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「Demon City 鬼ゴロシ」田中征爾監督、こだわったのはアクションを“落ち着いて見せる”演出 リピート鑑賞者向けトリビアも

2025年3月13日 10:00

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Netflix映画「Demon City 鬼ゴロシ」は世界独占配信中
Netflix映画「Demon City 鬼ゴロシ」は世界独占配信中

生田斗真が主演を務めるNetflix映画「Demon City 鬼ゴロシ」(世界独占配信中)。主人公のセリフはほぼなし、さらに、マサカリ一つで敵を殲滅していくオリジナリティあふれるアクションが話題を呼び、日本のみならず世界でもヒットをしている。脚本・監督を手掛けた田中征爾がインタビューに応じ、アクションのこだわりやリピート鑑賞者向けのトリビアなどを聞いた。


【あらすじと概要】
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裏社会を震撼させてきた伝説の殺し屋・坂田周平は、愛する妻と娘との平穏な暮らしのため、殺し屋稼業からの引退を決意する。しかしある時、事態は一変。坂田が暮らす地方都市・新条市を裏で牛耳る謎の組織「奇面組」に、愛する家族を殺されてしまう。何よりも大切な妻子を奪われた坂田は復讐を誓い、マサカリ1本を手に取り、敵のアジトに潜入して暴れ回る。ところが、殺されたと思っていた娘のりょうは、奇面組メンバーの伏勘太の慰み者になるため育てられていた。怒りが最高潮に達した坂田は復讐の鬼となり、りょうを取り戻すためにも敵を容赦なく葬っていくが……。

原作は、2020~24年に「週刊漫画ゴラク」で連載された河部真道による漫画「鬼ゴロシ」。3月5日に発表されたNetflix「日本の週間TOP10(映画)」で1位を獲得し、「週間グローバルTOP10(非英語映画)」(2/24-3/2)でも2位にランクインした。

田中征爾監督
田中征爾監督
――日本のみならず、世界でもヒットをしている今の状況をどう受け止めていますか。また、作品のどのような部分が、視聴者に受け入れられたと思いますか?

制作段階からスタッフの皆さんとも「せっかくNetflixなのだから 、日本のお客さんはもちろん、世界中の人にも楽しんでもらえる作品に」という話はしていましたが、想像以上の反響に驚いている(そしてホッとしている)のが正直な気持ちです。

とはいえ、所謂“海外ウケ”的な演出を狙ったわけではなく、原作「鬼ゴロシ」の最も大きな魅力の一つであった「能面を被った悪役たち」というオリジナリティ/造形と、極端なまでに単線的な復讐劇の持つ普遍性、そしてもちろんアクション、これらの組み合わせを楽しんでいただけたのではと想像しています。

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――「アクションシーン」に特化した内容が、多くの視聴者の心を掴んでいます。本作におけるアクションのこだわりを教えてください。

やはり、少し引き目に構えて、芝居の延長線上としてアクションを見せることでしょうか。もっとカメラを被写体に寄せて更に「激しいアクション」に演出することは可能だったと思いますし、そうした方がいいのではと意見をいただいた事もありました。が、この作品は「アクション映画」ではなく「復讐劇」として見てほしい思いがあったのと、更にいくつかの狙いから、アクションを「落ち着いて見せる」演出を心がけました。それによってアクション演出の難易度が極端に上がりますが、とても迫力のあるアクションを創造してくださったアクション部の皆さんと生田さんには本当に感謝しています。

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――本作をつくるにあたり、参考にした作品や、意識した作品はありますか。実際に意識した点や、影響を受けたものがあれば具体的に教えてください。

タイトルが原作どおりの「鬼ゴロシ」ではなく「Demon City 鬼ゴロシ」になるとおうかがいした時点で、この作品は「街の有り様」をしっかり描く必要があると思いました。かつ、主人公が善人なわけではない要素も合わせて、韓国映画の「アシュラ」(2016)は脚本開発の際に参考にした作品の一つです。主人公の造形に当たっては、「ザ・キラー」(2023)、「MAD MAX 怒りのデスロード」(2015)、「ドント・ブリーズ」(2016)などは影響を受けたと思います。

本作とよく比較される「ジョン・ウィック」(2014)については、実は目指していた訳でもすごく意識した訳ではありません。ただしあまりにエポックメイキングな作品ゆえ、アクションの撮り方など影響を受けずにアクションを作ることは実質不可能ですし、皆さんがしきりにこの作品名を挙げる事からも、「ジョン・ウィック」が如何に偉大であるかを示しているなと思います。

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――無口で復讐を行っていく、坂田のキャラクターは強烈なインパクトを残しています。“無口な復讐者”というキャラクターにした理由やこだわりはありますか? “無口”だからこそこだわった演技方法などあれば教えてください。

初稿の頃は、坂田が冒頭で脳を撃たれた事の“後遺症として言葉が喋れない”という設定にしていました。それを起点に作品世界を組み上げて行く中で、今よりももっと色々と喋る人物になった稿もありましたが、生田さんからも「初めの頃のあの(喋らない)感じの方が好きでした」とご意見もいただき、だったら尺や様々な制限から背景説明などを大胆にぶった切って、とにかく坂田と街=悪役たちが戦う方向性に振り切ってみよう、と考えました。

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――作品にオリジナリティを与える上でこだわったポイントはありますか?

日本において「復讐+アクション」という映画作品が少ないことから、上述のとおり原作の最も大きな魅力である「能面を被った悪役たち」と「復讐+アクション」の掛け合わせによって十分オリジナリティは出るだろうと思っていました。

もう一つは、実はここがなかなか伝わりにくい所なのですが、僕なりのギャグというかコメディ演出を挟み込んでいる所です。原作のもう一つの魅力が「えげつない暴力描写と気の抜けたギャグの同居」にあると思っていますが、本作でも(笑っていいのかダメなのか分からない具合で)笑える演出を挿入するようにしました。その点もオリジナリティに寄与してくれたなと思っています。

――2回目、3回目とリピート鑑賞する人に向けた、トリビアなどがあれば教えてください。

出所直後の坂田が運び込まれるアパートの前で子どもたちがお面を被って遊んでいますが、その子達が何のお面を着けているのか、「鬼ゴロシ」というタイトルを意識しつつ確認いただくとおもしろいと思います。(この辺、悪役たちの能面もそうですが、海外の方にしっかり説明したい点だったりします笑)

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――最後に、田中監督が今までに影響を受けた映画や、繰り返し何度も観るくらい好きな映画を教えてください。Xで「次はラブコメをやりたい」と書かれていましたが、普段はどんなジャンルの作品を好んで観ることが多いですか?

最も大きく影響を受けた映画は「アニー・ホール」です。なのでウディ・アレン作品には偏愛といっていい作品がいくつもありますし、ジャンル違いだとボーンシリーズ(アイデンティティ〜アルティメイタムの3作)は何度も観ちゃいますね。あとはビリー・ワイルダーの「深夜の告白」は定期的に見ます。

基本的には人間ドラマの中にサスペンスがある映画が好きなので(ラブコメにおける恋愛もサスペンスの文法でハラハラする訳ですし)、今後はそっちにも挑戦していきたいですね。

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