とケリーの写真があったから。
いえ、そうではありません。
(※もちろん”ウィルソン”は助演男優賞ものですが!)
チャックは「フェルミ推定」とPDCAを常に意識しています。
フェルミ推定とは、想像もつかないような問題に対して
なるべく具体的な手掛かりを推定し論理的に考える
思考法で、仕事ができる人には必須の能力です。
”社畜”と揶揄する方もおられますが、
冒頭30分でチャックの”生き残るための能力”を
ちゃんと紹介しています。
飛行機事故の場面でもチャックのその能力が表現されています。
海への不時着を見越して、救命ボートは絶対離さない。
周囲をよく観察し、ネットに体を巻き付け揺れや衝撃に
対応している。何も考えずに歩き出し、頭を血だらけにする
パイロットとは違います。
しかもただの計算高いヤツではなく、愛する人にもらった
大事な時計を救命胴衣よりも優先する人間らしさも
兼ね備えています。
無人島でも同様です。
まず考え、実践してみてダメだったところを修正し、
試行錯誤しながら改善していくPDCA。
自殺にまで実験を試みる思慮深さ!
脱出するためのいかだ作りには〇〇本の木材と
〇〇メートルのロープ。1日〇〇メートル作れるから…
まさにフェルミ推定が身についていたからこそ
出来上がった脱出船です。
もしバレーボールが漂着してなくても、
おそらく彼ならヤシの実に顔を書いて
”ココ”とでも名付け、話し相手にしたでしょう。
本当の絶望は帰還してからやってきます。
無人島では常にケリーとウィルソンが
いてくれましたが、今は本当の孤独。
セレモニーでもパーティでも彼の目はうつろ。
もちろん何もかも捨ててケリーを連れ去る
なんてことはしません。
新たな相棒”ウィルソン”を助手席に乗せ、
クロスロードでじっくり考えます。
どちらに進むべきかを。
ただ、息をすることだけを考えて。
さて、問題です。
人は一生のうち、何回呼吸するでしょうか?
後半〜ラストシーンが奥深いかな。
決して死んではいけない、生き延びろとのメッセージが感じられました。
最後のシーンのラリーホワイトも良かったです。
2023年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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最初に主人公が登場した際、時間の重要性を説く感じがいかにも現代人らしさを強調しているように見えました。
飛行機が不時着し海に飛ばされた主人公はゴムボートに乗るが、夜の嵐は暗い中波も高く周りがどうなっているのか観ている側もよくわからない描写は、「実際に漂流したらこんな感じで周りが何も見えない中波に打たれるんだろうな」なんて思いました。
無事?無人島に流れ着いて間もない頃、漂着していた運搬物を拾い集めている主人公の仕事に対する真面目さだったり、絶望的な状況に置かれていることを理解していない呑気さに妙なリアリティを感じました。
次第に飢えていく主人公は、火を起こそうとするが失敗し手を怪我してしまう。その後、何を思ったか主人公が漂着した荷物のバレーボールに手から流れた血で顔の絵を描きます。バレーボールに描かれた顔(名前はウィルソン)に話しかけながら火起こしを再開すると見事成功しました。そのシーンを見て、彼は自身と向き合った結果上手く行ったのだなと、ただそれって意外と難しいよなぁと。
火起こしに成功し、ウィルソンという友(自分の内面?)を手に入れた主人公はなんと4年も無人島で生き残り、さらにはなんだかんで救出されます。救出されたは良いが、恋人は別の男と結婚していて子供もいました。そんな状況でもまだ愛していると恋人から告白を受けるが、主人公は彼女を夫と子供の元へ送り届けます。おそらく主人公は既に彼女が築いていた家庭を守るために身を引いたのだと思いますが、それができる強い心だったり彼女への愛を感じた良いシーンでした。その後、主人公は友人に彼女を失ったことを嘆きながらそれでも息をする(生きていく)と告げます。
ラストは遭難前に時間と戦っていた主人公とは打って変わって、道端に車を止め地図を見ながらどこに行くのかを考えるシーンで終わります。人生は気の持ちようで多くの選択肢が生まれると言っているような終わり方でした。
登場人物の心情や性格をセリフではなく演者の表情や立ち振る舞いから感じるシーンは見ていて気持ちよかったです。無人島にいる間は環境音のみのシーンが多く、要所で流れるBGMの使い方が上手いなぁと。